表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/26

16話

「準備はいいかい?」


「もちろん」


今回の狙いは神山の麓にいる飛猿だ。常に群れで活動しており、ある程度の知性があり、人間よりステータスが高い。

ただ、神山麓のなかでは比較的弱いほうで、群れでの戦いが厄介なだけと評価されている。


鬼の連携強化週間をやり遂げた俺とアランなら勝てるはずだ。

久しぶりの装備だから体がなまっている可能性はある。筋肉を動かす意識をしながら森を進む。


【千里眼】


「いたぞ」


「数は?」


「20くらいだな」


「比較的小さい群れだ。ちょうどいい」


「練習通りに」


「ああ、行くよ」


『マ シータ アボール』(纏え、膨張しろ)


アランに霧を付ける。自分は【千里眼】で霧関係なくみえる。【剛力】【軽業】で投擲、ボス猿を狙う。


「キー!?」


強襲成功、ボス猿は木から落ちていった。その下にはすでにアランがいる、落ちてきたばかりの隙だらけのボス猿にとどめを刺す。

足元のアランを狙おうとサルたちがいろいろなものを投げつけてくるが…ボス猿がいないことの混乱と霧によるかく乱でうまく当てられていない。


その間に自分にも霧をかけ、【軽業】で木に登る。

固まっている三体を狙い、背後から切りつける。まずは1体、続けざまに二体目を狙うが…避けられる。動きが遅い三体目をけり落としながら【剛力】と【軽業】で自分は木に残る。

下でアランが暴れているらしく、サルがどんどん木から落ちている。レベルが上がって筋肉お化けになったアランは木を揺らすことが可能だ。

足場が不安定で動けていないサルに【水魔法】で作った矢を当て、倒す。


あとは圧倒的高所が取れたので【剣舞】を使って複数体のサルと戦っているアランの援護をする。

砂水球で視界を潰し、足元を泥にして転ばせ、水の矢で離れているサルを対処。


あっという間に一つの群れは壊滅した。



「おつかれ」


「ああ、にしても証明箇所がしっぽなのは勘弁してくれ…かさばる」


「僕たちも魔道袋を買わないとかなぁ」


「魔道袋って見かけによらず中にアイテムがたくさん入る袋だろ?」


「そうそう、ただ高いんだよね」


「はあ、どこまで行っても金欠だ」


「ちなみに今の飛猿討伐で銀貨2枚くらいかな」


「なるほど、こりゃ確かに儲かるわけだ」


しかも儲かったものが全部溶けていく。冒険者怖え。


「一旦次の目標は魔道袋かなぁ」


「そうだな。装備があっても証拠品持ち替えられないんじゃぁ意味がない」


もしくは一体で強い奴を討伐する単価高い系依頼だったらかさばらないんだが…

それをするには俺たちのステータスと人数じゃ不安が残る。


やっぱりただ頑張るしかないのか?

んー、一旦この街で活動するだろうし、考えられる金策法も試してみるか。

うまく行ったら金策期間をうまく抜け出せるだろう。


その後も順調に飛猿やマッドスネークなどを狩り、袋がいっぱいになったので帰ることにした。

帰り道の途中で目についた薬草を何房か持ち帰り、栽培を試みてみるものとする。



「じゃあ換金してくるよ」


「おう、俺は…ステータス確認でもするかぁ」


「上がってるといいね」


「ああ、今日のはかなり効いたんじゃないか」


ギルドの受付で空いているところを探したら冒険者と勘違いしたおじさんのところが開いていたのでそこに行く。


「すみません、ステータス鑑定をお願いします」


「了解しました、ご案内します。こちらへどうぞ」





「こちらが新しいステータスです」


================


ギメイ・アカラサマ Lv 20


体力 D

筋力 B

魔力 C

器用 B

知力 C


スキル【千里眼】【水魔法】【剛力】

   【軽業】

================


おお、レベルが一気に2も上がっている…がステータスは、えっと筋力か。筋力が一つ上がったって感じだな。

んーなまじ筋力がある分ただ魔法使いとしてやるってわけにはいかないのが面倒くさいな。

もうそろそろ自分のスタイルを確立したいのだが…今の水魔法で相手の視界を遮り、【千里眼】【剛力】【軽業】で相手を翻弄しながら戦うのがスタイルと言えばスタイルなのだが…今の戦い方には突破力がないというか、アランみたいな高体力高火力みたいな戦い方にトリッキーを追加するなら強いのだが…攻撃されても痛くないやつは翻弄すらできなくなるからなぁ。


話がそれたのでまとめると火力を上げる手段を考えなければならない。

まあそれは魔法検証とか自分にあう武器検証するときに考えよう。

いったん今はアランと合流して薬草栽培に必要と思われるものを買いに行く。



「すまん、またせた」


「はいこれ、報酬の銀貨6枚」


「稼いだなぁ、あぁこれ…昨日の宿代ありがとな」


「いやそれは差し引いて銀貨6枚だね」


「稼いだなぁ!?」


「だから言ったでしょ。稼ぐ額が変わるから宿選びは大事なんだよ」


こんな生活続けてたら一か月くらいで全身装備できちゃうぞ…

うれしいがそれまでに自分のスタイルを考えないと…武器を試すやつ早めにやっておこう。


あと3レベルくらいで新しいスキルが来るだろうし…それも参考にしよう。


魔道袋の値段を確認し、市場で園芸品を購入してから宿に戻る。

ちなみに魔道袋の値段は金貨1枚からだった。金貨1枚は小金貨5枚、小金貨1枚あたり銀貨10枚なので銀貨50枚分である。

感覚が狂いそう…


早速植木鉢に土を入れて、薬草を植え、【水魔法】で水やりをしておく。自分も【水魔法】でさっぱりしてからふかふかのベッドで眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