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26話

「はーまさか負けるとわなぁ」


「気を抜きすぎたね」


「うーん、隊長のはそうかもしれませんが俺たちのほうは無理ですぜ」


「そんなにすごかったのかい?」


「気が付いたら吹き飛ばされてましたもん」


「はは、なら安心ってもんだ」


今俺たちは『沼蛇』の皆さんと晩御飯をたべにきている。

実力を見とめてもらったのだろう、すごいフランクに接してくれる。

ちなみにリーダーがヨロンで山賊みたいなのがジャック、気弱な少年がゼンである。


「にしてもギメイ…お前は謎だなあぁ…強そうには見えないのに」


「そんなこといわれても」


「でも確かにジャックの勘が外れるなんて珍しいね。今まで外れたことないでしょ?」


「うーん【第六感】でもやばさを感じないんだよなぁ」


「まあ、相手の油断を誘えるならなんだっていいよ」


「舐められることがいいことならそうなんだろ」


「だからこうして奢ってもらえてるでしょ?」


「はは!一本取られたな!」


「はあ、まあそれはそうとして今回の調査以来の打ち合わせも合わせてしておこう」


「えーと神山の麓の森を一通り登りきったところにある沼地が今回の目的地でしたっけ?」


「ああ、そこまで歩いて1日はかかるから野営品ももっていかないといけない」


「それは各々持っていきますか?」


「ああ、そちらの方がいいと思うのだが…野営品の知識などはあるかい?」


「俺は簡単なことしか知らないです…アランは?」


「正直僕もない…かな」


「ふーむ、二人ならばテントを一つと、寝袋を2つ、2日分の食料と1日分の携帯食…あとは水と…あぁ【水魔法】があるのか、ならばあとは大丈夫だよ」


意外とそんなもんか…


「準備に一日あればいいかい?」


「…二日待っていただけないだろうか?今依頼している鎧が二日でできるそうなんだ」


「二日?そりゃだいぶ…早い仕事だな…大丈夫なのか?」


「ああ、ジオール防具店というのだが…いい店主さんだよ」


「アルゴスさんか!?」


「ああ、有名なのかい?」


「有名も何もこの国一番の職人だよ。防具職人なのにレベルが40もあったり、化け物だね」


有名な話だったんだな…


「はっきり言うけどこの国の魔道具の技術を防具に組み込む術は外の国はもちろん、この国の中でも頭一つ抜けてると言わざるを得ない」


「詳しいな」


「…まあこの街で活動している以上はな…あの人から防具を作ってもらえるって時点で一種成功している冒険者という保証にもなる。その位すごい人なんだよ」


「なるほど」


確かに装備品にあの金額を出せるのは安定して稼げるやつかよっぽどの強者だもんな。


「そういう事なら二日後でいい。ギルドにはできる限り急げとは言われているが準備のうちに入るだろう」


「ありがとう」


「さて、ほかに共有すべき情報は…ギルドの職員が説明してたことぐらいか…」


「よっし!じゃあ話し合いも終わったしジャンジャン飲もうぜ!」


「明後日には抜けるようにしておいてくれよ」


「まかせろ」




飲み会終わりで酔っぱらったジャックをゼンが支えている。

今日の飲み会だけで普段の様子がわかるのが面白い。


「今日はありがとうございました」


「いやいや、それじゃあ明後日の朝ギルドで」


「はい、失礼します」


そういって二手に分かれる。


今まで意識したことはなかったが、銀級にもなると依頼の幅が途端に広くなっている。

俺たちがやっている討伐が一番多いが調査、護衛、魔法研究、その他シンプルな労働も。


「じゃあ明日は買い出しに行こうか」


「ああ、おやすみ」


「おやすみ」


この世界に来た最初はなかった知識、道具、ステータス。それらが少しずつそろってきている。

今日『沼蛇』と戦ってみて…もちろん実戦だったらわからないのだが…勝利して、戦闘に関しては少し自信がついてきた。

すこし、精神的な余裕が出来たんだろう。


この街に着て、初めて空を見た気がする。

月がきれいだ。









今日はアランの鎧が出来上がる日だ。

テントも食料の買い出しも終わって、適当に料理器具も買った。

あとはアランの鎧がそろえば一通り俺たちの準備は出来上がったと言えるだろう。


「楽しみだなぁ」


「ああ、どんな鎧なんだろうな」





「ごっつ…」


白と金で形成された重厚感ある鎧。

それも兜から足まで…フルプレートアーマーじゃないか

聖騎士っぽいを通り超えて聖騎士だぞこんなもん。


「おお」


「ささ、装備してみて」


「では失礼して」


アランが変な声を出す。おそらく俺もなったあまりのフィット感に気持ち悪くなる奴だろう。


「すごいですね…」


「【覇気】を発動してみてくれ」


「はい」


鎧をまとった状態でも変わらず発動できた【覇気】は何か少し違和感があった。


「はは、やっぱりうまくいった」


「なんか不思議な気分だ…」


「この鎧について説明しようか。まず黒金貨くらいかかる鎧には基本入っている発声補助と通気性能はもちろん、白銀竜の鱗とヒヒイロカネ、アダマンタイト、ミスリルを使い、魔力との親和力を最大限まで高めた。つまりこの鎧は君の【覇気】に反応し、【覇気】が発動している君の体と同様の効果が適応される」


つ、強すぎだろ。


「もちろん内側が魔力で満たされている間は外側からの魔力に対して強い抵抗力を見せるし、単純な防御力で見ても黒金貨1枚払うに値すると思うよ」


「…ありがとうございます」


「次もごひいきに」


やっぱり国一番の職人は伊達じゃなかったな…

それでいて予算内に落とし込めているのが化け物だ。

もっと金を詰めばこれより高性能な鎧が手に入るんだろ?


はは、この世界の果てはどんな化け物どもで埋まっているんだろうな。


書きだめが切れまして、一旦この作品はストップしようと思います。

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