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44話 国運天秤裁判第二審 2

「いえ、それは違います!」


ネルガルが放った反論が、法廷中に木霊した


「どういう意味ですか?ロックドラゴンを召喚したのは悪魔だという事は、今見せたものにより証明されたはずです」


「確かに、先ほどのカプセルの反応は、凶暴化したモンスターに見られる魔力は悪魔のものであると物語っているといえます。しかしそれは…第一審で見せた被疑者の魔力が、本当に()()()カプセルに反応するように変化させた魔力であった場合の話だ」


カウンターを喰らわせるように反論をしてきた


「なにを言っているんですか!?被疑者の魔力での反応は、明らかに同質の魔力による反応ではありませんでした、それに、一審前の時点できちんとどの程度反応するかは確認したのでしょう!?」


「完全に同質の魔力にはより強く反応すると言っても、放出の加減次第では正しく反応しない場合もあります。一審当日、被疑者は放出する魔力を()()していた、事実放った瞬間に屋根が崩れかけて、みしみしという音が聞こえた。被疑者はそれ以上強く放出して法廷が崩れるのを防ぐために()()を…」


ルキナさんは、今の()()()()という発言を見逃さなかった


「いいえ!それは違います!」


逆にカウンターを返すように、ルキナさんは言い放った


「裁判長!前回の第一審の裁判記録を見させていただけますか?」


「………うむ、良いだろう…」


ルキナさんは裁判長から、第一審で起こった事が事細かに紙に記録された、裁判記録を受け取り、それを入念に確認した


「やはり、間違いありません!こちらを見て下さい」


ルキナさんはネルガルと、結果としてこの場にいる者全員に、該当の箇所を見せつけた


そこにはハッキリと、私が全ての魔力を今から放出しますと発言したと記録されていた


「っっっっっっっっ!!!!!!!!!」


「つまり!被疑者はあの時、全力で魔力を放って、カプセルはそれに反応した、それがあの反応だったというわけです!しかしそれでも、先ほどの悪魔の魔力を使った際の反応には及んでいない…これらの事実から、ロックドラゴンを召喚したのは被疑者ではなく、この悪魔であると主張できます!!!」


「っっっっっっっ」


言葉が弾丸のように、ネルガルを撃ち抜いた


「ちょっと待って!!じゃあビザの方はどうなんのよーーー」


また、傍聴席からエルがでしゃばってきた


「ひぎしゃの主張していたクライム元総理が書いたビザの時期が違うかったでしょ!それはどうなの!!!」


「静かに」


「いえ、確かにその通りです。それは、どうなのですか!」


ネルガルが便乗して反論してきた


「……確かに、被疑者がビザが書かれた時期を偽っていたのは紛れもない事実です…しかし、このビザが誰が書いたのかについては、既に判明しております」


この一言に、またも法廷中がざわつく、今日何度目だろう


ルキナさんはビザを片手に持ちながら弁論を続ける


「このビザについてですが…」


ルキナさんは、よくわからない一枚の紙を取り出した


「こちらは、クレイム元総理の執筆記録です」


だが、これにネルガルが異を唱えたようだ


「待って下さい、クレイム元総理の執筆記録は、国家資料室のどこを探しても見つかりませんでした!どこで見つけたというんです!?」


「いえ、普通に見つかりましたよ」


これ以上ない最高の返しをした、あれが恐らくノア様の言っていた宝物庫で見つけた執筆記録だろう


「そして、執筆鑑定の結果、この紙に書かれている文字とこのビザに書かれている文字は同一人物によって書かれたものであると鑑定されました」


「つまり…それは」


ネルガルがゴクリと息を呑んだ


「はい、このビザは、間違いなくクレイム元総理が書いたものであるという事です」

次回はアレス視点再開。評価・ブクマ、よろしくお願いします!

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