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報酬

「あ、お疲れ様ですレミアさん。今日もしっかりクエストクリアですか?」


「もちろんよ。とはいっても、テンジが全部倒しちゃったから私はほとんど何もしてないのだけどね。カミラにも見せてあげたかったわ。正真正銘テンジは期待の新人よ」


「レミアさんがそこまで褒めるということはかなり凄いんですね。テンジさんは一体、どんな戦い方をするんですか? 私にも教えてくださいよ。これでも、ギルドの職員ですから口は硬いですよ」


 別に隠しておく気もまったくないし、俺がひじで戦うのくらい教えても問題ないよな?

 しかし、またカミラの列に並んでいたと思うとものすごい偶然だな。昼間は冒険者登録のほうにいたのに、この混雑する時間帯はこっちに駆り出されてるんだな。やっぱり、冒険者ギルドも人材不足なのかもしれないな。


「俺はただ素手で戦ってるようなもんだな。武器とは使ったこともないし」


「素手で強いって言うのはコスパがいいですね。そもそも、武器代がかからないって言うのは冒険者歳て活動していくうえでもかなり有利ですよ。高ランクの冒険者の方が使っている武器なんてあり得ない値段するんですから。テンジさんが値段見たら絶対ぶっ飛びますよ」


「そんなに高いのか? でもしょうがないよな。戦うモンスターに合わせて武器は調達しないといけないだろうし、敵が強くなれば必然的にこっちだって強くならなくちゃいけないんだもんな。まぁ、俺はその金がかからないってだけでかなり有利なのかもしれないな」


 しっかし、素手で戦うことにこんなメリットがあったとは、俺も気が付かなかったな。

 でも、防具には金がかかるし……いやそれでもかかる金額が半分くらいにはなるんだろうな。武器買わなくてもいいのはすさまじいアドバンテージだな。こういう駆け出しの時にも俺は素手でずっと戦えるわけだし、武器なんていくら高いものを買おうが消耗品みたいなもんだろうしな。マジで俺は最強だな。そこまでじいさんが考えてくれていたのかはよくわからないが、きっと考えてくれていたんだろう。そう信じていたほうがいい。


「レミアさんももしかしてテンジさんのポテンシャルを見抜いて声をかけたんですか? そんなに褒めてるってことはパーティーに誘うつもりですよね? 前衛の方が欲しいって言ってましたから」


「そんなわけないでしょ。声をかけたのは単に困ってそうだったからよ。私に人を見ただけで強さがわかる力なんてないわよ。そんなものがあったら、とっくにパーティーメンバーの最後の一人を見つけてるわ」


「それもそうですね。でもようやく見つかって良かったです。えーと、二人にはこのことは話してあるんですか?」


「まだよ。今日帰ってから話すつもり。きっとオッケーしてくれるでしょ。なんだかんだ言ってずっと困ってたんだからね」


「テンジさん頑張ってくださいね。レミアさんとの関係は良好みたいですから大丈夫かとは思いますが、二人にも気に入られるように頑張ってください。そうしないと、パーティーに入れてもらえないかもしれませんから」


 気に入られないとダメっていきなりハードルが上がったな。

 初対面の見知らぬ異性をすぐに気に入ってしまうって言うのは少しどうかと思うんだよな。俺が空前絶後の超絶イケメンとかだったら可能性もなくはないが、別にそんなイケメンでもないしな。ここは、言動で紳士アピールをしていくのが妥当だろう。でも、口が美味いほうではないんだよな俺。はぁ、レミアに任せて俺は黙っていようかな。


「私が二人を説得するわよ。こんな逸材ほかにいないのだから。テンジを逃しちゃったら次にいいメンバーが見つかるかわからないって言う話をすれば二人も折れてくれるわよ。後はテンジの実力を見せつけて終り。完璧なプランよ」


 流石はレミアだな。俺の考えていることがまるでわかっているかのような言動だ。俺という逸材は今後現れることはないだろうからな。神様から力を授かった転生者なんて俺以外にいないだろうし、もし次に来るとしても俺が魔王討伐に失敗して死んだ後とかだろう。そう考えると、レミアたちが俺以上のパーティーメンバーを見つけるのは不可能と言って差し支えないな。それくらい俺はすさまじい逸材だ。伸びしろしかない。いや、既にとんでもなく強いのはわかってるんだが、ここにレベルアップという異世界ならではの概念がついてくるからな。俺の身体能力は強化されていくだろうし、神様の力も強化されていくことだろう。やばいな、俺がレベルカンストしたりしたときにはどれほどの強さになっているのか想像すらできない。これだけは確実に言えるんだが、間違いなく人類最強になっているな。魔王も討伐しちまうかもしれない。いや、レベルカンストなんだし、討伐できるべきではあるな。これで勝てなかったら誰が魔王に勝てるんだよって話になってくる。現状、魔王が何も動きを見せてないのが心理的には凄い楽なんだよな。焦る必要がないってのは心の余裕が生まれてすごくいい。


「レミアさんが一応リーダーですからね。リーダーがそう言うんだったら二人も話を聞いてくれるんじゃないですか? 機会があれば私からもテンジさんはいい人ですよと伝えておきますね」


「ありがとうカミラ。これで、少しは二人もテンジのことを警戒しないでくれると思うわ」


「おっと、話し込んでしまいましたね。こちらが今回の報酬の銀貨4枚です。お疲れさまでした」


 無事に報酬を受け取ることができた。

 まだまだ問題はあるけど、頑張っていくか。

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