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105話 文字通りの奇襲

アジエルはその戦士をその場で殺し、教えてもらった方向に進んだ。

「テオさんはどこだー」「探せ!本当にどこにいる!?」


テオが忽然と消えた事で、フレミング帝国の上層部は未曾有の大混乱に陥っていた、そう表現するのが大袈裟でないほど、混乱していたのである。


テオは昨日の朝、戦争の今後についての会議に参加する予定があった。


だが予定されていた時間を過ぎてもテオが現れる事はなく、どうしたのかと1人がテオの自宅を訪ねたのが全ての始まりだった。


それから1日中テオを探しているが、未だに見つかっていない。


「まさか逃亡!?」「いやテオさんに限ってそれはないはずだ!」「じゃあ一体どこに!?」


一応の処置として、多数の軍人や民間人の混乱を避けるため、この事実を政界や軍のごく一握りの人物を除き、知らせはしなかった。


そんな中、この事実を知らされた数少ない戦士、ウイッチもまた、自身のアビリティで、フレミング領土の可能な限りの広範囲を捜索した。


だが、テオの気配は察知できなかった。


「あーもう、なんで見つかんないのよ!マジダルい、ほんと何処いったのアイツ」


ウイッチはテオが突然消えた事に不満を吐きながらも、もう一度テオを探そうとアビリティ、[エネミーサーチ]を使った。


エネミーサーチは一定の範囲内にいるヒトの魔力を探知できるアビリティである。


だがやはり、この範囲内にテオの魔力の反応はなかった。


だが代わりに、ある()()()()を探知できた。


「これ…」


感知したのは、間違いなくサインやナスカンの戦士のものだった。


それも真っ直ぐニアレン森林に向かっている、数は8人ほど、間違いなく以前自分が撃退した戦士の本戦が始まったといったところだろう。


やはり最重要地点を攻め落とそうとしているだけあってか、向かってきている戦士のレベルは平均的にかなり高い。


だがその中に、明らかに1人別格の魔力の反応があった。


βやミア、それにアイラの反応とは恐らく違うもの….だとすればこれは、セルセだ。


βが現れるまではサイン共和国最強だった戦士、今ニアレンを警備している戦士達で勝てる相手ではない。


それはウイッチ自身も例外ではなかった、一対一でやり合うと勝ち目はないだろう。


だがそれでも、テオがいない以上自分が出るしかなかった。


とにかくウイッチはこの事を上層部に伝えると、すぐに出撃命令が下った。


ウイッチはマイロ戦のダメージを口実にしばらく休んで(サボって)いたが、今回ばかりは流石に自分がやらないとと思った。


でないとこのままあの森を落とされかねないならだ、ウイッチは箒に乗り込み、ニアレンへと急いだ。


(ったく、テオがいたらもうちょい楽できたのに、なんでアイツいねぇんだよ!)


心の中でも愚痴を溢しながら、ニアレン森林へ辿り着いた。


見る限り、戦闘はもう既に始まっているようだった。


急がないと、とにかくタナトスを探せ…


その時、突然目の前から両手に剣を構えた女が空を飛んで飛び込んできた。


「!?」


そのまま剣を奮ってきた、ウイッチがそれを躱すと、その女は「見つけた」と言って地面に着地した。


下を見てみると、そこには男2人、さっきの女1人、計3人の戦士がこちらを見て睨んできた。


特に真ん中の男の殺意が尋常じゃない。


「見つけたぞ…ウイッチ、絶対に貴様を倒す…!!!」


ウイッチの前に立ちはだかったのは、ナスカンの戦士、ソラナとクラウド、そしてアレスだ。

遂に相まみえた、アレスとウイッチ…


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