「自己紹介、イベント紹介」
とても教室とは言えない様な豪華で大きな教室で、たくさんの魔法使いたちに見守られる中、喜希や使い魔、炉心溶融や乱数調整が教卓の前で、自己紹介をしていた。
「ぼ、僕の名前は、き、喜希Viviageです。よ、よろしくお願いします! あ!『スペードの12、パラス』です!」
女の子にも関わらず、自分の事を僕と呼ぶ喜希は、他の生徒から大きな注目を集めてしまう。喜希本人はその事に気付けるはずも無く、異様に凝視する生徒たちの視線に、緊張を覚える喜希だった。それに、異様に存在感の大きい、とんがり帽子とパラスと言う異名が、さらに注目を集めてしまっていたりもする。
「おれの名前は稚気だ。よろしくな」
そして喜希と同じく、女の子に関わらず、自分の事をおれと呼ぶ炉心溶融も、同じような目で見られているが、本人は微塵も気にしていないらしく、教卓の前でただ、堂々としているだけだった。しかし喜希と違い、服装はおしゃれな着こなしに見える為、主に男子からの視線を集めていたりする。見た目だけなら人一倍に可愛いのも理由だろう。見た目だけなら。
「私の名前は神代です。よろしく」
それに対して乱数調整は、あまりにも普通に自己紹介をしているのだから、大して視線を集めないのでは、と思うが乱数調整の服装は、あの逆巫女服だ。自己紹介を始めてから、視線を集め始めた喜希や炉心溶融とは違い、自己紹介をする前から視線を集めていた乱数調整。しかし彼女もまた、喜希と同様、なぜ視線を集めたか解っていない。いや、それ以前に、気にもしていないのだろう。
「俺の名は……アガシオン……だそうだ」
使い魔はぶっきらぼうに、自分の名を名乗る。この名は先程、待機させられた時に、喜希から貰った名のだろう。アガシオンの服装は到って普通の為、特に注目を集める事も無かった。
そうして全員、自己紹介が終わった所で、ダビデが割り込むように、イベントについて、説明を始める。
「明日から始まるイベントですが、彼ら4人も交えて開催されます。そして肝心のイベント内容ですが、言ったてシンプルです。一人、一つ配布される、『ピース』と呼ばれるアイテムの奪い合いです。ただ、それだけです。力ずくで奪っても、取引で取得しても構いません。最終的に一番、多くの『ピース』を取得している人の優勝です。そして優勝者には、新たな称号の取得と、持つだけで魔法の腕が上達する魔法のような、科学の本と箒が送られます。それと、『ピース』についてですが、『ピース』は最先端科学で出来ています。その為、持ち主が誰なのかをイベント開催側に送信する機能も備わっています。イベント開催側は、その送信されてきたデーターを元に、ご勝手ながらランキングを作り、公開する予定でございます。それと『ピース』の破壊は禁則です。守れなかったの者は、イベント参加の権利を失います。まぁ、並みの者には破壊する事は愚か、傷つける事も不可能ですが」
ダビデはそう言い終えると、胸元から無数の『ピース』を取り出し、豆をまくように投げ捨てる。
見た所、ジグソーピースのように見える『ピース』と呼ばれたアイテムは宙を舞い、辺りの空中に散乱する。
その空中で散乱している『ピース』を一人の生徒が受け止める。次はその隣の子が、今度は教卓のすぐ前の子と、次々に生徒達が一つずつ、空中に浮かぶ『ピース』受け取っていく。
やがて、喜希や乱数調整、炉心溶融やアガシオンの元へも、飛んで来る。
そうしてほぼ全員に『ピース』が行き渡たり、最後の『ピース』だけが浮いている時、しめるようにダビデが言う。
「イベントの開催は明日からです、それまで大事に持っていてください。明日まで手元に置く事が出来なかった者は即失格です。もちろん、明日を待たずに今日、奪った者も即失格です。それでは健闘を祈ります!」
最後の『ピース』をダビデが、大きく腕を払いながらキャッチする。




