モブNo.116:「ようこそ傭兵の諸君!俺が中央艦隊討伐部隊総司令官兼第1艦隊司令官、ジャック・バルドー・ブレスキンだ!今回我が第1艦隊所属の戦闘艇部隊の訓練に協力してくれて感謝する!」
前話の展開で色々お叱りを受けたので、
前話の一部を改訂しました。
ご確認ください
翌日には軍からの、正しくは中央艦隊討伐部隊第1艦隊からの依頼が掲示された。
出来れば100人くらい希望者が殺到して、即日締め切りになってほしかったけれど、相手が第1艦隊なだけに大抵の人間が尻込みしたらしく、期日の日までに募集人数がいっぱいになる事はなかった。
なので約束通り、この模擬戦闘の依頼を受けておいた。
期日の翌日にはミーティングがあり、それが終わり次第出発ということらしい。
普通はミーティングの翌日に出発とかになるのだけれど、全員を運ぶ為の輸送船の予定の都合なんかがあるらしい。
ちなみに僕が仕事を受ける受けないに関係なく、父の交通事故における煽り運転の容疑に付随する公爵関係者の身分詐称問題については調査はして貰えているのだろう。
とはいえ調査は始まったばかりなので、今のところ進展はない感じだ。
両親には、今の僕にとっては払えない額ではないからと安心させておいたけれど、身分詐称の話を将軍閣下に話した事は教えていない。
下手に教えて、向こうに気がつかれると面倒だしね。
そしてミーティング当日。
今回の依頼への参加者、総員30名が集まっている大型の会議室に、シュネーラ・フロス中佐殿が女性の部下1人を連れて、説明にやってきた。
中佐殿も部下の人も、参加者の一部からナンパ行為をうけるが、中佐殿の氷のような視線で一蹴された。
そして説明が始まり、今回の依頼の子細が説明され、リモートで依頼主であるジャック・バルドー・ブレスキン将軍閣下の話を聞いた後、輸送船に全員の船を積み込んでから、直ぐにハルイトック宙域に向けて出発となった。
ちなみに参加者の中には、ロスヴァイゼさんとランベルト君の『羽兜』コンビ、アーサー君とセイラ嬢、中二病患者のレビン君、バーナードのおっさん、モリーゼ、ダンさん、新人のシオラ嬢。そして『ヒーロー君』ことユーリィ・プリリエラ君が参加していた。
ロスヴァイゼさんやセイラ嬢は軍には関わらないかなと思っていたのだけど、受けていたのは意外だった。
その辺りの理由をランベルト君・アーサー君経由で尋ねてみたところ、
『今までさんざんイラつかせてくれた軍の連中に攻撃が出来るから』
という物騒な返答が帰ってきた。
特にセイラ嬢は、目付きがかなり危なかった。
そんなことがありつつも、道中はなんの問題もなく、軍の権限でゲートを乗り継ぎ、銀河標準時での午後5時前後に、目的地のハルイトック宙域に到着した。
その到着したハルイトック宙域には、帝国軍中央艦隊討伐部隊第1艦隊の艦船が勢揃いしていた。
たしか戦闘艇部隊の訓練の為の模擬戦をするんだよね?
なのに艦隊ごと来ちゃっていいのかなあ。
『では皆さん。各々の船に乗り込んだ後、こちらの指示に従って、指定の艦船に着艦してください』
そんな疑問を感じていると、中佐殿から指示があった。
その指定された艦船が、航空母艦だったのは当然と言えば当然だ。
そして全員が航空母艦に着艦すると、
「ようこそ傭兵の諸君!俺が中央艦隊討伐部隊総司令官兼第1艦隊司令官、ジャック・バルドー・ブレスキンだ!今回我が第1艦隊所属の戦闘艇部隊の訓練に協力してくれて感謝する!」
整列した部下達と共にジャック・バルドー・ブレスキン大将閣下が、仁王立ち状態で、おそらく儀礼用、といっても刃の付いている本物。の軍剣の鞘尻を地面につけ、柄頭に両手を置いて待ち構えていた。
はっきり言って威圧感が半端じゃないお!
それは傭兵全員も同じみたいで、中佐殿をナンパしてた連中も、流石に大人しくしていた。
しかしロスヴァイゼさんだけは平然としているようだった。
やっぱり人間じゃないから威圧感は感じないのだろうか?
