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小説と過去と舞台裏。

作者: アキ

 

 これは挫折の話です。

 僕は『小説家になろう』さんのおかげで小説を書く機会に恵まれました。

 現在、去年の11月から毎日なにかしらの投稿をさせていただいているのですが、『小説家になろう』さんとの出会いをさかのぼれば、はじまりは、5、6年前だったでしょうか。そのときは、仕事の転勤や家庭の事情などが絡みまして、すぐに撤退をしました。更新が完全に途絶えた『勇者召喚』がその当時のもので、今は連載中のボクシング小説『かませ犬に花束を』に併合された『アウトオブバウンス』もその一つです。また、古代中国を題材にした『戦国の策』の中にある三つの物語も、そのときのものです。さらにいえば、執筆中の項目欄にも昔のものが一つあります。タイトルは『あぁ、死亡フラグ』です。続きを書くことはないでしょうし、過去の清算のための良い機会なので、まずは晒してみましょう。


 石造りの城に浮かぶのは暗雲。

 この後ろの要塞。いや、なんていうか、こう……、そう! まさにキャッスル。そんな感じ。仰々しいというか、禍々しいというか……。今日、異世界に召喚された場所だから若干思い入れがあったりするのだけど、まぁ、概ねそんな建物。

 で。そこと外の世界をつなぐ馬鹿デカイ木造の扉が、今、俺の背後にある。背中と扉までの距離は2メートルくらいか。ちょっとだけ寂しくなる長さだ。

 正面を眺めると、頑丈そうな丸太の橋に、そこからのびる広大な草原がこちらへおいでといやらしい笑みを浮かべている。歓迎しているように見えるかもしれないけれど、何やらモンスターらしき化け物もでるらしい。正直怖い。

 先程から身体を貫く威圧感が気になって左を見ると、金属で全身を包みこむ甲冑とかフルメイルとかいうやつっぽい鎧を着込んだ大柄な男がこちらに槍を向けている。

 俺が170センチだから、190センチくらいだと思う。いや、腰を落として力を蓄えている格好からする辺り、もっと身長は高いかもしれない。

 俺の格好はというと、部屋着として愛用している、高校生時代に着ていた学校指定のジャージ。プラス、笑いを堪えようと必死な顔をしたこの国のお偉いさんから渡された、ひのきの棒。笑い事じゃない。マジもんのひのきの棒である。


「行け」


 鉄仮面越しに聞こえる曇った声。同時に突き出される槍。なんでこんなことになったのだろう。いや、サルでも理解できるくらいわかりやすい理由は確かにあるんだけど……。

 助けを求めるように右を探索。心強い味方は……、あった! ありました! 唯一の援軍、ひのきの棒、発見しました!

 ……泣いていいですか?


「早く行け」

「はい、わかりました」


 怖いから即答です。ぼく、チキン。よろしくネ☆ ……こんちくしょー!

 とは言ったものの、実際、外に出るのも気が引ける。旅の知識は0、モンスターとの戦闘経験も0。となると、どう考えても生存確率は0%。無い無い尽くしだいやっほーい。


「痛ッ!」


 槍が! 槍がちょこっと刺さりましたヨお兄さん!

 ヤバいってコレ。え、なに? 本気ですか? 本気で処刑なんですか?


「ヒィッ!?」


 う、 』




 以上です。

 これでようやく消すことができます。よかった、よかった。もし続きが気になる、もしくは続きを書いてみたい方がいらっしゃったら、どうぞ、ご自由にお書きになられてください。その場合はここにコメントをよろしくお願いします。その小説をお気に入り登録したいので。まぁ、ずいぶん昔のものですし、トレンドも変わっているでしょうから、そのような方はいらっしゃらないとは思いますが、一応です。

 実のところ、僕はしばらくファンタジーはお腹一杯なのです。そうなのです。連載中のファンタジー『仮面☆戦士 カエンダー!』がありながら、すでに『もういいや』という状態なのです。具体的に言いますと、なんと、2週間もの放置をしているのです。

 これは忌忌しき事態。

 さっさと完結させてしまいたいのですが、不思議なことに、書けないのです。だいたいのスジは決まっています。それから、一話分も書き終えています。しかし、続きに中々入れない。だからこそ、別のものを書き続けるのです。たとえば、『戦国の策』しかり、『かませ犬に花束を』しかり、『天使が才能をくれたヨッ♪』(これは完結済み)しかり。また、最近では『詩』に手を出してみました。今日なんかは、『エッセイ』です。『エッセイ』というよりは『ブログ』ですけどね。『エッセイ』ってのはもっとこう……、いえ。今度書いてみます。

 とにかくですね。

 僕は理由を考えました。

 長いこと、考えました。

 そしてはっきりとわかりました。

 それは、『表現したいことが、今の自分の腕では書けない』ということです。

 端的にあらわすと『実力不足』です。

 これは悔しいです。

 本当、悔しいです。

 はっきりとわかるものなのですね。しばらく修行をしていれば書けるようになるかもしれないが、今は書こうとすると、ただでさえひどいものがさらにひどくなってしまうのだ、と。しかし、それも含めての連載。そして、自分自身。僕は、決断しました。


 このまま実力不足なのを承知で突っ走って完結させてしまおう、と。


 悔しい想いをしています。今現在がそうなのです。『カエンダー』を完結させてしまうと、さらに強く想うことになるでしょう。11月に連載をはじめて、今は1月。振り返って自身で読んでみると、今でさえすごく恥ずかしいのです。これが完結させたとき。想像以上の恥辱に見舞われるかもしれません。声にならない叫びを上げながら、部屋中をバランスボールに乗ってゴロゴロと転びまわるかもしれません。勢いあまって壁に頭から激突するかもしれません。ぐえっ、と車につぶされたカエルのように他人には見せられない姿を晒すハメになるかもしれません。


 しかし、進んでみます。


 気合と根性と、小説に向ける愛で!

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 書きたい小説に対しての自分の力不足、私も感じることがあります。歴史ものなどに手を出すと、それはもう如実に^^; 力不足なりとも、挑戦するのは素晴らしいことだと思います。陰ながら応援しています…
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