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場所は?

「昨日の飯屋も美味かったし、またあそこに行くのか?」


「そんなわけないでしょ。私たちがずっと同じところに言ってるような感じに見える? これでも食通なのよ。この町のお店は網羅しようと思ってるくらいなんだから」


「そうなのか……太らないように頑張れよ。まぁ、今のところは問題なさそうだし、大丈夫か」


「セクハラよ!! テンジがセクハラ発言したわ。女の子に対して太るなんて絶対に行っちゃだめよ。私だって冒険者としてクエストをこなすことでカロリーを消費してるんだから。確かに、それが無かったら太っちゃうかもしれないけど、私は大丈夫なのよ」


 レミアもテリーヌもセラも全員スタイルいいからな。

 スタイルがいいというのはセラのような体系をさすのかもしれないが……テリーヌは幼児体系の方が近いかもしれない。絶対本人に向かってこんなこと言えないけどな。レミアとセラは同性からの人気もありそうだ。特にセラなんかファンクラブとかあってもおかしくないんじゃないか?


「レミアちゃんはいつも気を使ってるんだよ。私みたいにいくら食べても太らないわけじゃないから気を付けてるんだよ。ほんとは、レミアちゃんだってもっと食べたいのに我慢してるんだから」


「余計なこと言わなくていいのよ。さらっと、自分はやせてるアピールもして、抜け目ないわね」


「三人のことを太ってるだなんて思ったことないって。ただ、心配して言っただけだ。ほんとに、何の気なしに出ちゃった言葉だから気にしないでくれ。それで? 今日はどこに飯をくいに行くんだ?」


 このまま話をしていても俺としては気まずい話でしかないからな。早めに切り上げて、次の話題に進んだほうが身のためだ。俺としても、早く飯を食いたいからな。金貨を5枚も貰ったし、かなり豪勢な飯を食えるんじゃないだろうか? でも、飯だけに金を使うわけにもいかないか。パーティのために使っていいとか言っておいて、その日の飯で全部使い切るのは流石になしだよな。


「今日は祝勝会とテンジの歓迎会を兼ねるって言ったでしょ。そんなのもちろん酒場しかないじゃない。今日は飲むわよ」


「ええ!? レミアちゃんはやめといて方がいいよ。またほかの人に迷惑かけるんだからね。この前のことも全然覚えてないんでしょ?」


「覚えてるわよ。ちょっとテリーヌとセラに抱き着いただけじゃない。いつもの事でしょ。別にお酒が入ったからって言うわけじゃないんだから。関係ないわ。それに、私あれくらいじゃ酔わないわよ」


「絶対酔ってたけどね。もうぉ、セラちゃんも何とか言ってあげてよ。このままじゃまたレミアちゃんの面倒を見ることになっちゃうよ。それか、もういっそ私たちもいっぱい飲んじゃう?」


「私たちも気にせず飲もうじゃないか。今日はテンジもいるのだからね。何かあってもテンジがどうにかしてくれるさ」


 あまりにも他人任せ過ぎるんだが……俺を便利屋とでも思っているのか? それとも、これは信頼の証だったりするのか? どちらにせよ、このまま行ったら酒を飲むことは確定しそうだな。レミアも年齢は俺と同じくらいだって言ってたし、この世界だと飲酒に年齢制限はないのかもな。あっても、もう飲める年齢を超えているということだろう。

 酔っぱらったレミアを見てみたいという男として絶対に我慢することのできない欲求はあるものの、後をすべてまかされるというのは面倒ではある。でも、よく考えるんだ、こんな美少女たちとお酒を飲もうと思ったら一般人はいくら金を積まないといけないのかわからないんだ。俺はそれをただで楽しめるんだぞ? 何を躊躇する必要があるんだよ。しかも、テリーヌとセラの話だとレミアは酔っぱらったら抱き着いてくるんだろう? さりげなく隣に居たら俺にも抱き着いてきてくれるはずだ。間違いない、これは役得だ。


「わかった。俺に任せてくれ。でも、俺も酔っぱらってわけがわからなくなっちまったら助けてくれよ」


「いいわよ。私たちが責任を持って最後まで面倒を見てあげるわ」


「なんだか、今のレミアちゃんいやらしい感じがしたんだけど……テンジさんをこの機会に落とそうなんて考えてないよね?」


「どうして私がテンジを落とそうなんてするのよ。意味がわからないわ。これから、同じパーティのメンバーとして活動するのよ。これから先のことに差支えるようなことするわけないじゃない」


「信じるよ。だったら、私がテンジさんの横に座るからね。昨日はレミアちゃんが横に座ってたからもちろんいいよね?」


「どうしたのよテリーヌ。あれだけ男は無理だって話してたじゃない。命を助けられてテンジに惚れちゃったの?」


 テリーヌが優しくなったのは正直滅茶苦茶ありがたいんだが、確かにちょっと態度が急変しすぎな気はするよな。レミアも俺と同じことを考えていたみたいだな。

 俺としては、テリーヌみたいな可愛い子が好きだって言ってくれるんだったらいつでもウェルカムではあるけどな。俺のモテモテ異世界生活の幕開けだぜ。


「話が飛躍しすぎだよ。まだそこまではないかな。でも、不思議だよね。男なのに、もうテンジさんは全然嫌じゃないよ。だから、隣に座ってもいいよね?」


「え、ええ。わかったわ。でも、ほんとにダメよ?」


「やめろって俺まで恥ずかしくなるじゃないか。そんな突拍子もないことあるわけないだろ」


 俺もなんだか気恥ずかしくなって口を挟んでしまった。

 まだそう言うのは早いって……。

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