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ギルドへ

「行くわよ。まずは、ギルドマスターに直接文句を言ってやらないと気が収まらないわ。おかげで私たちは死にかけたんだから。どういうことか納得のいく説明をしてもらおうじゃないの」


「クエストは冒険者ギルドが出してるんだもんな。なんで、EランクのクエストにSランクのゴブリンロードがいたのかきくってわけだな。確かに、どうしてこんなことが起きたのか俺もよくわからないしな。説明は聞いておくべきか」


「そうだよ。こんなことが起きるようじゃ冒険者ギルドとしてもクエストを張り出せないからね」


 ゴブリンロードが出てくるEランククエストなんて正気の沙汰じゃないからな。間違いなく俺以外のEランクパーティがクエストに言っていたら全滅していたことだろう。どう頑張っても勝てるはずがないもんな。何年後とかなら、もしかしたら可能性はあるのかもしれないが、Eランクの実力じゃあいつは厳しいだろう。

 そもそも、Sランクモンスターだし、こっち側もSランク冒険者を用意しなくちゃ分が悪いよな。


「これもあの列に並ばないといけないのか?」


「そればっかりは仕方ないわ。私としても無視して横から入りたいところだけどそういうわけにはいかないのよ。よっぽどの緊急事態だったら構わないって話だけど、ゴブリンロードはテンジが倒しちゃってるしね。取り立てて急ぐ必要はないわ」


「またこの列に並ばなくちゃいけないのか。今回は俺も一緒に並んだほうがいいよな?」


「当たり前でしょ。テンジの冒険者カードを見せなくちゃゴブリンロードを倒した証明ができないもの。それに、直接戦ったのはテンジだけだし、ギルドマスターと話をするのはテンジがいいわ。私が変わりに話すのもおかしな感じでしょ?」


「面倒だな。もう、レミアが俺の代わりに倒したことにしておいてくれよ。ほら、冒険者カード渡しとくからさ。これでゴブリンロードを倒したことを証明できるだろ?」


 人に説明するのって苦手なんだよな。自分の中では理解できていることでも他人に伝えるとなれば言葉にするのが難しかったりするんだよ。特に、俺なんか口下手だからな。ギルドマスターから質問攻めにされた日にはしびれを切らして暴れちまうかもしれない。

 こう言うのはパーティのリーダーであるレミアが請け負うべき事だろう。俺は一戦闘員でしかないからな。報酬はもちろんいただくが、面倒なことは勘弁願いたい。


「何言ってるの? テンジさんがいかなくちゃダメだよ。私たちがゴブリンロードを倒せるわけないんだから。それに、冒険者カードをレミアちゃんに渡したところで名前が書かれてるんだからすぐわかるんだからね」


「テリーヌ、流石にテンジも本気で言ってるわけじゃないわよ。どう考えても無理な話でしょ」


「俺は本気だぞ。だって面倒だろ。俺は冒険者として稼げればそれで問題ないんだ。ほかのことに首をツッコむ必要なんてないんだよ」


「正気なの? テンジはSランクモンスターのゴブリンロードを単独で討伐したのよ? ギルドマスターからいずれ、この町の冒険者……いえ、国中の冒険者に伝わっていくはずよ。もちろん、有名人になるでしょうね。もしかしたら、いきなりSランク冒険者になんて話もあるかもしれないわ」


「ほんとか? でも、Sランク冒険者か。俺だけSランクになったところで行けるクエストはDランクまでだろ? それなら、別に今すぐランクを上げるのって無意味だろ。俺はこのパーティに入るって決めてるんだからな」


「テンジの気持ちは凄い嬉しいのだけど、ギルドマスターがなんて言うかなのよね。冷静に考えてみればテンジを私たちのパーティに入れるのって冒険者ギルドからしたらデメリットしかないから」


 実力はかけ離れているよな。でも、それはどのパーティに入っても同じことだろうし、それなら俺は自分の入りたいパーティに入りたい。冒険者ギルドから何か文句を言われようがしったこっちゃないな。

 俺の行動は俺自身が決める。何といわれようが、このパーティ以外の選択肢はないな。だって、こんな可愛い女の子とパーティを組めるなんて他じゃあり得ないだろ。万が一にも、Sランクパーティで三人クラスの美少女がそろったパーティがあるんだったら心がわりしないとは言い切れないが、そんな可能性皆無だろ。


「冒険者ギルドからそんな指示をされる筋合いはないって。俺が入るって決めたパーティに入るんだよ」


「テンジさん流石だね。それでこそ私たちのパーティメンバーだよ」


「ありがとうテンジ。私もテンジがここまで強いとは思ってなかったからあんなに勧誘しちゃったけど。もちろん、今でも大歓迎よ。こんな大型新人を獲得できるなんてね。私たちはとってもラッキーだわ」


「これからもよろしくテンジ。私たちも少しでも追いつけるように頑張るさ。もう今回のような失態は演じないからね」


「気絶してたもんな。正直、かなり意外だったよ。冷静に対処できるタイプだと思ってからな」


「その話はやめてくれないかい。私だって、まだEランク冒険者なんだ。あんな目に合えば無理は無いだろう? 勘弁しておくれよ」


 すごい恥ずかしそうにしているセラが以上に可愛いな。

 これが俗にいうギャップ萌えというやつか。破壊力がすさまじいな。俺はこのパーティに入るよじいさん。

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