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15話 封印

「それで、どうするの?私はなにをすればいいの?!」


エルナが急かすように聞いてくる


「奴が今、どっちを優先してるのかを知りたい、俺たちか、それとも…奴が投げ捨てて地面に突き刺さってる、あの剣かを。もしそれが後者なら、ワンチャン勝てる」


「え!そうなの!?そんな作戦思いつくなんて流石アレス!よし!!!で?結局私なにすればいいの?」


「とりあえず普通に俺と戦ってほしい、絶対に剣を奪わせるな」


「おっけー!!!任せて!」


エルナは声高らかに張り切りながら2丁の銃を取り出してケンタウロスを撃った、だが、ケンタウロスは弧を描くように大きく動き回ってそれを避けた


俺はケンタウロスに向かって真っ直ぐ突っ込み、跳ね上がって切り掛かったが、奴は左腕だけで剣を受け止めた


そのまま腕を薙ぎ払って俺を落とそうとしたがその前に地面に着地し、即座に超越光速で奴の頭上に移動して斬り伏せようとした


だがその瞬間に俺の身体全体を流れ込むように激痛が走り、攻撃の手が(とど)まってしまった


動きの止まった俺を殴りかかろうと、ケンタウロスはその左腕を突き出す


「アレス!!!!!!!!!」


アレスが攻撃される前に、絶対に間に合わせるために、エルナは急いで弾丸に魔力をこめ、電気を浴びた弾丸を発射するアビリティ、[ボルトピストル]を発動し、撃ち込んだ


間一髪間に合い、ケンタウロスの体が一瞬だけ痙攣して攻撃の手が止まった


アレスは地面に落下して、その場を動けなくなった


ケンタウロスはこの攻撃は誰がしたのかと辺りを見まわし、エルナを強く睨みつけた……………にもかかわらずケンタウロスはエルナなど眼中にないかのように、左手を突き出しながら駆け出し、大剣の方へと手を伸ばす


それで俺は…()()した…!


俺は超越光速で一瞬で奴の前左足を切り落とした


ケンタウロスは冷静に残りの足を使って大きく後ろ側に飛び上がって後退した


「アレス!!!」エルナがアレスの方へ駆け寄っていく


「ゴホォ!ゴホォ!」俺は突然、激しくその場で吐血した、黒ずんだ血が、辺りに跳ねるように吹き飛ぶ


原因は分かってる、超越光速の使いすぎだ


「アレス…もうこれ以上は無理よ、スキルは使わない方が…」


「多少無理しないと絶対勝てない!死ぬよりはマシだろ…」


心配してくれるエルナの声を遮ってまで口から出たのは、()()()()()()()…なぜあんな事を言った


それほどまでに、自分の主張を押し付けたいか、いや、今そんな事をモタモタ考えている場合ではない


「さっきので確信した、奴は今、剣の方を優先させている、余程の事をしない限り、奴は今俺たちなんて眼中にない、剣を手に取るまではな…だったら勝機はある、エルナ!俺が隙を作るから、その隙を最大限活用して奴を封印してくれ、ただし絶対に1回でだ、まず間違いなく、巡ってくるチャンスは一度だけだ」


明らかな無茶振りをしている事はわかってる、けど、これしか勝つ方法はない


「わかった、絶対成功するよ、私…」


エルナは右腕を握り締め、覚悟を決めたような表情でケンタウロスを見ながらそう言った


本当にすまない、俺ももう失敗するわけにはいかないな…絶対に!!!


         「超越光速!!!」


俺は超越光速で奴の右眼を切り裂き、それと同時に力尽きて地面に強く激突した


ケンタウロスは大剣の為ならそれすらもどうでもよく思えたのか、俺のことなど無視して真っ直ぐ剣の方へと駆けていった


エルナが銃を構えている


俺はもう…身体がほとんど動かない、けど…ここでくたばるわけにはいかない!!!


俺は残っている力の全てを絞り出し、剣を奴の足元を狙って全力で投げた


ケンタウロスはそれを避けるため真っ直ぐ大きく飛び跳ねた


しかも奴は巧妙な事に、着地した先に大剣があるように飛び跳ねたようだ…


けど、これは最大のチャンスだ!!!


「エルナ!!!今だ!!!奴が着地する前に封印しろ!!!」


喉の全てを懸けて叫んだ、その瞬間、エルナの表情が、凛々しく、引き締まった表情に変わる


        「スキル、封印!!!」


エルナの周りに、4つの魔法陣が出現し、その中からそれぞれ鎖が現れ、それらが全て、ケンタウロスへ勢いよく向かっていった


鎖がケンタウロスの体全体に巻きつかれ、それと同時に奴の体がみるみる石化されていく…けどまだだ


「エルナ!!!!!魔力を練り続けろ!!!もし封印が間に合わず、奴がお前に剣を投げつけたら!お前は死んで、進行中の封印も解除される!!!!!絶対に気を抜いちゃだめだ!!!!!エルナァァァァァァァ!!!!!」


エルナはかつてないほどの集中力を見せていた


恐ろしいほどに冷静に、それでいて確かな危機感すらも武器にしたような鋭いその表情…


それは紛れもなく、戦士の顔だった


ケンタウロスは身体が石化されながらも、着実に大剣へと迫っていく

だが同時に、身体の石化も間違いなく進んでいた


どっちが…早い、頼む…お願いだ



1cm、奴の左手と大剣までの距離、そこに至ると同時に、奴の体の全てが石化され、封印が、完全に完了した

やっと封印されてくれたはほんまw、評価・ブクマ、よろしくお願いします!

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