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邪神認定?

俯いていた丸々とした風船のような男が

ゆっくりと丸い顔を上げていく。

遠目にはだるまさんが起き上がって来るように

見えてる感じだと思う。


顔を見てギョッとなった。

タコみたいな赤ら顔の中で、

瞳が赤く光っていた。


サイバーなんとか社が作った

タコ焼き型サイボーグなんだろうか?

あ、冷凍タコ焼き通販でオーダーしておこう。

久しぶりに食べたくなった。

お好み焼きもいいな。

よし、あのオタフクのマークのソースも

買っておこう。


ちょっと小腹が空いていた俺は

食べ物のことしか頭に浮かんでいなかった。

ヘスティア様に冷たい目線で注意を受けた。


 『貴様らは、この聖域の中で

  惰眠を貪れるのだろうが、

  聖域の外のものはどうなるだろうな?


  この国は正教国から異教徒の国、

  邪神を信望する国として認定されたぞ。

  すぐにでも殲滅軍が結成され、

  滅ぼしに来るだろう。


  もとより周辺諸国との流通が途絶えれば

  この国は滅ぶのだろうがな。


  自滅か殲滅か、どちらであろうとも

  この国は終わったな。』


 「邪神の使い風情が囀るな!」


シロミズチ様がかなりご立腹のご様子だ。

いや、ヘスティア様もか。

結界の中からも攻撃できないし、

どうしたものかなと思っていたら、

亜空間収納は繋げられることが分かった。

というか、ヘスティア様が教えてくれた。


これで頭を冷やしてもらおうかな。

 解放


俺がそう念じると、タコ焼き型サイボーグの

丸い頭の上に滝が出現した。

滝行をしている感じで、うわっぷ うわっぷって

両手を広げて暴れている。

見た目に反して水の中で呼吸できないようです。


 「カケル、そろそろ人として溺れ死ぬわよ。」


おっと、危ない。

陸で水死させてしまうところでした。

タコ焼き型サイボーグ男はより丸くなって

水浸しの地面に転がってしまった。


 「ゴフッ ゴフッ!


  あ、あれ?ここは何処なんでしょう?

  冷たい!

  何でびしょ濡れなんでしょう?


  あ、えーっと、えええええっ!!

  も、もしかして女神様ですかっ!?」


そう言うとそのびしょ濡れの男は

膝が汚れることも気にせず、

地面に両膝をついて首を垂れた。


 「あら?正気に戻ったみたいね。

  あー、カケル、

  この男に聖水かけたのかしら?」


 「あ、はい。

  噴水の水を入れ替えたときの水が

  リストの上の方に見えたので

  全部かけちゃいました。」


 「だからよ。

  この男にかけられていた精神制御が

  洗い流されたみたいよ。


  もう害はなさそうだわ。

  中に入れてあげないと

  風邪を引かせてしまうわよ。」


女神様のお墨付きなら安心ですね。

聖域を変形して通れるようにしてあげて、

中に入って貰った。


とても腰の低い神官さんでマルーンさんと

言うそうだ。

見たまんまだと思ったのは内緒。




女神様の神殿の奥の部屋で着替えた

マルーンさんからは色々な話が聞けた。

正教国の方では、かなり以前から妙な噂があった。

それまで見たこともない神を創造神として

祀り出して、奇妙な澱みのある水を聖水として

神官だけでなく、訪れるもの達全てに

飲ませると人が変わってしまうとか。


マルーンさんは元々このハイドランド王国の

商人の家の生まれで、お兄さんが家業を

継いだのを機に、神官を志して

正教国に移り住んだそうだ。

神殿に行ってから今までの記憶が

混沌としているそうだ。



 「やはり洗脳しておるな。

  ヘスティア様、如何されますか?」


 「別に方針は変わらないわよ。

  カケルに制圧してもらうわ。

  周辺国から集められた義勇軍の

  対応だけど、洗脳されているのではなくて

  異教徒の国に認定されるのを恐れて

  協力しているだけの兵なのよ。


  出来るだけ命を奪わずに制圧してあげてね。

  討伐すべき相手を間違えないでね。」


 「分かりましたけど、

  対人戦は自信ないです。

  制圧は無力化する方法を考えてみます。」


 「いや、それならば心配無用。

  我が軍で迎え撃つまで。

  カケル様にご心労おかけするまでもございませぬ。」


 「うむ、我ら鬼人族も全軍で協力させて頂く。」


 「我らエルフ族も」「ドワーフ族も」「獣人族も」


国王陛下の言葉に続けて、各種族の方が協力を

申し出てくれた。

・・・うん、違うんだ。そんなことをしちゃだめなんだ。


 「だめです。

  ここは戦ったりしたらだめです。

  それこそ邪神の思う壺です。


  誰も死なないように解決したいと思います。

  本当なら戦う必要なんてないんです。

  ちょっと俺に時間をください。」


 「そうね、カケルの思うようにしてみなさい。

  貴方の判断は私の判断と同じよ。

  自信と責任をもって行動してね。


  森の精霊様、

  カケルのことをお願いしますわね。」


 「任せるのじゃ。

  女神様を邪神認定するような輩は

  成敗するのじゃ。」


 「いやいや、小、森の精霊様、

  聞いてました?

  兵士達は成敗しちゃダメですから。」


 「峰打ちにして仕留めるのじゃ。

  何千、何万の兵がいようとも

  やり遂げるのじゃ。」


 「いや流石に無理でしょ、向かってくる兵士を

  みんな峰打ちとか。」


峰打ち・・・気絶させるだけの打撃・・・

気絶させるだけ・・・これだっ!!

 ぐぅ〜


言い手を思いついたカケルは、

空腹感も思い出したのであった。




 「そうだ、カケル。

  タコ焼きとかお好み焼きって

  どう言う食べ物なの?

  今度食べる時に呼んでね。

  じゃあ、これで帰るわね。


  シロミズチ、あとは頼んだよ。」


女神ヘスティア様が白い靄を残して消えていった。

聖女様方もみんな頭を下げて見送っていた。



この国の経済対策って何か協力できるかなぁと

空きっ腹でぼんやりと思い始めたカケルであった。

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