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初心者魔法使いの爺さんがショタな魔王候補になっちゃった件について  作者: こるり
3.NPC魔族になって、とりあえず人助け(人材発掘編)
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街並み道中

 

 さて、そのまま徒歩で商会へと向かっているわけじゃが、なかなか賑やかな都市じゃな。

 所々に出店が出ておるし、種々様々な雑貨が売られていたり生活用品が売られていたりするが何よりも目を引く、というか鼻を引くとでも言うのか、香ばしい匂いがあちこちから立ち上っていく。


 うまそうだなぁ。


 いやはや、しかし、この五感にダイレクトにくる感覚はほんとうにこの世界がゲームの世界なのか疑いたくなるほどである。

 あの牢獄の中では生者はいなかっただけに現実感が乏しかったのじゃがこうして実際に街へくるとその感覚が如実に現れる。

 そういえば、以前のアバターで、このゲームをやっていたときよりも感覚が鋭くなっているんだが、これって、やはり同調しているからなのか?


 現実の向こうでは死んでいるだけにこっちが儂の現実になっているということに・・・・


 まぁ、何にせよ、こうして物を見て感動し、匂いに釣られてヨダレが出そうになる感覚まで嘘にはしたくはない。


 とりあえず、買い食いしたいが・・・・・

 金はいるじゃろうなぁ



 「どうしたの?何か食べたいの」


 物欲しそうな目でもしておったのかのぉ、歩きながらも傍にいるマリアがそういうふうにいってきた。

 何やら、弟がさらに目を向いており、抗議している目であるが気にしなくても良いのか?

 まぁ、気がついていない風を装おう

 「うむ、ちょっと腹が減ってのぉ。じゃが、金の持ち合わせがなくて・・・・・何か素材を売ったりできるところがあればよいのじゃが」


 一応、鑑識という鑑定と識別を兼ね備えたものがあるだけにこの世界での物の価値というかレア度はわかるが都市によっては値段の価値の上下がある。

 また売るにしても、売り専用のところでないと売れないものなので

今は金なし状態である。

 これも面倒ではあるが、紹介してもらわんとな。

 信用のおけるところであればなおよいからの。

 変にふっかけられたり、買い叩かれても嫌な思いをするだけじゃしな。


 「じゃぁ、家に行けばたぶんご馳走が待ってるけど・・・・・ちょっとくらいはいいかしらね。こういうところのものもとってもおいしいんだから。じゃぁ、ちょっと待ってて」


 るんるんとスキップしてすぐそばの屋台に向かっていった。

 

 「ねえちゃんのあんな様子、初めて見たよ」


 儂の脇でヘンリーがそんなことをいってきた。

 「ほぅ、そうなのか?」


 「そうだよ。だって、ねぇちゃん、家業を継ぐのはつまんないっていって冒険者やりはじめて、それからすっごくそれを楽しそうにやってたけど、浮いた話なんかひとつもないんだよ。なんかちやほやされるのがすっごく好きだけど、ちやほやするのはあまり好きでないみたいな」


 「ふむ、そうなのか」


 はじめてあった人の過去がどうだったのかはわからんし、わかるはずもない。

 でもヘンリー君自身、何やらいつもと様子が違って戸惑っているのかもしれんな。

 まぁ、この世界は限りなくリアルなんじゃし、心根のほうもそれに付随するなら・・・・


 「女心というものはころころかわるものなんじゃよ」


 つい、ひ孫にしてやるような感覚でヘンリーの頭をなでてやった。

 なんかびくっとなったものの、すぐになでられるに任せるようになった。

 この辺は儂にとってなれたものじゃからどのポイントでどのくらいのちから加減をすればよいかわかっている。

 よく孫に、そしてひ孫にしてやったものじゃからな。

 

 

 やがて、すぐにマリアが戻ってきてその手には・・・・おお!あれは!

 この香ばしい、それに少し酸味のきいた匂い。

 あれは、マヨネーズ?!

 

 こちらサイドにもあるか。

 なら、けっこう調味料系もよいものが多いということか。


 料理系に関してはやや不安はあったがこれなら満足いくものが食べれそうじゃ。


 そうそう、儂、痛覚を100%設定しておったが、味覚に関してもそれに付随するおまけがある。


 つまり、辛味もしっかりと味わえるということじゃ。


 辛いという感覚はようは痛覚からきているものじゃからな。

 まぁ、それ故にお酒も飲みたい感覚からやっていたというのも100%にしていた理由の一つでもあったりするんじゃがな。


 さて、ものはなんじゃろうなぁ・・・・



 おっと、お好み焼きじゃ!

 あの丸くひらべったいものを二つ折した形はまさにそれ。

 個人的にお好みソースがかかっておらず、からしもなく、どうもマヨネーズだけのようじゃが構うものか。

 塩があればなおよしじゃが。


 ん?


 何やらマリアの顔が険しく・・・・



 「ヘンリー!なに、ゲン様に頭なでてもらってるの!」


 がしっとヘンリーの頭をつかみ力の限りぎりぎりとしめつけている。

 「い、いた、いたいよ、ねえちゃん」

 「もう、もう、もう・・・・うらやましい」


 何やら後半の声は聞き取れなかったが・・・・ふむ、


 「済まぬの、マリア。いくらするものなんじゃ?あとで建て替えようて」


 「え、いいんですよ。これはほんのお礼の一つです。ですから気にしないでください」


 「ふむ、なら遠慮なくいただこうかの」


 にこっと笑んでから、マリアの頭にもふわりと手をのせ優しく撫でた。

 少しマリアの背は女性ながらも高めのようじゃが、儂の今の身長より少し高い程度じゃてに、撫でるのも容易じゃ。


 実際に測ったとき160と少しじゃったからそれは確かじゃな。

 まぁ、成長期じゃから、そのうちもっと伸びよう。


 「ふへっ」


 マリアの口元がちょっと緩む。

 まぁ、微笑ましい感じじゃな。


 ん?そういえば、ダグの姿がないがどこへいったんじゃ?


