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「プロローグ5」

「またか……Viviageヴィヴィアージュの名に恥じぬように行動してくれ、

と言った途端同志である同級生を爆発で攻撃するとは……」


「いいいいや、あの、これは、不可抗力で、決して悪気があった訳では無く、

と、とにかくごめんなさい!」


 とても大きい静かな豪邸に威厳ある渋い声と少女らしき若い声が響き渡る。どうやら、貴族である上級参隊として有名なViviage家で子が親に説教されているらしい。


「致し方ない。お前をあの学院へ入れるか……」


「ッ!? そんな! あの学院は……」


「これは人様を傷つけたお前への罰でもある。そこで召喚魔法の一つや二つ出来るようになりなさい。

そうすればすぐにでも自主退学させてやろう。わかったな? 喜希よ」


 少女はしばらく硬直していたが、やがて大きく頭を下げ部屋を後にする。そして豪華な扉の前で再び硬直すると、突然吹っ切れた様にそれもただ、がむしゃらに走り出す。当然だがその時の少女の顔に笑みは無かった。

 それもそのはず、喜希の父が言う学院とは誰もが行きたくないと考える所。そして何よりも学園と同じような所とは考えてはいけない。

 なぜなら学院とは時間をかけ、体をいじり、無理矢理魔法を扱えるようにする所なのだから。もちろん時間をかければ、かけるほど強力な力が手に入る。しかし誰だって体を改造されるのはあまり良い気分ではないだろう。例えそれにより強大な力を手に入れるとしてもだ。


「お父様……なぜ……」


 そして何よりも学院を信用してはいけない。学院は体の改造の仕組み、原理を一切公開していない。

 もちろんそんな不信な動きをする学院が世間的に許されるはずが無い。もしそんな事を一般の方々にしていたら即廃止になるだろう。

 しかし学院は確かに存在し、今も力無き体を強力な物へと変化させている。

 ではなぜ即廃止されないか、これにもちゃんと理由がある。そしてそれは簡単な話、一般の方々など相手に改造してないからだ。

 上級参隊の一部に限って行われている事でその秘密を守っているのだ。

 何よりも後遺症や傷跡、そんな物は一切残らない為、おおやけになる事もまず無い。

 それにより学院は密かに信頼を集めているのだ。


「お父様……僕は……」


 そしてそんな学院を信頼している上級参隊の一部、Viviage家。

 元々貴族には遺伝魔法と言う強力な力が宿る為、学院などのお世話になる事などほとんど無い。が、喜希のように落ちこぼれの子が生まれて来る事が稀にある。

 学院はそう言う貴族をターゲットにし巨額の金を手に入れているのだ。


「僕はいらない子なのかな……」


 急に立ち止まる喜希。そしてその喜希が実際に立たされている状況。

簡潔に言うと喜希の父は、喜希より世間からの見た目を優先させたと言う事になる。

あの父親からすれば娘より貴族としての誇りの方が大事なのだ。


「召喚魔法か……一か八か僕の全魔力をかけ、全力で唱えて見ようかな」


 少女は拳に力を込めると父親の部屋へダッシュで引き返す。

そして部屋の扉を荒々しく殴り飛ばし開け、

その衝撃で木で出来た扉は外れ、割れ、辺りに散乱する。

この世界では力と魔力が比例している、つまり力が強ければ強いほど魔力が強大と言う事だ。

そして喜希の目に父親が怒りを通り過ごして、驚いているのが見える。


「お父様! 僕の体は僕の物です! お父様の命令でも嫌です!」

説明だー。

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