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「私立学園の前で」

「着きましたよ、喜希さん。ここが我が私立学園、『Playing Witchcraft(プレイング・ウォッチクラフト)』です」


 ホストみたいな青年は、ダンスの誘導するように喜希を車から降ろす。

 喜希の手にはメカメカしい機器的な箒が握られていた。 恐らく一度、自宅に戻って用意して来たのだろう。


「我が学園のご感想はありますか?」


「……すごく……大きいです」


 喜希は首を大きく傾けて、その学園を見上げながら答える。

 喜希の前には、魔法を連想させる装飾品がついた豪華な門があり、その奥には想像を絶するほどに大きな建物があった。横よりも縦の大きさに目を惹かれるその建物は、どこか時計台を連想させ、宮殿のようにも教会の様にも見える。やはり建物の容姿が容姿なのか『学園』とは違い、どこか神秘的な雰囲気を放っていた。

 喜希は貴族なので、ただ豪華な建物などは見慣れている。しかし、そんな喜希を驚かすほどに、この建物はとてつもなく巨大だった。


「外見は……普通ですね」


「そうですか。なぜか残念です」


「え!? 何か気に障る事、言いましたか、僕!?」


「あ、いえ。気になさらず」


 喜希は、貴族の中でも特に上位の位なので、同じ貴族でも感じ方が変わってくるのだろう。

 ただの貴族からすれば、豪華で文句のつけようも無いほどの建物でも、喜希からすれば、驚くべき点はただ大きい、それだけに過ぎないのだ。

 しかし、それは喜希が特別なだけで、実際の所、庶民から見れば、入る事すら許されそうに無いほどの建物である。


「では、早速、中に入ってみましょうか。あ、ちなみに、この私立学園はとても大きなバリヤが張られていて、許可を出したものしか入ることができません。ですので、お友達などを来場させたい場合は私にご報告ください」


 そう言って大きな門を開け放つ。そうして門を潜ると、途端に周りが騒がしく聞こえる。

 喜希はびっくりしながらも周りを再確認すると、たくさんの生徒たちが、園庭でにぎわっているではないか。


「え? さっきまで、誰も居なかったのに……」


「大きなバリアには、人を通さない効果と同時に、防音と視覚カモフラージュの効果があるのですよ。すごいですよね」


 さすがに喜希でも、この様な仕掛けは見た事が無く、心から驚いてしまった。この後、建物内に入った喜希が驚きまくった事は言うまでも無い。


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