 「主、どうぞ」


 ん?ダグに声をかけられた。

 振り返ってみれば、両腕にたくさんのお好み焼きの包がはちきれんほどにある。

 そして、おそらくは2m近い筋肉質の大男がこちらに頭をさしだしている。



 おい、お前の頭もなでろというのか?


 むぅ、けっこうなおじさんにそれをされるのは「おい!」と思う。

 女子供ならいざ知らず、見てて心地良いものではないわい


 こんなオチはいらんてーの!


 魅了の効果、なんとしてもとかねば・・・・・



 


 さて、どうにか少しだけ不承不承頭をなでて納得してもらい全員で仲良くお好み焼きを食べつつ調味料系の話をマリアから聞いていったが、このマヨネーズはマヨとよばれており、オリーブオイルと卵と塩と酢で作られているとか。

 風の魔法で攪拌してけっこう多量に作れるから安価なこの街での特産品のひとつでもあるとか。

 もともとはマリアのおじいさん、前商会長でもある人が考案したもののようでそれが大ヒットしてこの街の名産品のひとつになったんだとか。

 他国にも輸出されているもののようで、あり、それのおかげで商会長にもなれたというからマヨ富豪といったところなんじゃの。


 それ以外での調味料と言ったらまぁ、先に出た塩や酢、オリーブオイルといったところなんじゃと。砂糖なんかもありはするがそちらは生産量は少なめでやや高級品なんじゃと。

 でも、高すぎるというほどでもないとか。


 んー、食生活レベルで考えると中世といった具合じゃな。

 そうなると、本当に食レベルは期待が持てる。

 なぜかというと、けっこうこの時代に食文化の幅が広がっているといっても過言ではない。

 とくにファンタジーなどでよくある晩餐会などの食事などに関しても太った人を礼讃していた時代であったがゆえにふんだんにおいしい食事やデザートが出回ってきたころである。


 飢饉が関連していたこともあるが、それでもこれはうれしいことじゃ。


 ただ、日本人として味噌や醤油といった大豆製のものがないのがちょっと寂しい限りじゃが、何、豆なども出回っているんじゃろうから自家製味噌を作ってその上澄みから醤油の代替品を作ることもできる。

 魔王になることも大事じゃが、衣食住は大事、とくに食事は基本になるものじゃからな。


 満腹度があることから適当なものでも良いのかもしれないがせっかく、味覚があり、甘味も辛味も酸味もわかるんじゃからおいしいものを食べたいというのも素直な気持ちとしてあるんじゃ。



 うむ、これは出されるであろう晩御飯が楽しみじゃ。



 そんなこんなで、ヘンリーや口数少ないながらもダグも交えて料理談義をしつつ、歩みを進めて・・・・



 「よし、ついたわ」



 そういって、マリアが大きなお屋敷前へと両手を腰に当てていった。。

 ヘンリーも一歩前に出て、姉と同じ仕草をした。


 ふむ、ここがエインワーズ商会か。

 まぁ、その本拠地となるものであるとかで生活の場もこの中にあるとか。

 なかなか立派な館じゃの。


 この街で二番目に立派な建物であるとかヘンリーがいっておった。


 ちなみに一番は街の真ん中にある大きな城で現在は美術館となっておるところなんじゃとか。

 文化振興とかそういうのらしいの。


 なんでも、もとはこの街は元首都であったが50年ほど前に副都となり、それから城は無用とばかりに一般解放されているとかなんとか。

 美術品に関してはなんでも前王、つまり、ゲオルギウスの収集品とからしい。

 これに関して儂としても無関係ではないのでしっかり、しかしそれとなく、きいておったがなんでも国庫を傾けるほどに美術品を収集してそれが革命を招いたということである。



 はて、それほど愚かしいことをするようなやつではなかったように思えるが、其の辺はどうなんじゃろ?


 むぅ、まぁ、そのうちわかることじゃろうて。

 もう今となっては昔の話とばかりに、話は終わっておったな。



 ま、そんなことを考えて、マリアが門衛に話をつけ、しばらくして、門が開き、使用人が一斉に横一列になってまっていた。


 「お待ちしておりました。よくぞご無事で。早馬が自警団よりまいりまして肝を潰しておりましたが、ようございました」


 真ん中にたっていた、厳しい老執事が応えてきた。


 「ゲン様でいらっしゃいますな。何にせよ、晩餐に参加して頂ければ幸いです。どうぞ、お入りください」


 「もう、そんな肩肘張らないで、ロージィ。さ、ゲン様お入りください。父にもしっかり紹介したいし」


 なんか妙な張り切りをしてみせるマリアにやや引きつつ、儂は館の中へ足を踏み入れた。。


 格好とかけっこう継承者のローブは良質のものとは言え黒衣のままなんじゃが、いいのじゃろうか?


 まぁ、周りの様子から容認しているようじゃし、よいかの。



 さて、ご飯はどういうものなんじゃろうなぁ。

 できることなら、あまり食べない、フレンチ系がよいのぉ。


 あ、ワインも出して欲しいところじゃな。

 辛口でたのみたいな。



マヨネーズの起源はいつかははっきりしていないけど、けっこう最近なんだなぁ。ものがものだけにもっと早くにできそうな気がしたけども、けど中性料理の花開く時期にできたっぽいし、ハリポタ世界のおいしい料理類があっただろうことは太っちょさんが礼讃されていたころだけに、おいしそうでもある。もっと調べたくなりますねぇ。

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