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初心者魔法使いの爺さんがショタな魔王候補になっちゃった件について  作者: こるり
3.NPC魔族になって、とりあえず人助け(人材発掘編)
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戻ったあとの鍛冶師の様子

 カーン・・・・カーン・・・・


 ふぃぃ、やはり鉄の音はいいな。

 こうして叩いている時の無心になれる感覚は良い。


 あれから、まぁ、さっさと戦も終わったし、とっとと帰って、軽く仮眠をとってから飯もそこそこに試具で作った武器の再調整を行っておった。


 このあたりの武器はほぼ趣味である。

 

 強さというよりも実験的なものの要素が強い。


 鉱石の比率、太さの強度、付与による定着、寒熱状態の具合、様々な角度からどういう武器ならどういう形になれるかとかそういうふうにして突き詰めて言っている。


 めざすは不壊である。


 この世界において最も硬い鉱石とも言われる、オリハルコン、その純度を高めたものでもやはり壊れるものは壊れるのである。

 故に、付与なども含めてどうにかしようとしようとしているが、親和性もあることで、なかなか難しい。

 

 あっちをたてればこっちがたたず。

 こっちを立てればあっちが立たず


 いや、オリハルコンはいいんさ。

 魔鉱石の親和性も高く、どんな付与も耐えられてその上、ミスリルよりも硬い。


 伝説の武器に使われているものの大半はこれを素材にしている。

 だが、それでも永遠ではない。

 

 俺はそれを目指したい。


 にしてもいかに固くしようかなぁ・・・・


 うーむ・・・・



 ふとそんなことをまたとりとめもなく考えていると、下で何か騒がしい。

 また客か?

 俺はもう今年分のノルマは達したからあとは趣味に没頭したいのに。

 

 いやまぁ、珍しい鉱石がもらえる依頼願いならよいがな。

 それをまた実験に使えばいいことだし。


 「ガラン様、すみません、お忙しいところ」


 使用人のレジがノックしたあと部屋に入ってきた。といっても入口までだ。

 熱気もすごいこともあるがあまり人を立ち入らせたくはない。

 入口からの距離があれば充分だ。

 この家には二人使用人を雇っている。

 今でも何か話が微妙に聞こえるがもうひとり、コードが相手しているのだろう。

 ちなみに魔族の兄弟である。

 雑用をさせるのにちょうどいいし、何やら弟子になりたいとか言ってきたが、断るも、なぜかそのまま居座って使用人になっていた。


 まぁ、技術は目で盗みたいというのもあるだろう。

 今も、俺をみたあと、鍛冶場の様子を伺っている。

 まぁ、好きにするといいさ。


 俺のはスキルも関係しているからそれを会得してからだな。


 にしてもわざわざしかめっつらしているであろう時間帯である今、わざわざきたというのはどういうことだろうか?



 「どうした?なにかあったか?」


 「その、よくわからない三人組がきまして『かたな(?)』とかを作って欲しいとかいっておりまして」


 「ほぅ」


 『かたな』、ねぇ。そういえば魔族なり人族なり無論妖精族もその単語は聞き覚えがないものらしい。


 だが、俺にはわかる。

 なにせ、鉱物の声も聞こえれば鍛冶神の加護もある。

 故に鉱物から微量ならが、「こんな武器がいいよ」とか「こんな防具がいいよ」とかいうのが聞こえたりする。

 加護からそのあたりのものを予測し、それっぽい試作品を新たな武器を作り出していく。


 紅炎というのには純度の高い炎という意味があるが、それとともに創生の鳥の意味合いもある。

 

 故に、『かたな』というのもおそらくはその新種のものにつながるものであるのかもしれない。


 そういえば、ここは西方世界であるわけだから、もしやしたらほかの世界からの稀に訪れる異邦人ではないだろうか。


 だとしたら、その新種の武器か防具か知らないが是が非でも聞き出したい。


 「よし、俺が応対する。会うから一緒に来い」


 「は、はい!」


 趣味の一環のものも一段落しているのもあるが、再調整しようにも武器の練度にも限界がある。

 新たな武器のことを聞けるならそれを高めるヒントくらいあるかもしれない。


 俺は嬉々としているだろうな、浮き立つ心とともに、下へと向かった。


 そして、下へと降りて、何やら断ろうとしていたコードと三人組の男たちに目がいった。

 ひとりはよく知っている団長である。

 この都市にいる間一、二度剣の手入れの依頼があったくらいだが、自警団団長というのもあるのでよく知っている。


 ほかのふたりは知らんが、団長に匹敵する大男とその半分ちょっとくらいのまだあどけない少年。

 妙な組み合わせだが、何やら『かたな』という単語を使っているのは身を乗り出している少年の方である。


 ふむ、どこぞの貴族か?雰囲気には気品はあるように見えるが、どこぞのボンボンだろうか?

 いや、なんとはなしに見覚えがあるような・・・・・



 まぁ、生半可な依頼であれば、有無を言わさず護衛もろとも叩き出すが、団長もいる上に、未知の武器の話をしているのだから・・・・・


 まぁ、いい。


 「おい、『かたな』とかを作りたいというのはお前らか?」


 そう声をかけると、少年がこちらを見た。

 そして、まるで既知でもあるかのようなにやっとした顔で俺をみたあと、なんか圧倒的な何かを撒き散らした。


 それを感じてはっきりと思いした。



 あのときのむちゃくちゃな坊主か!!


 俺は思わず破顔した。

 

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