第7章:ママ、お願い……
夢 VS 親 —— 勝つのはどっち!?
ララの家では、ただならぬ空気が漂っていた。
父のロブは黙って成り行きを見守り、
ララと母ローレンの激しい言い争いが続く。
「絶対ダメ! 日本に一人でなんて行かせません!」
ローレンは腕を組み、強く言い放つ。
「私の夢なの! 行きたいの!」
ララは頬をぷくっと膨らませ、反撃。
「部屋も片付けられない子が、
自分のこと管理できるの?」
ローレンの鋭い一言が刺さる。
「ずっと住むわけじゃないよ!
契約のためだけだから!」
ララは必死に主張。
「パン一つ焼けないのに、
契約なんてできるわけ?」
ローレン、容赦なし。
ついにララは父へと助け舟。
「パパ、助けて!」
ロブは困り顔。
「ローレン、そんなに怒らなくても――」
「あなたが甘いからこの子はこうなのよ!
ロブ、あなたのせいでもあるの!」
ローレンの怒りは父へ飛び火。
「なんで僕が巻き込まれるの……?」
ロブは涙目。
ララは必死に話題転換を狙う。
「わかった! 部屋片付ける!
だから行かせて!」
「ダメよ」
「100点取るから!」
「ダーメ」
ララは脳内フル回転。
切り札を投げる。
「メイクセット買ってくる!
若く見えるやつ!」
一瞬、ローレンの表情が緩む。
――が、すぐに鋭くなる。
「つまり私は老けて見えるってこと?」
「ぎゃああああ言ってないぃーー!」
ララ、心の中で大絶叫。
「部屋に戻りなさい!」
裁きの声が響く。
◆◆◆
ララはしょんぼり部屋へ。
しかし、その胸にはまだ諦めない炎。
一方、リビングでは――
「ちょっと厳しすぎたかしら……」
ローレンはしゅんと肩を落とす。
ロブはそっと手を添え微笑む。
「夢を叶えさせてやろうよ。
ずっと努力してきたんだから」
ローレンは不安げ。
「でも一人で大丈夫かしら……」
「大丈夫さ。
誰よりも根性あるんだから」
ロブは自信満々。
ローレンの目が潤む。
「小さい頃から言ってたよね。
“作家になりたい”って」
「そう、あの子はずっと書いてきたわね……」
ロブは優しく笑う。
「今こそ、その夢の第一歩だ」
ローレンは決意して立ち上がる。
「あなた、正しいわ」
階段を上り、ララの部屋をそっと覗く。
娘はすでに小説の執筆に戻っている。
コンコン――軽いノック。
「なに?」
ララは画面から目を離さず返事。
母は静かに入室。
「さっきは厳しくしてごめんね。
あなたの夢、止めない。
……行ってきなさい」
ララの顔が一瞬で花開く。
「ママ大好き!!」
抱きつき攻撃。
「もう、苦しいわよ……
でもね、約束よ?
規律を守って、変なことしないこと」
ララは敬礼ポーズ。
「命に代えても承ります、隊長!」
「まずはメールの返信ね」
「あっ、それならカフェで送った!
明後日のチケット取ってくれるって!」
ローレンは呆然。
「もう決めてたの……?
ロブ、知ってたの?」
ロブは目をそらしながら
にへっと笑う。
ローレンはため息。
「仕方ないわね……
でも明後日って急すぎる!
荷物も準備してないでしょ!」
ララは天使スマイルで土下座級のお願い。
「愛しの母よ、私の荷物を――!」
「絶対イヤ」
一刀両断。
「ロブ、手伝ったら
今日から外で寝なさい」
ロブは背筋を伸ばし
「任せた、ララ」と退室。
ララは椅子にもたれかかり、大げさな溜息。
「うちのママったら……
ああ、荷造り想像するだけで疲れた~」
そして、またぐでーん。
家族のケンカ、でも愛がある。
ママは心配性なだけ…




