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14話 Q.ゲーマー脳は異世界で無双するか



あれから数日が経った。

街自体に被害はなく、勇者様が助けてくれたからと街はお祭り騒ぎで賑わいを見せている。

俺はというとアランの看病に付きっ切りと言いたいところなんだが、【超回復】と回復ポーションのおかげで順調に回復しているため俺の出る幕はない。

薬草採取をして日銭を稼いで一日一回お見舞いに行って…平和だ。ただ、この平和を作るために…多くの冒険者が犠牲になったのも事実だ。

『森の狼』のアレスさんとリリーさん…一緒にご飯を食べ、冒険者や魔法についてのいろはを教わった二人は対焔雷竜戦で死んだ。

街に戻ってきてからセシルさんが報告しに来てくれた。セシルさんはサンビトニックと呼ばれる宗教国家に行き、修道女として一から頑張ると言っていた。冒険者はもうやめるとも。


「やあ、ギメイ。悪いね、毎日来てもらって」


病室でアランは本を読んでいた。窓が開けられていて外の喧騒が聞こえてくる。


「アラン、俺あれから考えていたんだ」


「うん」


「焔雷竜を前にしたときの無力感、絶望感。近くで人が死んでいくのに自分に出来ることが無いのはとてつもなく苦痛だ」


一呼吸おいて伝える。


「だから俺は強くなりたい。もっともっと…それこそ勇者みたいに」


「なるほどね、いいじゃないか、最高だよ」


目をギラギラ光らせたアランがこちらを見てくる。


「じゃあギメイ、僕の本音も聞いてくれ。…僕はね最強になりたいんだ。敵を倒したいんじゃない何者にも縛られない真の自由を手に入れたい。ただ、誰も僕の話をまともには受け取ってくれない…そんな時に君が来た」


獲物を見つけた獣の目だとわかった。


「やはり僕は幸せ者だ、ギメイ。ならば僕たちパーティの目標は『勇者をもしのぐ最強』で大丈夫かい?」


「ああ」


俺も、目標が一緒ならやりやすい。


「途中で音を上げないでくれよ」


「なめんな」


今までのはチュートリアルさ。こっからはゲーマーとしての本領発揮だ…レベリング・金策の効率化、装備の更新、反復練習、ゲーム理解度上昇。強くなるためなら何でもやる。

長時間レベリングしてきているやつに勝つために必要なのは効率と終わりなきモチベーション、それと執着。殺す気で頑張る。

ああ、楽しいな………

大丈夫だ、落ち着いてくれ。不謹慎なのはわかってるとも、この世界は現実であってゲームじゃない。けれど、心のどこかが壊れてしまったんだ。今はこの感情の高ぶりに身を任せたい。


攻略(ゲーム)開始(スタート)だ。



「じゃあな」


「ああ、あと二日ほどで僕も復帰する。それから今後のことについて話そう」


「それまでこっちはこっちでいろいろやるよ」


まずはフランさんにこの世界のことを教えてもらって、地理歴史と国の特徴とモンスターと冒険者について教えてもらおう。

そのあとスキルの研究と剣技を教えてくれる人を探しつつ、金策開始だ。

やることは沢山ある、一つ一つ終わらせていこう。




こうして俺はギメイ・アカラサマとしての第一歩を踏み出した。

13話に入れようとした内容だったのですが、切れが悪く分けることにしました。短くなってしまって申し訳ないです。


これにて第一章終了になりますが、続く第二章では勉強を終わらせた主人公がある程度この世界のことを知っている前提で話が進みます。分かりにくいところを先に説明しておきますね。


1、この世界について。

端がいびつな円型をしており中央には果てを知らない山(神山)がある。それを囲むように大国が6つある。この世界の果てを探して六国とも領土を外に広げようと開墾競争が起こっている。上にも外にも限りがないことから無限大陸サムランと呼ばれている。


2、国について

紅帝国…紅帝が納める大国。武術や魔着と呼ばれる体に魔法をまとわせる戦い方が発展している。

宗教国家サンビトニック…神山の果てにいるとされる神をあがめる信者が集まってできた国。儀式を行い奇跡を起こすことが可能。

亜人連合国ジン…獣人やエルフなどが集まって暮らしている。自然の中で活動するので開墾が進んでいなくても大丈夫。

学術都市国家セントラルアーセナル…魔術だろうが武術だろうが科学だろうがすべてを学び、研究する。その意思があれば歓迎され、他国からの移民が多くを占めている。基本は民主主義だが、学園長が絶対的な権力を持っている。

鋼の国アラトナヒト…魔鉱石や魔宝石が多く取れる土地を活かして武器、防具、道具に使ってきた。純粋な魔法よりも魔道具が発展している。他国に比べ圧倒的にドワーフが多い。(主人公が転生したのもここ)

魔人国家アジャルタ…魔人と呼ばれる亜人のみで構成された国。魔王と呼ばれる人が統治している。種族的特徴が多様で意図せずして他人に影響するため、耐性を持っている魔人同士でしか生活できない。


3、歴史について

始まりは確かではないが、長い時を経て志を同じとするものが集まり、戦争を続け、滅び、また集まった果てのバランスが取れている環境が今。

最も歴史があるのが亜人国家と鋼の国。


以上になります。

第二章もよろしくお願いします。

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