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ボイスドラマ  作者: 認識
1/1

始まり



主 :「ん、ここは? なんだここ……教室、か? 僕は寝ちゃっていたのかな……周りの人も眠ってるみたいだ。 僕は如何してここに? 記憶が……ない。」

SE:間


1 :「やっと目を覚ましたかい。怖かったぜ〜。起きたらいきなりこんな所で、皆寝てるし。寂しくて寂しくてもう泣きそうだったんだ。」


主 :「って、うわあ!いきなり話しかけないで下さいよ。それに何でそんなテンション高いんですか?」


1 :「悪いな。お前が起きそうだったから。つい安心して……」


主 :「ついじゃないですよ。 ちなみに、如何してここにいるのか覚えてます?」


1 :「それがさっぱりだ。それ以外なら完璧に覚えてるんだが。ちなみに昨日の夕食はおでんだ。」 


主 :「そうですか……。皆さんはまだ眠っているようですけど。教室には、五人ですか。一クラスとしては少ない気もしますが……」


1 :「ああ。だが、ここにいるのは六人。お前は三番目に目を覚ましたぜ?」


主 :「三番目……って事はもう一人、起きてる人がいるって事ですか? 僕らの周りにはいないみたいなんですけど。って言うか教室に起きてる人なんてどこにもいませんけど? どこに?」


1 :「そこ。この教室の一番前に堂々座ってるあいつ。目を瞑ってはいるけど俺より先に目を覚ましていた。だいたいあんな姿勢よく寝るやつがいる?」


SE:足音



主 :「あの〜、起きてるんです…よね? もしよければここが何所か、ここに来るまでの記憶があるか教えてもらいたいんですけど。」


2 :「………」


主 :「起きてるんですよね? もしもーし。聞こえますか?」


2 :「黙れ。」


主 :「へ?」


2 :「誰か……来る」


SE :ドアの開く音


教 :「皆サン。起キテ下サイ。朝ノショートホームルームノ時間デス。起キテクダサイ」


主 :「何、これ……人間なの?」


1 :「いや、よく出来てるけど…多分人間じゃねえよ。なんか気持ちワリい」


2:「ふん、そんな事よりここはどこだ。答えろ!」


教:「皆サン、起キテクダサイ」


2:「答える気はないか、なら!」


主:「ちょ、ちょっと何をする気?椅子なんて持ち上げて」 


2:「こうするんだよ!」


SE:ガン。鈍い音


教:「皆サン。余計ナ事、シナイ方ガイイデスヨ。次ハ、反撃シマス」


1:「マジかよ……。椅子が曲がってるのに傷一つついてねえ」


2:「ちっ、おいお前ら! 早く起きろ。」


主:「ちょっと、起こし方ってものがあるでしょう?」


3:「ふあ〜。あれここはどこ? 私……」


4:「ん、どうやら俺は寝てしまったらしい。先生、授業中なのに申し訳ない……」


主:「え、君この人を知ってるの?」


4:「当り前だろう…誰だこいつは? そもそもここは俺の知ってる教室じゃない」


1:「ただの天然馬鹿かよ」


3:「ちょっと、君たち。これはどういう事?」


2:「俺たちも知らん。それより貴様。いつまで寝たふりをしているつもりだ!」

 

SE:机に足が当たる


5:「ご、ごめんなさい。私、その怖くて……」


2:「さあ、これで全員起きたぞ。ここはどこで、お前達の目的は何か教えてもらおうか!」


教:「ソレデハ、皆サン。早速デスガ授業ヲ受ケテモライマス。内容ハ導得どうとくデス」


主:「道徳? 人としての常識やら心やらを学んだ小学校のあれの事?」


1:「馬鹿にしてんのか! 俺たちはもう高校生だっ…て、皆高校生だよな?」


5:「私はそうだけど、隣の彼は…その、高校生らしくないかなって。あ、すいません。私いつも余計な事言っちゃって、許してください」


4:「いや、実際にその通りだから仕方あるまい。だが俺は高校3年生だ」


教:「道徳デハアリマセン。導得デス」


3:「あの、発音同じだから何が違うのかよく分りません。黒板に書いてもらえると助かります」


SE:黒板に字を書く音


主:「導得…導いて得るって事?」


教:「ソノ通リデス。デハ詳シイ内容ハコノプリントニ書イテアリマス。デハ、キミ」


主:「は、はい!」


教:「コレヲ読ンデクダサイ」


主:「えーと、『導得』。

   あなた方にはこれから犯人当てゲームを行ってもらいます。この説明が終わった後、一人一枚教師が持っているカードを引いてもらいます。その中にあるアタリを引いた人には自分以外の誰か一人を殺してもらいます。

 一週間以内に行動を起こさない場合はその人に死んでもらいます。

 無事、その人が殺しましたら全員でそいつを見つけてください。チャンスは一回。見事犯人を当てたらあなた方を開放します。外れた場合は……外れてからのお楽しみです。では皆様ガンバ!

 だそうです」


1:「ふざけんな! たかが学校から出るために人を一人殺せって言うのかよ!」


4:「全くだ。俺は参加しない、そんな下らない遊びに付き合ってられるか」


3:「やだよ、そんな事。やりたくないよ……」


教:「ソウ言ワズニ。次ハ君、裏面ヲヨンデミナサイ」


5:「わ、私!? もう何で私が、あ、ごめんなさい。すぐ読みます。から

  参加するだけで君たちの願いがかなうかもしれないぞ?

  例えば、難病の妹を救いたいとかね? それでもやらない人がいたら、代わりの人を用意するだけだよ? そしてやらない人には死んでもらうだけだから。みんなが損するだけだよ、よく考えてね。

 ちなみに犯人は誰にもばれないで終わらせたら賞金でも何でももってけ泥棒!

 って、何? やらなかったら私、死んじゃうの? ていうかこの説明、ふざけてない!?」


2:「さっきから聞いてれば聞き苦しい。ゲームを受けてさっさとこの場所から俺は出たいんだよ。早く始めろ!」


教:「他ノ皆サンハ参加シマスカ?」


1:「その願いってやつさ、もしかしたら金でもいいの?」


教:「モチロン」


1:「なら俺も参加だ」


5:「私も参加、してもいいかも」


4:「おれも参加だ」


3「私も、私の代わりに誰かが犠牲になるのなら自分がやるわ」


主:「ちょ、皆? こんな理不尽なゲームに真面目に参加するつもりなの?」


教「理不尽? 何も知らねえ高校生≪ガキ≫が。生きることは理不尽に決まってんだろうが!?」


主「な、」


教「やるのか? やらねえのか?」


主:「分かった。やるよ、やればいいんだろ!」


教:「ソレデハ、『導得』ノ時間デス」








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