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2人だけのクリスマス  作者: くまねこ
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前編

私には5歳になる息子がいる。

優しく育ってほしいことから優太と名付けた。

優太の母、つまり私の妻は去年他界した。

それまでは妻が優太の面倒を見てくれていたので、私は仕事をしつつ、たまの休みに家族サービスをするだけだった。

しかし今は仕事もしつつ、家事や優太の面倒など全てをやらなければいけなくなった。

こんな状況になるまでそれほど感謝もしていなかったが、妻のおかげで自分はかなり楽ができていたんだなと痛感した。

それと同時に小さい頃に母の手伝いをしておけばよかったと後悔もした。



優太は名前の通りとても優しい子に育っていた。

私が仕事と家事に追われ優太と遊ぶことが困難であっても、優太は一言も文句を言わなかった。

それどころか「お仕事頑張ってね!」なんて励ましてくれたりもする。

我慢させていることもたくさんあるだろうが、正直なところとても助かっている。



助かることは他にもあった。

それは運よく近所の幼稚園に入園することができたことである。

幼稚園の先生に話を聞くと、優太はとても周りの子に優しく接しているようで人気者だそうだ。

そのことに単純に嬉しかった。そして、父としてとても鼻が高かった。

といっても育児は妻に任せていたのだが…。



そしてなによりも一番助かったこと。

それは会社が私の状況を理解してくれて、優太を迎えに行く時間には退社させてくれるということ。

特例中の特例だが、今年度だけという期限付きでそれを許してくれた。

この話をされたときは本当に涙がこぼれ落ちそうだったことを今でも鮮明に覚えている。

この特例のおかげで優太の誕生日に一緒に祝ってあげることができた。


今年のイベントは残すところクリスマスだけだった。

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