「昨日の友は今日の敵」
「昨日の友は今日の敵! みんな手加減しないよ!」
喜希は人の少なくなったホールで、アガシオン、稚気、神代、そしてジョーカーと呼ばれた少年に話しかける。
それに対して稚気は、まだ驚いている様子で会話を進めた。
「いやいや待てよ! そんな事より、こいつが『ジョーカー』だったって事は驚かないのかよ?!」
「最初は驚いたけど、納得しちゃった。だってこの人はじめて見た時からかなりの魔力に溢れていたから」
喜希はジョーカーの方を向き稚気の疑問に答える。
「……う~ん。言われてみれば確かにそうだな」
そして稚気もジョーカーを眺めながら同意する。
それに対してジョーカーは、みんなをきょろきょろと見渡しながら発言した。
『やだなぁ。皆さんだって、異常なほどの魔力と風格を備えてるじゃあないですか~。ここに来たのも、裏があるんでしょ?』
その発言に神代は反応を示したのか、興味も無かったジョーカーに鋭い視線を送る。
「稚気。ここに用は無いわ。行きましょ」
「お、おう」
そう言って、急にその場を去る神代の後を付いて行くように、稚気も後を追う。
そして、その瞬間ランキングに変化が現れた。
その場に残っていた少数の生徒が、一斉にそちらへ顔を向ける。
「一位『ハートの12、ユディト』現在……12ピース……」
喜希が思わず呟いてしまう。
『早いねぇ~。彼女は男勝りな性格だからね~』
ジョーカーがそんな事を呟いていると、背後から野太い声が聞こえる。
「すまないな。これも俺の優勝の為だ。悪く思うなよ」
喜希とジョーカーが、その方向を確認すると同時に、飛んできた大きな岩がジョーカーを吹き飛ばした。




