「一組の主人公」
世界の中心に設立している大きな学園。そこから遠く離れた所に小さな神社がポツンと建っている。
その神社は作られてから随分と月日が経過しているらしく、木造の神社や鳥居はかなり古ぼけている。
しかしだからと言って、汚いと言う訳ではない。ただ、古いだけなのだ。その証拠に誇りやゴミなどは、ほとんど落ちてなく、今もその神社に1人で住む少女が暑い暑いと文句を言いながらも、せっせと庭の掃き掃除をしていた。
「あっついわねー、何で太陽は熱いのかしらー」
そしてその少女は神社に住んでいるからか、自らを巫女と認識しているらしく赤と白だけで彩られた綺麗な巫女服を着ている。
しかし少女は巫女服と言う物を良く知らないのか、少女の着ている巫女服は普通の巫女服とは少し違う。と言うのも、白衣と言う名の上半身を保護する為にある着物が赤く、緋袴と言う名の下半身に着用する緋色の袴が白いのだ。
簡潔に言うと、広く一般的に知られている巫女服の赤白が入れ替わっていると言う事だ。
「掃き掃除終わったし、さて次は身だしなみを整えよっと」
しかし少女はその事に微塵も気付いていないらしく、今も神社の中にある鏡の前でその巫女服を堂々と着ながら、鼻歌混じりで髪を一つに束ねていた。
と、その時、神社の外から少女を呼ぶ声が聞こえる。
「おぉ~い、巫女ぉ~。いるかぁ~?」
少女は素早く髪を整え、神社の外へ向かう。
するとそこには目が赤い金髪の小柄な少女が制服の原形を留めていない
スカートのポケットに手を入れながら、腰を曲げて立っていた。