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ざまぁ対象を巡る末路のトトカルチョ

「分かってんじゃねえか。偉いぞセシル」

「わっ、ダンさん、ちょっ、やめてくださいよ」


僕の首を右腕で挟み込みながら左手で頭をワシワシする。

ダンさんに認めてもらえた気がしてちょっと嬉しい。


先輩冒険者のダン先輩だ。身長170cm、26歳。黒髪の短髪で左目に黒い眼帯を付けている。

冒険者を初めて10年経ったらしい。戦士というよりシーフ寄りの冒険者。身のこなしが素早いく的確に短刀をダーツのように投げ込むのが上手い。闇夜や障害物の多い所では完全武装した騎士よりも手強いだろう。


「ちょっとダン先輩、彼を褒めるなら私に加勢してくれてもよかったんじゃありませんこと」

「悪かったな。マリーの啖呵も中々よかったぞ」

「もー、調子の良いことばっかり!」

「あの位元気ないとな。いやーいいもの見れた」


女の子もとい、マリーは左右の手を腰に添えて頬を膨らましている。


「僕のためにありがとう」

「べっ、別にあんたのためなんかじゃないわよ!

 何だか私が馬鹿にされたような気がしたからよ。」


「それでも僕は君に感謝するよ」

「勝手にしなさい。フンっ」


ダンさんがよく分からないけどニヤニヤしている。何が面白いんだろうか。


「でも、どうしたものかしら。もしもあいつらがゴブリンを倒してしまったら・・・。

 あんな丸みを帯びた肉の塊に触れられるなんて嫌よ」


頭を抱えて苦悶する。確かに彼女は見ていて飽きない。成り行きとはいえ巻き込んだのは僕なんだから、何か良い方法を考えないと。


「なんだ、そんなことか」

「なんだじゃないですわ。私がどうなってもいいわけですの」


マリーがニヤニヤ笑ってるダン先輩に恨み言を吐く。

ダン先輩がギルドの受付おじさんへ振り向く。


「いやぁ〜、ガトーの旦那もゴブリンの巣穴を駆除しろとは人が悪い」

「何のことやら。俺は仕事を振っただけだぜ?」

  

状況を掴めない、僕と彼女、マリーは首をかしげる。何を意図した依頼だったのだろうか?


「それにしてもゴブリンの巣穴の駆除ってそんなに簡単な依頼なのかしら・・・?」

「だよね。まさか3匹未満ということはないと思うんだけど・・・」

  

何の準備なしにゴブリン討伐に向かって本当に大丈夫なのだろうか?最悪のケースを想定して森に入る僕が臆病すぎるだけなのか?

ゴブリンについての理解は、自分よりも背丈が低く、小柄な生き物位の認識しかない。後、鶏を盗んでいったりする。


首をひねっていると室内にダンの声が響き渡る。


「賭けに乗るやつはいないか!

 あの肉団子が依頼達成出来ると思うやつ。倍率100倍でどうだ!?」


即座に返事が返ってくる。


「取り巻きのチビが死んで逃げ帰ってくるに銀貨10枚!」

「ノッポがくたばるに銀貨20枚!」

「全滅に銀貨30枚だ!」


口々に自分の予想と掛け金を告げる。

革袋に掛け金を回収してまわるダン。


よく分からないけど分かったことがある。

どうやらここにいる冒険者全員はアンドレが依頼達成するとは全く考えていないようだ。


「果たしてどんな結末になるかねぇ」


おじさんにいつもの陽気さはない。

やっぱりただの気前のいいおじさんじゃないんだ。

アンドレ、君は一体どうなってしまうんだろう?

読者様へ


読んでいただきありがとうございます。

76万作以上ある「魔境なろう」で、僕の物語を読んでくれたことに只々感謝です。

より面白い物語が書けるように精進してまいります。


今後ともお付き合いいただけたら幸いです。

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