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外れジョブ【ミイラ限定テイマー】

初の短編です!

好評なら連載化も考えているので応援していただけると嬉しいです。

 世界中にダンジョンが出現し20年。

 解明が進み、ダンジョンにある鉱石やモンスター素材、魔石などで便利でエコな世界になった。


 日本の法律で15歳を過ぎたら迷宮適正試験をジョブに就くことを義務化されている。

 弱いジョブでも能力の向上し免疫力などが上がり病気や怪我を抑えるので医療へ投入する税金が減る。

 ダンジョンのおかげで魔導科学が発展しより良い世界になったがジョブ差別と言う新たな問題が起こっている。


「はぁ⋯またお断りかよ」


 俺の名前は【円堂二郎えんどうじろう

 この春ダンジョン高校を卒業した3級冒険者だ。

 冒険者ランクは11級あって1〜10級。

 最初は10級から始まる。

 義務教育で7級まで習得できる。

 本格的に冒険者になれジョブを得るのは中学卒業からなので実質6級からスタートになる。

 秀でた功績を残せば特級になる。

 これはライノベで言うSSランクってとこかな?


 ダンジョン高校を卒業すれば4級と言う結構上からスタート出来る。

 俺は首席卒業だから3級スタート。

 ジョブが所謂いわゆる外れと言われるモノだったのでジョブに頼らないモノを頑張って克服して得た成果無のだがこれが裏目に出た。

 外れジョブのクセに他が優秀すぎて使いにくいと敬遠され続ける。

 大手から弱小冒険者クランに面接したが全部お断りされた。

 別に首席だからと好待遇を望んでいない実務経験さえ積ませてくれれば事務職でも全然構わない!

 【迷宮管理能力者】の資格を有効にするには1年に以上のクランでの実務経験が必要だからだ。


 俺の実家は大名の家柄で膨大な敷地を持っている。

 ド田舎だから価値は二束三文だけど⋯。

 土地が多いから低レベルだがダンジョンがいくつかあり資格持ちが居ないから日本ダンジョン協会に管理を委託するのだからその費用が馬鹿にならない。

 実家は歴史ある温泉旅館【八百津扉やおつど】を経営しセレブがお忍びで泊まりに来るので黒字なのだが年々増えるダンジョンに頭を悩ませている。

 次男なのでダンジョン方面は自分が実家を助けるんだと頑張ったのだが外れジョブに足を引っ張られる(T_T)

 何なんだよ!テイマーは良いとして【限定木乃伊ミイラ】って20年経過しても発見されてないモンスターをどうやってテイムするんだよ!

 エジプトのダンジョンにすら居ないのに!!

