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そうだ。
殺す事が楽しくなったのだ。
ついにはどの場所でどんな人間がどの位の人数でどんな武器なら殺せるのか考える様になってしまった。
例えば集会で体育館で集められた三百人位の生徒を毒ガスで殺せるかそれとも爆弾で殺せるだろうかそ
れともマシンガンで、いやマシンガンは銃弾限りがあるから無理があるか……これ以上考えるのは止そう。
私が恐れているのはその中に、無意識で琉人がいるのだ。
いつか本当に大切な人にまで殺してしまいしょうで私はそれが怖かった。絶対にそれだけは阻止したかった。
「だから……! 私が死ななきゃ……! 琉人を……! 殺しちゃう! 私…………それだけは嫌!!」
最後は殆ど叫びに近かった。叫びで血反吐が吐きそうな位だ。そのまま私は座り込んで大声で泣いた。
猫子さんは黙って私の話を聞いてくれた。
全部聞いた後、深い深い、そして重い溜息を出した。
手に持ってたナイフをポケットにしまいこんで私に近づいた。
「……確かに今の状態だと間違いなく妄想が現実になる」
猫子さんが私の顎を掴んで顔を上げさせた。
「だからあたしが『お呪い』をしてあげる」
いつの間にか猫子さんの夕焼け色の瞳が金色の瞳になってた。
まるで先程いた猫達の眼と同じだ。
「あたしの『お呪い』はなかなか好評でね……『お呪い』を掛けられた相手は悩みを皆無くしていったんだ」
猫子さんの眼を見ていると段々頭がボッーとなってきた。
「良いかい良く聞いてね」
猫子さんの言葉に私は無意識に頷いた。
――――そこから私の記憶はなくなった。




