7 医療物資不足
マリエの一人ごとを聞いて、召喚聖女のマリエ―ルがマスコミにFax、SNSに載せように言う。マスコミが反応した。
7 医療物資不足
交通や物流が随分回復したものの医療物資の一部が入手困難だ。回復魔法が使える私も治療薬なしに手術は出来ない。理由は判っている。関東地方の大手薬品メーカーの工場が陸の孤島となっているのだ。名古屋なり大阪なりからの供給はしてもらっているしルートはあるのだが。国内唯一の生産工場が関東で、輸入しか入手する方法がないとすると治療薬がなくなるのは目前だ。しかも特定な薬品だけだ。もっとも一般的なのが血液の流れをコントロールする薬で点滴と併用して用いるものだが、手術の時ぐらいしか使用する事がないのでその重要性は手術を担当するものしか実感出来ない。もしこの薬がない状態で手術が必要になったら回復魔法を選ぶ。そういった目立たない薬ばかりなので緊急性を問われることなく来てしまったが切実な問題になって来た。
「まあ、いいか。私には回復魔法もあるし。」
と投げやりに考えいると、
「切実な事ではないか。こういう時こそマスコミにFax送ったりSNSに流すべきないのか。手術が出来なくなるぞと。」
私がやるのか。神様みたいなあんたの仕事じゃないの。と思っていると。
「私の世界にはそんな機械はない。」
マスコミにFaxをしてSNSに流すと直ぐに反応があった。マスコミの取材申し込みだ。病院は応じた私は中々手が話せないので医院長が対応する。
「彼女がマリエ先生です。我が病院のゴッドハンドです。震災をきっかけに覚醒したように処置をして行きます。誰も助手につけません。そんな彼女でも薬がなければ手術は出来ません。」
マスコミはゴッドハンドの映像をを送る。手の空いた時マスコミ取材に応じる。ゴッドハンドの割若く美人だと言われる。マリエは別にゴッドハンドだとは思ってない。ただ処置を早くしないと追い付かないと思って回復魔法と組み合わせてスピードアップしただけだ。医療技術としては拙い。30歳は医師としては若手の部類だろう。美人などと言わた経験はない。マスコミの人間は相手を煽てて欲しいコメントを引き出すのだろう。しかしこちらからまいた種だ。少しぐらい馬鹿げた話しでも応ずるべきだろう。
マスコミ報道は政治を動かし始めた。馬鹿みたいに手術をする病院でなくても治療薬の供給が止まっている現実は変わりない。私は手術を要する患者の受け入れは後1ヶ月出来なくなるだろうと言った。マスコミはいろいろな病院に取材して裏を取った。どの病院も治療薬の供給が止まっておりいずれ手術が出来なくなるとコメントした。国会でも論議された。私のコメントが引用される。
「この国で一番活躍している外科医が治療薬不足で後一ヶ月で手術は出来なくなると言っているのですよ。何とかするのが総理の務めではないですか。」
この話しを聞いてマリエは笑ってしまったがその先を聞いて唖然とした。
「現在自衛隊、製薬会社、工場、病院と協議して自衛隊ヘリコプターにより治療薬の運搬を計画です。治療薬の不足は起こりません。ゴッドハンドに休憩は与えません。」
何この理不尽。
国会の場でも議論になった。自衛隊ヘリコプターを使って、治療薬の輸送をするらしい。