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聖女トゥキスモの恋  作者: 水無月 一夜
1/10

プロローグ

書いているうちに、ハッピーエンドにしたくなっちゃったんだけど

 ごめんなさいバッドエンドなんです。 m(__)m

穏やかな陽だまりの中に心地良い風がそよぐ小さな池がありました。

蝶々が水を飲みに来ていて、そのすぐそばでは沢山の子供たちが泳いでいました。

ここがトゥキスモの住処です。

すぐそばでは人間の親子が縁側でくつろいでいました。

「お母さん、肩揉んであげる」

「ありがとう 亜希の肩揉みは気持ち良いから大好きよ」

「お母さん万年酷い肩こりだもんね」

「ほんと~、どうにか良くならないかしらね~」

「神社にお参りしたら良くなるかもしれないよ」

「週末に行って来ようかしら」

そんな親子を見た後に、ゆっくりと泳いで空を見上げながら私は<とーちゃん、かーちゃんは、どこにいるんだろな>見た事のない両親の姿を想像してみるのでした。

今までは孤児である事に、何の疑問も無かったし、周りには兄弟や沢山の仲間がいたから、寂しさとかは何も無かったのです。

ただ人間の親子を見ていたらなんとなく、かーちゃんに会ってみたいなぁって胸の奥の方でじわっと、何かがゆれたように感じました。


この池は言わば孤児院というか、託児所というのか良く分からない場所でした、大人はいないけれど、子供たちだけで楽しく暮らしていました。

私の生活の全てがこの場所でした。

言葉も食事の採り方も全て子供たち同士で教え合って覚えて来ました。

沢山泳いで、食べ物を見つけると有り難く戴きます。

「天の恵みに感謝だね」隣人のつぶやきが聞こえた気がするので

なんだか良く分からない事を聞いた私は、聞いてみました。

「天の恵みってなぁに?」

ちょっと考えたように見えてから、ぽそっと答えてくれました。

「前に人間があの木の実をもぎとって、『美味しそう、天の恵みだわ』って言ってたのを聞いたんだ」

「それと~、食べるときには挨拶するのがマナーなんだって」

「マナーってなに」って聞いたのだけど

「わかんない、別の人間が『食べる前にはする事あるでしょって』話してたんだよ」だって、<天の恵みかぁ、そんな事知らなかった。また一つ学習した♪>

私は知らない事を学んで、楽しい気分になりました。

マナーという物が結局何なのか教えてもらえなかったけれど、もうそんな事は忘れてしまいました。

トゥキスモはみんなと一つだけ違う所がありました。

全身が真っ白だったのです、でもみんな生まれた時からずっと一緒に育ったので誰もそれが変わっているとは思っていませんでした。

泳ぎは生まれた時から普通に出来ていました。水の中で皆で泳ぎまくって、食べ物を探しました。

ただ泳いで食べ物を食べてそれだけなんだけど、楽しかったのです。

<今日も沢山食べたな~>満腹になって、ぼーっとしていると、

人間の住処から声が聞こえてきました。

「・・・として転生していました・・・」

なんだか難しい話みたいで、理解できないので寝てしまいました。

けれども、目が覚めてもまだ、声は続いていました。

「聖女様、回復魔法を・・・聖女が回復を唱えると・・・見る見るうちに怪我が治ったのです・・・」

声が小さくて部分部分しか聞こえませんがなんだか楽しそうなので懸命に聞きました。

声が終わると、私は興奮していました。

私も回復魔法を使いたい♪ 私はしおれた花に手をかざして<回復>と唱えました。

一瞬光ったように見えました。実は葉っぱについていた水滴が落ちただけだったのですが、トゥキスモが魔法が発動したと思いこむには十分でした。

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