第3章:試験エスケープ
テストの時間!でも準備は…もちろんゼロ!
ララは学生の海の中に埋もれながら、
ペンを握ってはいるものの――頭の中は完全に別世界。
「……何も、分からない……」
盛大なため息と共に悟る。
こうなったら奥の手しかない。
彼女の視線が会場を彷徨い、前の方に座る友達トミにロックオン。
ウルウルした子犬のような瞳で、
「助けて~」と全力アピール。
トミは先生をチラリと確認すると、
そっと解答用紙を持ち上げた。
ララは心の中で大拍手。
必死に目を凝らす。
「……バナナ?」
思わず口から漏れる困惑の声。
その瞬間――先生の視線がビシィッ!
空気が凍り、
ララとトミはササッと真面目なフリを再開。
「何かありましたか?」
先生の疑いの声に、
二人は心臓バクバクしながら猛スピードでペンを走らせる。
「勉強しとけばよかった……」
ララ、小声で反省(たぶん嘘)。
やがて、
救いの“中間休憩のベル”がチリンチリンと鳴り響く。
――開放感。
「ま、期末でもないし~」
ララ、何故か勝ち誇った表情で立ち上がり、
「はい、終わりましたーっ!」
ドヤ顔で答案を提出。
先生は眉をひそめて一言。
「まだ休憩時間よ」
完全に無視して、
ララは満面の笑みで教室を飛び出す。
「ばいばーい!!」
先生は回収した答案に目を落とす――
そこには、
ペガサスの絵が何十頭も踊っていた。
「ララァァァァーー!!」
職員室まで響く怒号。
一方その頃、
外に出たララは鼻歌まじりのスキップ。
それを見ていたトミは肩をすくめて苦笑。
「ほんと、あの子は変わらないわね……」
回答欄にペガサスの絵…ララならではの必殺技✨




