⑮
リュウ君」
「起きたのかユイ」
「うん、さっき。あのね今日……何だろう沢山話したい事があるのに、何て言えば良いのか分からない……迷惑かけてゴメンねりゅう君」
「良いよ。いつもの事だ」
「ゴメンね……ゴメンね」
「ああ。だから良いんだ……これからどうする」
「そうね……もうこの街には居たくないな。嫌な事が多すぎるわ」
「だな。俺もここには居たくないわ。どうだ外国に高飛びしないか?」
「高飛び?」
「日本にいても警察との追いかけっこはなくならないからな。一緒警察の手も届かない海外に逃げようぜ」
「でもどうやって逃げるの?」
「いつも仕送りくれる人いるだろ? あいつら世間体気にするからきっと協力するぜ」
「そんな事考えもしなかった。リュウは本当に頭が良いわね……うたこも一緒に良い?」「良いに決まってんだろ。お前の『妹』だろ? なら俺の『妹』でもある」
「ありがとう。いつもリュウに迷惑かけるね」
「当たり前だろ。なんせ俺らは二人で一人、片方が欠けちゃいけないんだ」
「そう……だってね。本当に『猫子さん』には感謝しなきゃ。私達みたいな極悪人に救いの手を差し伸べてくれてまるで神様みたい」
『そうだね! 神様みたいだね!』
「ほら、うたこもそう言ってる」
「あいつが神様か……ならあいつは『猫神様』だな」
「まあ、それが一番合ってるわね」
『合ってる! 琉人のが合ってる!』
「猫神様に感謝しないとな。さ、早くこんな街から出ようぜ」
「ミーコは良いの?」
「お別れがすんだから良い」
「そう。なら良いわ」
『幸せになろうね! 結子ちゃん!』
「ええ。皆で幸せになりましょう」




