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6話 少女無双

「国王、由々しきであります」

大臣が冷静に事態を報告する


その頃、宮殿内の、国王のいる玉座の間にも、ロックドラゴンが街の中に侵入した事が報告されていた


「ドラゴンか…すぐにノアを向かわせろ!早急に撃退する!」国王が大臣に命令する

「しかしそれが…少々厄介な事に…」大臣が少し困惑しているように反論している


「なにが厄介だというのだ?」

「そのドラゴンの目の前に、出身の分からない女性が立ちはだかっているというのです、その者が、ドラゴンを倒すと」


だがこれに王は躊躇いもなく「だからどうした、いずれにせよノアは向かわせろ、その女の動向も探るのだ、そ奴が()()となる可能性も最悪考慮せねばならんしな」と言い切った


「かしこまりました」大臣は突然、この指示に従う


同時に、この騒ぎはなんなのかと確かめようとする住民達が、北門の方へ集まってきていた



なにを言ってるんだ…あの()は…


あれが大した事ないだと…?そんなわけ…ないだろ…


視界もだんだんぼやけてるし…さっきのも…聞き間違い…なんだろう…


実際、ロックドラゴンが岩石を放って反撃に出てきた


けどあの少女はそれを、手から火炎を発射して、岩石を焦げた灰のように崩れさせた…今度ははっきりとそう見えた


これに苛立ったのか、ロックドラゴンが少女に低空飛行して迫っていって、その爪で少女を切り裂いた


その瞬間、少女の姿は、()()()()跡形もなく消え去った


「あれ?どこに消えたの!?」エルナが慌てて探してる


「こっちよ!」突然、空から少女の声が聞こえた


この一瞬で、空から20メートル上空に飛行した…のか?


ロックドラゴンが追撃に翼から石を飛ばすが、これも、彼女の身体が砂のようにすり抜け、一切ダメージを通さなかった


「無駄無駄、そんなんじゃ意味ないわよ、私は[サンドシチュエーション]っていう自分の身体を砂に変化させるアビリティを持ってるのよ?そんなんじゃ攻撃すり抜けてダメージなんて与えらんないわよ」

若干煽り気味にそういった


その時、突然ロックドラゴンのあちこちが丸く星形に光ったと思うと、その直後にその部分が爆発して岩の鎧が破壊された


「なんだ!?今なにをした!?」マウロもやはり動揺を隠せていない、彼女がなにかしたような気配はなかった…一体なにをしたんだ


「ドラゴンさん、今のは[スターボム]っていって、私が5秒見つめたところを予告なしに爆発できるアビリティだから、今後は注意してね♪」


意気揚々と、さも出来て当然のように規格外なアビリティの効果を自ら説明している彼女の姿は、俺には恐怖を通り越して狂気すらも感じられた


ロックドラゴンはあちこち鎧を破壊され、所々に出血を負いながらも、執拗に彼女へと突っ込んでいく

奴も…怖いのか?あの娘が…


この世のあらゆる法則を無視して生まれたかのような力を持つ彼女のことが…怖いのか


「まだ抵抗してくるか〜、もう少し遊んであげてもいいんだけど…まぁいいわ、終わりにしてあげる!」


ロックドラゴンは彼女を飲み込もうと噛みついたが、彼女はそれと同時にバラバラに崩れ消えたように消えた


さっきと同じだ

さっき本人が説明していた通りなら、身体を砂に変えてバラバラに飛び散らせて、攻撃を無効化した事になるけど、その割には中々あの()が出てこない


どこに消えたと思っていたら突然ロックドラゴンの身体が中から物体が飛び出したように破裂した


「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」


奴は激しく出血し、そのダメージから地上に墜落して倒れ込ん…だ


空中には、砂が元の形に集合するように集まって、そのままあの()の体になっていった


「どう?意味あった?身体を全て砂に変化させて貴方の身体の中に侵入し、その中で体を元に戻す事によって中から貴方を攻撃して破裂させたわけだけど…」


少女はゆっくりと地上に着地して、ロックドラゴンの方を見つめる


ロックドラゴンは身体から血が滝のように流れ出ているのにも関わらず立ち上がって、彼女を睨み続けている


「これで死なないのね、流石にしぶといか〜」


ロックドラゴンは魔力の霧を放出して、少女に恐らく最後の悪あがきをしてきた。

だがこれすらも、少女は前方にバリアを展開して完全に防いだ


この攻撃で力付きたのか、ロックドラゴンは小さな叫び声を上げて、そのまま地面に倒れて動かなくなった


「オッケー、これで終わったかな」


「………倒した…のか…?」マイロが少女に恐る恐る質問する


「えぇ、終わったわよ」少女は笑顔でそう答えた


2人とも、声を上げて歓喜した、騒ぎをみようと集まってきた人たちは、全員口を揃えて彼女の事を英雄と呼んでいる


この国は、救われたんだろうな


まぁ、これはこれでいいだろう。

これで俺も、ようやく死ねる


両者が戦っていた間にも、俺の出血は当然止まることはなかった


内臓が溶けていっていくのが感覚で分かる


俺はもう…助からない…


これでようやく、俺は死ねる


「アレス!」「アレス!」2人とも、最後まで俺の死を嘆いてくれている


ありがとう、最期に誰かに看取られたもらってるなんて、俺はきっと幸せなんだろう

ありがとう………………


「ちょっと見せてね」そういって少女が、ゆっくりと、俺たちの方に近づいてきて、俺の腹に突き刺さった岩石を無理矢理引っこ抜いてみせた


あいおい勘弁してくれ、俺は静かに死にたいんだ


少女は貫通していた俺の傷口にそっと手を置いて、魔力を当て始める


俺は最初なにが始まるのかと身構えたが、予想外の事が起こった


彼女が手を置いた傷口が、みるみる内に回復していったんだ


切断されていた血管も蘇生され、出血も止まっていった


一言でいうならば、怪我する前の状態に戻った…といった感じだった


俺はすぐにすんなりと起き上がれ、当たり前のように、普通に問題なく呼吸ができた

後遺症のようなのもおそらくない


「アレス?治ったの?治ったのね!?」

エルナが溢れ出るように涙を流して、俺の名前を呼びながら飛びついてきた、よかったと、何度も小声で呟いている


「なぁ…あんたは一体、何者なんだ…?」

マウロが、息を呑みながら質問した、気になって仕方がないのだ


「私?私の名前は…()()()、肩書きとかは〜う〜んそうね、強いて言うなら…()()()、かな?」

圧倒的チート無双っすね、評価・ブクマよろしくお願いします!

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