「ではさっそく模擬戦といきたいが、ここに来るまでの疲れもあるだろう。模擬戦は明日朝に開始する予定だ。なので、宿舎を提供するのでゆっくり休んで英気を養ってくれ」
「ではこれより宿舎にご案内します。女性は私に、男性はそちらのフラックス・エイルード少尉に付いていって下さい」
「フラックス・エイルードっす。艦内は結構複雑なんで、はぐれないようにしてくださいっす」
将軍閣下の指示で僕達の前に現れたのは、ちょっとチャラい感じの、僕と同い年かちょっと下ぐらいの青年と、シュネーラ・フロス中佐殿と一緒に説明会に来ていた女性、ミリシアナ・トーデル少尉だった。
ちなみにトーデル少尉は、クリーム色の短髪にツリ目の美人さんで、胸部の素晴らしい装備は女性すら目を見張るものだ。
そうしていざ移動しようとした時、シュネーラ・フロス中佐殿が、
「そうそう。閣下、以前に軍学校の生徒が何者かに煽動されて覗きをしようと企んで、直前に発覚して事なきを得たのですが、もしまた同じようなことが発生したら、首謀者の何処とは言いませんが切り落としますよ?」
と、上官である将軍閣下にパイルバンカー級の釘を刺してきた。
『切り落とす』の一言に、将軍閣下はもちろん、その場にいた男性兵士達、そして僕も含めた男性傭兵達の全員が恐怖のあまりビクッと反応する。
まさか本当に切り落としはしないだろうけど…。
というか、注意するって事は将軍閣下が学生煽って覗きをさせようとしたって事だよな?
軍学校の先輩とかならともかく、将軍閣下がすることじゃないだろ……。
最後に怖い発言があったものの、なんとか宿泊する部屋に案内されたわけだが、こちらがお客でもあるからか、それぞれ個室をあてがわれた。
以前の護衛の時の航空母艦と違い、実際の軍隊が使用しているからか、かなり無骨な印象だった。
そして到着時間から考えて、かなり短時間で夕食の時間になった。
軍の、特に船の食事がなかなかに美味しいというのはよく知られていて、実際かなり美味しかった。
しかし一つだけ気になることがあった。
模擬とはいえ敵対する為なのか、閣下達が居なくなった後は、案内役のエイルード少尉とトーデル少尉、食事の時の食堂の人間以外、誰とも接触する事がなかった。
艦橋・機関関係・艦長室といったところ以外は移動できるエリアを限定されていないし、これだけの船ならけっこうな人数が乗っているはずなのに、気配すら感じることがなかった。
もしかすると、世話役の2人と食堂の人間、そして艦長を含めた艦橋要員と整備要員以外は、全員が船を降りてるんじゃないだろうか?
その残っているのも、人数は1人だけとかじゃないよね?
もしそうだとしたら、中佐殿のパイルバンカーは傭兵達にも向けたものだったという事になる。
そのあたりをエイルード少尉とトーデル少尉に聞いてみたかったが、それぞれ派手な人達に捕まり、声をかける事が出来なかった。
ちなみにその日の夜は、中佐殿のパイルバンカーの効力もあり、傭兵達に不届き者は出なかったらしい。
翌朝は、朝食が終了した後、直ぐ様召集がかけられ、画面越しの将軍閣下の挨拶から始まった。
『おはよう傭兵の諸君。本日は君たちに我が第1艦隊所属の戦闘艇部隊との模擬戦闘を行ってもらう。その際、軍に花を持たせようなど考えることは一切不用だ。存分に叩き落としてもらって結構!むしろあっさりやられ過ぎたりした場合、真面目に仕事をしていなかったという事で、ギルドに報告し、報酬も無しという事にさせてもらう!』
そしてその挨拶の内容は、契約違反ギリギリ?な内容だった。
まあ実際には、ものすごくあっさりやられてしまうことだってあるので、ジョークの類いだとは思う。
実際ほかの人達はジョークだと笑っている。
しかし僕だけは『やりかねない』と、思ってしまった。
【サイド:並んでいた兵士達の心の呟き(真面目組)】
『あいつが羽兜か……強そうには見えないな』
『俺達が傭兵相手に負けるわけにはいかない!』
『あのオールバック野郎は見たことあるぞ…』
『確かあの人…陛下の護衛隊にいたわよね…てことはかなり強そう!』
『あれは…シオラ・ディロパーズ…。学生時代の借りをかえしてやるわ!』
『私は私のやれる事をやるだけ!』
【サイド:並んでいた兵士達の心の呟き(不真面目組)】
『見ろよ!あの3人は間違いなく上玉だ!』
『俺はあのでかいのでも…』
『落としたらワンチャンデートにもちこめるか?!』
『イケメン!イケメンよ!機体も落として心もオトス!』
『あのコブは排除よ排除!』
『たいしたのはいないわね。それなら全員撃墜してシュネーラ御姉様に御褒美をいただくのよっ!』
自分でも思っていたのと、御指摘・お叱りを受けたので、前話の内容を書き換えました。
少しはましになったはず…
ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします
今話にも御指摘があり納得がいったので一部を改訂いたしました




