5 アップルのターン
「うおぉーー!まさに、まさに、ザ異世界定番って感
じのする見た目だ!」
とにかく冒険者組合の見た目は、俺の想像している通
りだった。その入り口からは、いかにも今から冒険に
行くぜ!と言わんばかりの見た目をした人達が出入り
していた。
「おい、アップル行くぞ!俺たちの冒険の始まりだ!」
「すごくテンション高いわね?まぁ、あんたの言う通り早く入ってちゃっちゃっと済ませるわよ」
「おう!ていうかお前どんどん喋り方とかも女子みたいになってないか?お前筋肉ムッキムッキのおっさんだったのに」
「だから、わたしもともと女の子ですぅーー。ちょっと筋トレが好きだった女の子だけですぅーーー。こっちのほうが素なんですぅーーー。」
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ガラッ
組合に入ると中は、自分の想像した通りの内装だった。中には酒場があり、クエストの紙的なものが大量に貼られたボードがあったり、魔法の杖のような物を手に持った人達がいたりすごくファンタジーのような場所だった。
「よし、アップルどこが受付なんだ。」
「あそこなんじゃないかしら」
アップルの指差す先には受付カウンターが7つほどあり、受付の人たちが冒険者の対応なとしていた。受付の人の比率を見てみると
男3女4という比率だった。やっぱりこう言う受付の人達全員は美男美女だった。
列を見てみると明らかに女子の方が人が多かった。
「よし、並ぶか」
サッ
「え、待ってあんたまさかそっちの列に並ぶの?こっちの列の方が明らかに人が少ないのに?え?キモっやっぱり単純な頭してるわね!」
「ち、ち、ちげぇし。こ、こっちの方がなんかいいっていうか何というか。とりあえずこっちの方が良いんだよっ。」
「だから、あんたは童貞で会社にこき使われるような性格してんのよ!この社畜がっ!」
「あぁん!?今この話に童貞は関係ねぇだろーーーーーーー」
そうこうしている間に俺たちの番が回ってきた。
「次の方どのような件でしょうか?」
「え、えっと冒険者組合に加入したいんですけど」
「あっ、新人さんですか!それでしたらこちらにどうぞ!」
そうして、俺とアップルは隣にある小部屋に連れていかれた。
「俺は、タカハシでこっちがアップルです。よろしくお願いします。」
「私は、冒険者組合の職員のサラといいます。これから加入の仕方を説明しますね。」
「えっと、加入方法は簡単です。この契約書にサインしてもらい、こちらの冒険者カードにナイフなどで血を流してもらい終了です」
俺たちは、契約書にサインをして、次は冒険者カードに血を流す作業に入った。
「え、血を流すってどれくらい…」
ブスッ
ブシューーーーー
「はい、血を出したわよ。」
ボタッ ボタッ
「え、えっとここまで出してもらう必要はないんですので一滴で十分ですからね…」
ヒェッ
こ、こいつこわすぎるだろ。
やっぱりこいつやばい!
「は、はい。わかりました。」
そして、俺とアップルはカードに血を流した。
「冒険者カードの説明をしますね。後30秒後ぐらいにあなた達のステータスがカードに出てきます。普通の人は、体力20 力20 防御力20 魔法防御力 20 マジックポイント20 知能 20 が目安ですね。」
おおっ、すごいゲームっぽい!俺は一応異世界人だからステータス高いんじゃないか?
そうこう考えていると、
「おおっ、出たぞ!」
アップルの方が先に出たどれどれどんな感じだ?こいつ上司の神に力奪われたって言ってたからな。すごい低いんじゃないか?
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名 アップル 姓
無職
体力 35
力 150
防御力 20
魔法防御力 22
マジックポイント 30
知能 18
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適正職 ヴァルキリー・ウォーリアー
・ナイト・ガーディアン・ジェネラル
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「えっ!?」
「!?すっ、すごいですよ!アップルさん!駆け出しで全体的に20を超えていてしかも力なんて冒険者組合のなかでもなかなかのステータスですよ!しかも、なんといっても適正職が最上位職のヴァルキュリーとジェネラルがありますよ!!この職業を持っている人はこの街を探しても見つかりませんよ!!」
「えっと、その職につくとどうなるんですか?」
「あっ、そうですね。説明するのをわすれていました。この鑑定の結果で出た中で、適正職と言われる
中でしかその戦闘タイプにしかなれません。職業には、それぞれのスキルとステータス補正がありましてそれで職業の強さがわかるんです。絶対なれないという訳ではないですけど無理にその戦闘タイプにするとバッドステータスが付いて普通の職業よりとても弱くなってしまいますから、あまりオススメはしません。」
「えっと、じゃあ冒険者にならない人とかはどうしているんですか?」
「一般的には、神殿に行って鑑定をしてもらいます。
ここは、戦闘の為の職業しかでませんから。そして、アップルさんに出た職業はその中でもとてもスキルとステータス補正が強力なのでとても凄いことなんですよ!」
「まぁ、当然ね」
………
お前、力を神に奪われたんじゃねぇのかよーーーーーーーーーーーーー!