2 大震災の傷跡と医療
マリエはフィールを使い始めた。重症患者が対象だ。ゴッドハンドと呼ばれる。
2 大震災の傷跡と医療
ラジオの情報だけが電気のない状態で知ることのできる唯一の手段だ。震度7強の地震は関東地方では観測を始め最大の数値だ。しかも東京が震源のため首都機能がダメージを受け、交通や通信に大きな損傷があり。復旧が難航しているようだ。国会や各省庁にも被害がありいろいろ難しい問題もあるらしい。総理大臣も軽症を負いながら、一日も早い復旧を目指すとメッセージを出した。交通機関や道路の損傷がボランティアや各種復興支援の足枷になっている。今自衛隊が中心に起こっているのが国道1号線の瓦礫処理である。
マリエに取っては日々戦いである。外来患者は減る気配もない。寧ろ傷を悪化させてしまったケースが多いようだ。建物が崩壊した医療機関も多く、民間病院では事態を見守る姿勢のところも多い。非常用発電のない医療機関では実質的に治療薬の保存が難しいということもある。道路事情、交通事情に加えて保存方法の難しさが治療薬枯渇の危惧にも繋がりかねない。
声はささやく能力を覚醒させよと。アイテムボックスや転移のような魔法がまだあるのだろう。
「フィールと魔法があるのよ、全力で使う必要はないわ。あなたが思うだけ怪我を軽減させてあげれば患者さんに取ってもあなたに取っても幸せなことではないこと。」
声はフィールの使い方の説明をした。治療薬も不足している現在少しでも有効な治療が求められる。
裂傷の激しい患者さんからフィールを使い出した。思ったように効果を上げている。医師に取ってこれは麻薬ようなものだ.今外傷患者が多いが手術でも有効だ。名医のようだ。こう言った情報は良く伝わる。外来治療をしていても回転が早いのだ。しかも患者さんがニコニコして帰っていく。看護師は噂するマリエ先生の治療は凄い、神の手だ。噂は広がり軽症の医師が復帰始めると外来患者対応に余裕が出て来た。
院長から救急外来に回るように指示された。救急外来は戦場だった。挨拶もそこそこに押し寄せる波に飲み込まれれるようにフィールを連発した。それは周りからすると信じられない光景だったようだ。生死彷徨うような重症患者容易く治療して予後もいい。主に重症患者を割り振られているようだ。救急外来は患者が減らない。受け入れ不能言って断って来た患者の受け入れが可能になって来たのだ。やって来るのは下敷き状態で発見される重症患者や避難所で病状を悪化させる患者だ。私は重症患者を扱うので内科的なことはしない。フィールは4つの段階がある。軽い傷を癒すもの、重い傷を癒すもの、四肢の欠損等を癒すもの、死者を生還させてるもの。割とどれでも使って来たけれどあきらかに四肢が欠損している人に使ってはいけないことは判る。第2段階までのフィールに留める。
救急外来の治療が順調に周り始めた頃致命的な問題が起こった。製薬会社の薬が届かないのだ。道路が整備させていない。販売店の在庫がなくなれば販売は出来なくなる。
製薬会社から薬が届かない。致命的な問題だ。