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seeker  作者: lamerise
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泣くほどに

小説を書くのは初めてです。

ありきたりな内容ではありますが私なりに考えたことを形にしていければなと思います。

最後まで見守っていただければ幸いです。

久しぶりに夢を見た。ぼんやりとした輪郭しか残っていないが確かに見ていた。

目をこすろうと手を伸ばすとひんやりとした感覚がする。


液体、いや涙か。夢を見て泣くなんて情けない気もするがもうそろそろ学校へ行く時間だ。

行ってきますと声をかけ学校へ向かえば夢のことなんて忘れていた。


国語で夏目漱石の夢十夜を読んだ。その影響だろう、ぼんやりと朝のことを思い出す。

場所は神社で自分を除いて三人いたと思う。

朝は輪郭しかなかったのに不思議と思い出し始めている。ふと頭の中に声が響いた。


「今日の5時、またここで。」


慌てて周囲をうかがうけれど誰も喋ってなどいない。おかしい、確かに聞こえた。

それに被せるかのように先生が話し出す。


「夢ってその人の願望、希望を強く映し出すって言われるよね。夢占いとかもそうね。でも時々不思議なことがおきて同じ夢を複数人で見たり、メッセージを伝えられたりする事がある。そんな神秘的なものだからこそ夏目漱石も題材にもしたのかもね。」


そう言って微笑んだ。先生の笑顔はとても魅力的だ。ということはさっきの言葉は夢の中での事なのだろうか。


すべての授業が終わって四時ごろ、図書室で夢占いの本を見ていた。どうもすっきりしない。

時間がたてばたつほどその空間や空気が鮮明になっていくようだった。

それなのに出てきた三人の顔はぼんやりとしている。


ドアが開いたので目線を向けると例の国語の先生だった。この時間に人が来るのは珍しい。

先生は僕の持っている本を見ると、


「今日の授業、そんな印象に残った?」と聞いてきた。


「どうも不思議な夢を見たので。」先生の言っていたことを思い出す。


「先生も、不思議な夢、みたことありますか?」


「そうね・・・・秘密、かな。」そう言ってまたあの笑顔だ。この先生には敵わないな。


「でもね、不思議な夢がメッセージ付きなら行動に移した方が面白いかもよ?」

そう言ってお目当ての資料を借りると出て行ってしまった。


後に残るのはなんだか間抜け面の自分と本だけだ。先生はなんでメッセージ付きだとわかったのだろう。なんだか夢より先生の方が不思議だ。時計を確認すると四時半。慌てて学校をでた。

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