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51話 アイラ無双

「まずは1体」


ケインを使って、通気口の中に潜伏していた悪魔をひとまず倒した


空気が一瞬静まり帰った、さて次にどちらを狙うべきか…


それを考えていた時、女の子の悪魔が私に斧を向けてきた


「よくもオリバーさんも…お前ぇぇぇぇぇぇぇ」


そのまま、凄まじい剣幕で私に突っ込んできた


だがアイラはそれをあっさりと受け流すと、そのまま跳ね上がり、空中で剣を生成してソンへと向かっていった


「!!!ソン様!!!」


オリビアは急いでアイラを追いかけたが、間に合いそうにない


(あの女の子の魔力は、通気口に隠れていたのと同程度、けどあのお坊さんは違う。他より僅かに魔力が多い上に、たぶん一時的なものなのでしょうけど魔力がかなり増大されてる、あれ以上増幅できるのかしら?だとしたら放置すれば四天王レベルにも化けかねない…つまり)


「どう考えても真っ先に倒すのは貴方!!!」


私は一気にお坊さんへと距離を詰めていった


「…そう簡単に近づけはさせんよ、虚構手腕群衆断」


ソンは無数の紫色の腕でアイラを妨害しようとした、だがその全てを難なくかわされ、ソンの間合いへと迫られる


(おっけ、これで2体目)


アイラは勝ちを確信し、ソンの首元へ剣を振った瞬間、見えない壁に攻撃を阻まれた


後ろには、無数の手とオリビアが迫ってきている


(なるほど、バリア。それなら…アビリティ、[サンダーブレード])


バリアを押し込む剣先に電流が流れていき、そのままバリアを破壊した


パリーンという乾いた音が響き渡った


それと同時に、全身が水のように青い、奇抜な服を着た男性のような存在が、「アハっ!」と言いながら目の前に現れた


「邪魔」


流れるように火炎放射でその魔人を倒した


「アヒャーーーーーーー」という断末魔と共に魔人が消え去る


「な……」


ソンはあまりの速さでそれを行われたためにそれに対応できず、気づいたら頃には既にアイラはソンの首元に到達し、剣を振り翳していた


「(不味い…)影」


ソンは最期にそう言って両手を叩いた後、アイラに首を切り飛ばされた


「2体目」


ソンの首が地面を弾む


これで、残りはあと1体か


その時、アイラの身体が僅かに輝き出した


そして、アイラの脳内に、〔レベルが89になりました。新たにアビリティ、リモートコントロールを覚えます〕という音が響いたが、アレス達には聞こえていない


アイラはオリビアの方を見た


オリビアはソンの死体をじっと見つめて、ただ立ち尽くしている


「………許せない」


オリビアは静かにそう呟いた


「バイア君にオリバーさん、ソン様まで……お前ら、絶対に許さない………!!!!!!!」


オリビアの周りの空気が沸騰したように熱くなり、この部屋を包んだ


オリビアは獣のように荒々しく息を吐き、舌を出しながら前傾姿勢でアイラを睨みつけた


(あれは…[暴走]…かしら?自らの知性を引き換えに、戦闘能力を一時的に数倍膨れ上がらせる、言ってしまえばよくあるアビリティ。ただ副作用なのかは知らないけど、発動中痛覚が消えるらしいから、回復能力を持つ悪魔とかなり相性がいいというのは聞いた事あるけど…)


だがその時、同じタイミングで首のなくなったソンの死体から、黒い液体が垂れ流れてきて、その中から人型の黒い何かが数体湧き出てきた


「!?なにあれ…」


エルナがそれに反応した


(これは…あのお坊さん、殺す寸前に何かしていたけど、そのアビリティかしら?まさか自分が死んだ後にも発動するアビリティなんて…)


「アレス君!それと…」


「あ、エルナです!」


「エルナちゃんね、さっき私が全部やるみたいに言っちゃた手前悪いけど、こいつらは貴方達で倒してくれる?私はこの娘をなんとかするから」


アイラとオリビアが、互いに武器を構えて睨み合った


「わ…わかりました。アレス!」


アレスはノア様が殺されたショックでまだ立ち尽くしていたが、今のエルナの呼びかけでようやく体を動かした


「あ…あぁ、こいつら…倒すぞ」


アレスも、剣を構える


「ぐるあああああああああああ」


オリビアがもの凄い勢いでアイラに突っ込んでいき、斧で重くのしかかった


その衝撃で、アイラは部屋の奥の壁を突き抜けるほど押し倒されていった


「!アイラさん!」


「大丈夫!気にしないで!」


アイラはそんな状況でも、エルナに心配の必要はないと余裕な姿を見せた


「俺たちは、こいつらをなんとかしないと」


黒い人型達が両手を伸ばして不器用に歩きながら、ゆっくりアレス達に迫ってきている


「そ、そうね」


2人は互いに手に持つ武器で、黒い人型達を薙ぎ倒していった


だが、どれだけ倒しても一向に消える気配がない


「こいつら、数多くない!?」


「ソンの死体から、コイツらが増え続けてるんだ、未だに」


アレスにそう言われて見てみると、ソンの首元から垂れ流れた液体から、黒い人型達が無数に湧き出てきていた


それもだんだん増殖ペースが早くなってきており、人型の数はいつの間にか数十という数に達していた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いくつも壁を破壊して、建物の外まで来た時点でアイラが踏み止まった


外はすっかり夜になっており、奥に佇む池が月の光を美しく反射している


「確かに凄い力だけど、所詮は幹部がアビリティで引き出せる範疇、この程度ね」


アイラはそう言ってオリビアの斧を弾き、そのまま彼女の顔面を切り裂いた


オリビアは顔から大量に血を流しながら、池の側まで吹き飛ばされた


「ねぇ、貴方も悪魔なら知ってるでしょ?四天王ヴァンパイアの突然の死、たぶんそんな感じで貴方達にも伝わってると思うんだけど、それ、殺ったの私()()だから。四天王を殺した私に、幹部の貴方が何をしても勝てるわけないでしょ、それなのにわざわざおじいちゃんを殺して…貴方死にたいの?あ、理性消してるから聞こえないか」


「………いや、さっきの攻撃の再生に体力が使われすぎて、今ほんの僅かだけど意識が戻っている…」


ゆっくりと、体を持ち上げながらオリビアはいった


「それに加えて、今私は暴走の影響で痛覚がない、そして目の前には、鏡のように反射する池がある…この意味、わかる?」


アイラは少し考えた後「まさか!」と何か気がついたように叫んだ


「お前らこそ、よくも3人を…私の大切な皆んなを、殺してくれたな…」


オリビアは池に身体を寄せ、そこに反射した自分の顔をみた


「スキル暗示!私の限界を突破させろ!!!己の限界を遥かに超えた力!!!魔力すらも超越した力を私に与えろ!!!!!!!!」


オリビアは、そう、自分自身に暗示をかけた


「う、あああああああああああああああああ」


オリビアは痛覚がないにも関わらず、しばらく悶え、苦しんだ後、突然何事もなかったようにそっと立ち上がった


そして、光を失った瞳で、不気味にアイラを見つめた

影に加えてオリビアのこれ…面倒くさい感じになってきましたね…


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