第一印象最悪
目が覚めたら白い空間にいた。
さっきまで一緒にいた妹と幼馴染の姿は見えず、目の前には腹が立つほど整った顔の男が一人
「...誰だテメェ、一発殴らせろ」
「初対面の人にそれはないよ」
わざとらしく泣き始めた男はこんな子に育てた覚えは無いわと喚いている。
俺もこいつに育てられた覚えはねえ。
冷めた目で見ているとようやく自分の世界から帰ってきたようで
「今から君には僕の創った世界で生きてもらうよ」
と、ふざけた事をぬかしやがった。キレて良いか?いや未成年である俺を訳の分からない場所に拉致している時点で危ないやつだと決まっている。相手を挑発するのはよくない。だが、それでは腹の虫がおさまらない。自問自答しながら口から出た言葉は
「はぁ?断るに決まってるだろ。脳みそ腐ってんのか、脳内お花畑」
いつも通りの罵倒。なのに相手はニコニコしてる
「(マゾかよ・・・腹立つな)」
何を言っても無駄だと思った俺はどうするべきかとパーカーのポッケットに入ってあるスマホに手を伸ばすが・・・ない・・・えっあれマジかよ
「あっようやく落ち着いたかな?」
「落ち着ける訳ないだろ。俺の神経を逆撫ですることを言って楽しいのか脳内お花畑」
「僕の名前かな?それ」
「テメェ以外に誰がいる」
「そういえば二人は先に行ったから僕と君しかいないね」
・・・ん?二人は先に行った・・・?それはどういうことだ。思いつくのは俺の妹と幼馴染の二人だけ。その二人が先に行った・・・どこに?そもそもいったという漢字はそれであってんのか?もしも違っていたら・・・
「おい、二人をどこにやった」
自分が思っていたよりも低い声で相手に質問すると
「僕の創った世界」
と、そいつは心底楽しそうな声で笑った
初投稿
更新のペースは亀並みです。ちなみに、幼馴染は男ね