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1−5:大喧嘩

暴力的シーンが多々あります。

そして授業が始まった。


一時間目は国語だった。

トシは寝ていたが、俺は勉強が嫌いではないので授業を受けていた。

ちなみに席は隣だ。



「んごー………んごー………」


地響きのようないびきが聞こえた。

先生や生徒も怪訝そうな顔でトシをみていた。



「おい、トシ。

うるせえよ」



小声でトシの脇をつつく。



「ん……??」



トシは眠そうに目をこする。



「いびきがうるせえ」



「わりいわりい」



トシはあくびしながら伸びをした。











そんなとき、俺は目の端で、窓の外からなにか飛んで来るのを捉えた。


だが遅かった。



なにか、とは鉄パイプで、窓ガラスを割り ガラスの破片とともに入ってきた。

鋭利な割音と、悲鳴が教室に響く。


国語教師は慌てふためき机の下に隠れろとか言っていた。

窓際の席の生徒は何人も切り傷を負っていた。



「なんだ!?」



俺とトシは窓際に行って外を覗いた。


およそ二十から三十の他中の不良が校門で陣取っていた。



トシはなにか呟くと、教室からすごい勢いで出て行った。


「先生、怪我人保健室に連れてっといてください」


俺は急いでトシを追う。


トシの野郎……脚速えな…。

トシは既に玄関に差し掛かっていた。



「待てや!!」



「あんだよ!?

早くアイツ等ぶっ飛ばすぞ!!」



「落ち着けや!!

向こうは三十はいる。」


「だから??」



トシは玄関のドアを開けて校庭に臨んだ。



「勝てねえ喧嘩はすんなって言ってんだよ!!」


トシの背中に向けてどなった。

トシの肩を掴む。



「オレはテメェみてえに簡単に割り切れねえんだよ!!」



トシはそう言って、手を払って校庭に飛び出した。




「あんのクソ馬鹿がぁ……!!」



俺もトシの後を追って校庭に飛び出した。


トシは既に、拳を振り上げていた。

止めるのは不可能だろう。



「オラァ!!!!!」


トシは走りながら目の前にいた奴をぶん殴った。






「来たぞ!!やっちまえ!!」

全く違う方向から声が響いた。


俺は声のした方向を見た。

昨日俺と喧嘩した奴が、なん人かに指示を出していた。


その隣には一人だけ特攻服をきた男がいた。



察するにあの二人がリーダー格だろう。








「死ねコラァ!!!!」



トシは殴られながらも怯まずに殴り返す。四人に相手に物怖じしていない。

馬鹿なのか肝が据わっているのかわからない。





「ッジャアラァ!!!!!」



俺はまず、トシを囲んでいた奴等の一人に蹴りをかました。


トシは一人にヘッドバットをしていた。



だが数には勝てず、すぐにまた囲まれた。



「ウオォォ!!!!」



俺はその中から突進して囲みから抜け出した。



「てっぺん取ったら終わりじゃ、タコがぁ!!!!!」



そして昨日の喧嘩相手に跳び蹴りをした。


相手はダウンし俺は馬乗りになる。



「死ねオラァ!!!!」



そして何度も殴った。

殴った。


とにかく何度も。

何回殴ったか自分でもわからない。




拳の皮が剥け、痛みに気付いて、殴るのを止めた。


馬乗りから立ち上がり、周りを見ると、何人かの奴等がビビってこちらを見ていた。

俺はそんなに鬼気迫る顔をしていたのだろうか。



トシの方を見ると、トシがまだ闘っていた。


トシの顔は既にボコボコで、トシと気づくまで数秒時間がかかった。




特攻服を着た男はタバコを吹かしながら一段高いところで喧嘩を見学していた。




どうしようか迷ったがトシのところに走る。




「はぁー………はぁー…………

ウォラァ!!」



トシは既に風前の灯火で、今にも倒れそうだった。



相手はまだ二十はいる。


こりゃヤバいな。


やられるのを覚悟した。










「ジョニーさーん、トシさーん!!!!!」



そんなとき、俺とトシを呼ぶ声がした。

声のする方を見ると、校舎から何人かの生徒が出てきていた。


目を凝らすと、後輩のボノと呼ばれる、相撲部が先頭にいた。

肉が揺れてる。


その後ろにはこの学校の数少ない不良が四人いた。



「ジョニーさん、大丈夫っすかぁ??」



ボノはまだなにもしていないのにぜぇぜぇ言っていた。



「俺は平気だからトシ頼んだ!!!」



「わかりましたぁ!!

オメェ等!!トシさんとこ行くぞ!!」


「おぅ!!!」




トシはボノ達に任せ、俺は特攻服のもとに走った。



「これで仕舞じゃボケー!!!!」



特攻服に殴りかかる。



「うぉ!!」



特攻服はかわす。

というより、びっくりしてこけた、という方が適格だ。



「テ、テメェ、オレはなぁ『クレイジー・ロード・オブ・デビルス』の一員なんだ!!」



「だからどうしたオラァ!!」



俺は特攻服の胸元を掴みぶん殴った。



「ぐぉ!!

だだ、だからだなぁ!!

オレを敵に回すってことはデビルスを敵に…」



「ナメたこと言ってんじゃねーぞコラァ!!」



鼻先に一発やった。

ドクドクと鼻血が出て来た。



「死ねオラァ!!!」


これ以上話しても無駄だとわかった。

こいつは看板で喧嘩してやがるんだ。


こんな奴に特攻をかけられたと思うと腹が立った。



「ひっ……」



頭を掴みヘッドバットをした。

その後もう一回殴った。

特攻服は膝をついた。



ちょうど特攻服の顔が膝の位置にあったので、膝を顔面に入れた。



特攻服は倒れ込み動かなくなった。


俺は再びトシ達のもとに走った。



「ダラッシャア!!!!」



俺は近くにいた奴に跳び蹴りをした。




















結局数には勝てなかった。


俺等はボロ雑巾のようになった。


特攻服を倒した後の十分くらいの間に俺等は囲まれてボコボコにされた。

喧嘩が一通り終わった後に教師数人がやってきて、事態は一応の終幕を見た。




保健室に行って多少の治療を受けた後に、生活指導室に行かされ説教された。










胸糞悪い。



オメェ等のかわりに俺等が行ったんだよ。

つーか、なんで喧嘩終わってから来てんだよ?

自分の中学に鉄パイプ投げられて、オメェ等は傍観者気分かよ??


生徒が何人も怪我してんだよ。


教師なのに傍観かよ??





言いたいことは山程あった。

だけど口の中が裂けて、痛くて、何も言えなかった。

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