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78話 超新星作戦

「!?どういう事?」


イレーネが言う。

ナスカンとサインの作戦はこうだった。


最初、サインとナスカンの連合軍が敵兵としばらく普通に戦う。


これは次の攻撃への時間稼ぎの意味と、俺たちに敵兵の力量を把握してもらう事の2つの意味があった。


だから、この作戦にはナスカンの中でも指折りの戦士が多く配属された。


そして、その間にβさんにカタストロフィのためのエネルギーを溜めてもらう。


それが完了すると、俺たちはその射程範囲内から離れ、βさんに一発ぶち込んでもらう。


本来ならこれで敵兵の3分の1を死滅させ、混乱している所を、この次の本命が叩く…というのを想定していたんだが…


しかし、ここで予想外の事が起きた。


そう、テオの出現である。


いや、テオの出現自体は、まだ予測できた事ではあった。


本当に予想外だったのは、それに対してβさんが単身で突っ込でいった事。


これのせいで最後の攻撃の実行が遅れ、結果俺が使わされる事になってしまった。


結局βとテオが相打ちになったようだったからな、


俺は命令に従い、超越光速でβの真ん前まで移動した。


その時、目の前にかなり弱ったテオが見えたから、あわよくばこのまま倒そうとしたが、それは俺の独断だ。


すぐに次の命令が下り、超越光速を使ってβを戦場から早急に避難、


その後、同じように全戦士を戦場から連れて避難させろという指示だった。


いや、それがどんだけ疲れると思ってんだよ。


確かに俺のスキルならそれは可能だし、俺しかそれはできないっていうのも事実だ。


戦士全員をこの場から離れさせるにはこれしかないって事も…


仕方なく俺は、テオへの攻撃を中断し、超越光速を使ってβを軍幕へと避難させた。


その後、これを繰り返して一人一人軍幕へと避難させる事に成功した。


全てを終えた俺も、軍幕に移動して、その場に静止した。


「はぁ…はぁ…はぁ…」


ヤバい、俺の体はかつてないほどの疲労を感じていた。


今にも死んで、魂が体から抜き取れてしまいそうなほど…


「よくやってくれました!アレス殿」


隊長が俺を賞賛してくれている。


「アイラは…」


「はい、アイラさんも既にアビリティ発動の為戦場に飛行していきました」


そうか…ならとりあえず安心か。


俺の苦行が無駄に終わることはなさそうだ。


作戦が変わっていないなら、この後アイラが戦場のど真ん中に飛び立ち、そこからビックバン・ボムという意味がわからないくらい高威力の爆発を放つアビリティを使う。


それを使ってなるべく多く敵兵を倒して、アイラという存在をフレミングに示しつける作戦らしい。


その余りの爆発の威力から、アイラが前世で確認されていた現象に準えて、[超新星作戦]と命名された。


けどまぁ、ここからは俺の後の話だ…


「隊長…申し訳ありません、限界です…」


俺は疲弊した体に耐えきれず、音を上げて地面に倒れた。


そしてそのまま気を失う。


「!!大丈夫ですか!?」


「え!?アレス!?」


隊長やエルナが心配してくれている声が、うっすらとだけ聞こえた、まだ微かに意識がある…


けどすぐに聞こえなくなった、意識が完全に途切れてきているんだろう。


そりゃあ、あんな大規模に超越光速使ったら、普通なるんだよ…


誰も文句言うなよ、正直、次目が覚めた時、そこがこの世界かどうかがわからないからな…


まぁ、それで異世界転生に成功したら、一番良いんだけどな。


カクン


俺の意識が完全に途切れた。


最後の最後に俺の鼻から香りついたのは、ビックバン・ボムに蒸発され、跡形もなく死に絶えた、フレミング兵達の乾き切った血の匂いだった。

この作戦によってどうなったのかが、次回語られます。


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