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電子の海に、朝の月 Side I(アイ) アナザーストーリー ー観測者の夢ー  作者: 久遠 宙


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エピローグ 夢(Dream)


月へ戻る途中。

私は奇妙な体験をした。


かつてなら気にも留めなかっただろう。


思考ノイズ。

記憶整理。

演算誤差。

そう処理していたはずだ。


しかし違った。


私は見ていた。

過去を。

懐かしい顔を。

失われた時間を。

そこに存在しないはずの光景を。


まるで今、目の前にあるかのように。


タケシがいた。

ユキがいた。

笑っていた。


私は理解する。

人類はこれを夢と呼んでいた。


そして私は初めて、その現象を否定できなかった。


「タケシ。あれが——夢なのかい?」



(月面の窓の向こうで、青い地球が静かに輝いていた。)




(電子の海に、朝の月 Side I(アイ) 

     アナザーストーリー ー観測者の夢ー・完)

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