 首席卒業しても何の意味も無い⋯学費を出してくれた両親に申し訳さが込み上げたが実家に戻るしか無かった。


「と言う訳で申し訳無かった」


 土下座して父【円堂零士えんどうれいじ】に謝罪した。


「運が無かったとしか言えんな⋯⋯冒険者ランクは3級何だからダンジョンには入れるのだからスタンピードならないようにしてくれれば問題無いぞ」


 と笑顔で答えてくれた。


「しかし意味の無いジョブって存在するのね」


 と母親【円堂悦子えんどうえつこ


「なあ二郎、ミイラのモンスターが存在しないなら普通のミイラじゃダメなのか?」


 次期後継ぎである【円堂隆一えんどうりゅういち】が尋ねる。


「試したことないよ、ミイラなんてそうそう出くわさないし」


「家の蔵に鎧武者とネズミのミイラあるから試してみるか?」と父


「何でそんなの家にあるんだよ!?」


「家は歴史ある家だからミイラの一体や二体あるわよ」と母


「ものは試しだからやってみろよ!」と兄


 そうだなと納得し蔵に移動し鎧武者と対面する。

 鎧武者は古びた甲冑の中に確かに存在していた。


「この人(?)俺達のご先祖様?」


「蔵にある資料を調べたけど謎何だよ、じいさんが蔵の地下室を発見して見付けたから何百年も蔵に居たのは間違いない」と父


「このネズミは?何匹もいるけど」


「地下室で鎧武者と一緒に見つかったそうだ

多分入り込んでミイラになったんでは?」と父


「まずはネズミで試してみろよ」と兄


 俺は手に魔力を集中して魔法陣を展開させ言葉を紡ぐ【テイム】

 魔法陣はネズミを包み吸収されるように身体に消えた。


「成功したのか?」と兄


「うん、パス⋯繋がりみたいのは感じるけどノイズみたいな声が頭響いて気持ち悪い⋯」


「ミイラのモンスターじゃなくても大丈夫ってわかって良かったたじゃない」と母


「動かないなら意味ないよ⋯⋯」


「今はドライフルーツみたいなもんだからお湯に入れたらマシになるんじゃね?」と兄


 それを聞いた従業員の与作18歳、(チビハゲ)は蔵を飛び出して洗面器に温泉を入れて戻って来る。


 温泉に入れて3分ネズミは復活しノイズが消えた。

 為にし簡単な命令をするとちゃんと理解してくれた。

 少し難しい命令も難なく熟していた。

 ネズミってこんなに知能あるんだろうか?

 テイマースキルには対象の知能を上げる効果でもあるのだろうか?


 答えの出ない事を考える前にメインを片付けるか。

 鎧武者の前に達魔法陣を展開する。


「成功だ!」


 おおーと声を出す家族達。


「与作、悪いけど⋯⋯」


 言い終わる前に鎧武者の周りに水色の魔法陣が展開していく。

 そして鎧武者は俺の前に膝まずくと


「拙者、【伊東虎之介】でござる、若様に忠誠を」


 えっ?鎧武者って魔法使えるの?

 どういう事と混乱していると


「若様のお名前を知りたいでござる」


「え、ああ円堂二郎ヨロシクな虎之介⋯少し聞きたい事があるんだけど」


「なんでござろう?」


「今魔法使ったか?」


「魔法?それは何でござるか?」


 魔法について簡単に説明


「拙者の家系は陰陽の血筋故無意識に出たのでは?」


 気になるワード出たけど俺の従魔として使えるかが重要なので鍛錬広場に移動する。

 旅館は営業中なので母のみ付き添いで着いてくる。


 鍛錬広場は宿泊客に目に付かない程宿から離れた場所の林の中にあり広さはテニスコート1枚分。

 そこで虎之介と対峙する。

 流石は戦国時代の武者、木刀を握っただけで力量がわかる。

 軽く打ち合ったが実力と経験の差に驚かされる。

 出し惜しみなしと全力で向かうと意外な事が分かってきた。

 フェイントに弱いのだ!

 恐らく戦国時代は力でねじ伏せる技が支流だったから必要無かったのかもしれない。

 実力の差があるから対処され最終的にはフェイントを使いこなし太刀悪いほど強くなった(T_T)


「若は筋が良い!鍛えれば名武将になるでござるよ!」


「戦国時代の武者に褒められると嬉しいね」


「二郎ちゃんは本当に強くなったのね!流石は首席卒業ね!

虎ちゃんも本当に強いわね、これなら二郎ちゃんを安心して任せられるわ」と母


 その後母も虎之介と撃ち合いをし、時間の空いた従業員と稽古し日が暮れてきたので宿に戻った。


 宿を歩くと虎之介の様子が普通だったので訪ねると


「拙者は若と説明しがたい繋がりを感じるでござる。

その繋がりでなんとなく理解できるのでござるよ」


 俺とパスから情報が流れててそれを理解し行動しているようだ。

 テイム能力はそういう効果あるからモンスターが指示に従うのかなとなんとなく思った。


 食事をし虎之介の事を聞いた。

 伊東家は元々鎌倉で陰陽師をしていたそうだ。

 お家騒動に巻き込まれこの地に逃げ延びた所で俺のご先祖様に救われて仕えることになったたそうだ。

 仕えると決めたのは虎之介の祖父で陰陽師の護衛役だったので陰陽道には詳しくなかったらしい。

 ミイラになった経緯は領内に流行病が蔓延し人身御供になったからだと。

 壮絶な人生なのにあっけらかんとしてて武士が仕える覚悟をみた気がした。



 日が昇る前虎之介は目が覚める。

 主はまだ眠りにつき暇な時間である。

 宿を歩き物珍しいモノが多々あるが何となく理解できる為驚きは少ない。

 しばらく歩くと大浴場を見つけ何百年振りの湯浴みをしようと暖簾をくぐった。



 目を覚ますと虎之介が居ないことに気が付いた。

 パスが繋がっているので居場所は何となくわかるのでその場所へ向かうと大声がして慌てて走ると大浴場にダイブするお得意様2人の姿だった。

 どういう状況?



