10野盗
それから、俺達は色々あって目標の討伐数まで達成できた。
「ふぅ、これでクエストも終わりだ。結構冒険者稼業も疲れるんだな。」
「えぇ、そうねあなたが考える程この世界を生きてくのは簡単じゃないの」
「はぁ、やっぱり前の時と今でも1日の仕事は疲れるのには変わりはないのか…」
そんな事を話しつつ森から出るための道に向かっていると、突然「タカハシ!」アップルが真剣な表情をしてこちらを向き
「近くで、誰かが助けを求めてるわ。行くわよ!」
「なんでそんな事わかるんだ?何も聞こえないぞ?」
「私には、女神センサーがあるの!さ、行くわよ!」
頭の赤い色のあほ毛がピクピクと動いていた。まさか、あれじゃないだろうな?…そんな事を思いつつアップルを追いかけていった。
「タカハシ、あそこよ!」
そう言われたところに近づいていくにつれ人の悲鳴や鉄が弾かれる音、明らかに普通ではない非日常が音ともに徐々に聞こえてくる。
「何が起こってるんだ?」
「見ればわかるでしょ。野盗に襲われてるの。」
そう言われて、見てみると背が175はありそうで無精髭を生やしたいかにも親分のようなやつの周りにチンピラみたいなのが7人程囲んで1人が女の子に剣を突きつけているような状況だ。しかも、いかにも気品がある御老人を一人の男の騎士のような人が守るようにして野盗達と対峙していた。
「おい、騎士さんよぉ〜。良いもん持ってんじゃねぇか?早く渡して降参しろよ。もう疲れきってんじゃねぇか。お前まだやるってんのかぁ?」
野盗の親分が挑発的な発言をすると、
「わたしは、自分の命が尽きるまで戦う!この卑怯ものどもめ。」
と彼は言い野盗達全員を相手にしていた。
「まずい状況ね…」
アップルがそう言うと、野盗達に向かって行こうとした。
「おい、おい、待て。ちょっと待て。アップルもうちょっと俺らで話して作戦を決めるとかして向かうとかだな…」
「この下衆達め、わたしが相手してやるわ。」「なんだお前は?」
野盗の1人がアップルにそう言うとアップルは自慢気に
「わたしは、アップルここの…ヘブッ」
アップルは木の根元に引っかかり壮大にずっこけた。うわー恥ずかしい、あれ、俺だったら耐えられないよ。だから、あいつ今涙目だよ。そんなことをしているうちにアップルは野盗にあっさり捕まってしまった。
「くそ、またもや人質を!」
そして、人質2人に危害が及ばないようにと御老人を守りながら戦っていた騎士もとうとう膝をついてしまった。すいません、うちのバカが…。
だが、どうする?このまま放っておいたら彼らは…
「うぇぇぇぇん、タカハシしゃんたしゅけてーーーー」
そして、あのバカは捕まって時間も経たないうちにこ俺のいる方向に叫び始めた。
「なんだっ?まだいるのか?」
くそっ!作戦考える時間も無くすぐバレたよこの野郎!俺は決心して野盗に立ち向かうことに決めた。
「俺は今からお前たちを倒すものだ…ッッうわっ」
ズルっ
そして、俺も同様にアップルと同じところで足を引っ掛け転んだ。恥ずかしい、死にたい…。その拍子に俺の掴んでいた、特典の剣もとい不良品が何故か落としたはずなのに目の前の野盗1人を何故か貫きその後ろにいた、野盗の親分までもを貫いた。
「くそがっ、な、何故だ!?貴様まさか、これを狙って…」
そう言って親分は胸を貫かれ倒れ、野盗の1人は即死した。
「おやびーーーん!」
「く、くそっ!親分がやられた!」
「も、もう、駄目だぁぁあ」
「逃げるぞぉぉぉおー!」
そう言って野盗の死体2人を放置し、女の子とアップルを離し野盗達は無様に逃げていった。アップルはというと俺の方を冷ややかな目で見ていた。いや、しょうがないじゃん。木の根に引っかかるとは思わないじゃん…というかなんといっても俺の特典剣さん殺意ありすぎてなんか怖い。
「あ、あの!」
「ん?」
「助けていただきありがとうございます。よろしければお礼をしたいのですが…」
先ほどの騎士が俺に尋ねてきた。
「いや、いや、そんなお礼なんて…」
俺、転んだだけだしな…今頃になって、また恥ずかしくなってきた。どんどん俺の頬は赤みを増していった。
「ちょっと、お礼は貰っときましょうよ」
さっきまで人質として人の邪魔をしていた奴が何言ってんだよ。この馬鹿
「よし、俺たちはこれで!またの機会に、行くぞ。アップル。」
「えぇ!?お礼はぁ!?」
「うっさい黙ってろ。行くぞ。」
「あ、ちょ、ちょっと名前とこの野盗はどうするんですか?」
「俺たちただの通りすがりなんで、それじゃ」
俺たちはそのままその場を走り去った。後ろから聞こえてくる彼の声はどんどんと小さくなり俺たちは無事に森から出ることできた。
少しは俺も格好がついたのだろうか?
なんか、矛盾がここら辺から出てきそうで怖いな(小並感