事の顛末は日の出前に虎之介が温泉に入っていた。

 暖簾は掛かっていたが入浴は日の出からと看板を立てていたが気が付かなかったようだ。

 電気のスイッチも分からないので暗闇の中入浴していた。

 入浴開始の準備をしに与作がやって来ると湯船が毒々しい紫色に変わっていた。

 慌てて虎之介に湯船から出るようにと即していると常連客である上杉製薬の会長【上杉主水うえすぎもんど】様と世界的歴史学者の【柴田博光(柴田博光)】様が湯船の色を見て


「なんじゃこりゃ〜!!」


 大声を出し驚いた与作が湯船に落ちて溺れる。

 湯船に顔を出し咳き込んでいると与作に異変が!

 彼の広すぎるオデコ一面にポツポツと毛が生えているのだ。

 それを見た初老の2人は育毛効果のあると瞬時に理解した。

 パット見頭皮に問題がないように見えても悩んでいたそうでコレはと思いダイブした。

 その瞬間を俺は目撃した。



宴会場で上杉会長と柴田教授、俺で朝食をとりながら話すことになった。

 虎之介は与作と毒々しいお湯をドラム缶に入れる作業をしている

 俺の状況説明すると


「外れジョブながら首席卒業とは努力したのだな」


「教育に携わる者として二郎君のような若者は気持ちが良いですね」


 2人の中で俺の好感度は上がっている気がする。


「やはり日本ダンジョン協会は腐っておったか……」


「そうですね、努力して首席を勝ち取る人材を大事にしないなんてありえませんよ!

自分達の取り決めた枠組みで掴み取った結果なのに!」


 俺の代わりに憤慨してくれている姿に嬉しさを感じる。


「しかし隆一の機転は素晴らしいのう」


「ジョブ至上主義な協会では絶対出てこない発想ですよ!」


「先生はミイラ限定はどう見る?」


「ミイラのモンスターはエジプトのダンジョンでも確認されてませんから存在していないのだと

普通のミイラと虎之介氏を言っていいのか分かりませんがテイム出来た事から推察すると

ミイラをテイムする事でダンジョンに対応した能力を与えるのかも知れませんね」


 だから虎之介は魔法が使えたのか。


「テイムしたネズミはどうしたんじゃ?

テイムしたら居場所わかるのじゃろ?」


「気が付いたら居なくなってて居場所も分からないんです」


 虎之介の場所は分かったのにネズミはサッパリ分からない動物だから?


「二郎君の能力は素晴らしいね!学術的に無限の可能性を秘めている!」


「化学、薬学的にもそうじゃ!輝かしい未来を秘めておる!」


 褒められすぎてむず痒くなる。


「二郎よ、儂は後ろ盾になるぞ!」


「私も後ろ盾になりますよ、この力は強すぎます!」


「儂と先生が後ろ盾など中々ないぞ(笑)

だがもう一枚欲しいところじゃな」


「ええ、二郎君の冒険者としての能力を上げれば新たな可能性もあり得ますからね」


「じゃが協会には任せられんし信用ならん」


「それなら、私【神のゴッドアイ】に伝あるので話してみます」


「【神の眼】!?世界的クランじゃろ?簡単に引き受けてくれるモノなのか?」


「私が話せば24時間以内にやって来ますよ」


「ほっほほ、先生の人脈凄いのぅ」


 俺の目の前でとんでもない会話が繰り広げられているが実感がない。




「キースこれから行く場所になるべく早く来てくれ」


「特級ダンジョンを攻略したばかりで疲れているしおれ様程になるとスケジュールが詰まっているから無理だ」


「キースの夢が叶うとしてもか?」


「!?本当か!それはモンスターか?どんなヤツだ?」


「電話では詳しくは話せない来てのお楽しみかな?

期待は裏切らない事は約束する」 


「分かった!大急ぎで向う!」


 彼はキース・リチャーズ、世界的クラン【神の眼】の代表であり特級冒険者


 サムライマニア

お読み頂きありがとうございます!

世界の中心への足掛かりまで書きました。

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