この神殿って色々大丈夫だろうか?
俺は今女神様に礼拝している。
神殿の奥の女神像の横に
本物のシロミズチ様も並び立っている。
普通、本物がいることはないので、
周りの皆さんの祈りっぷりはハンパない。
両膝をつけて首を垂れるのが
標準スタイルだそうだけど、
額をつけている人がかなりいる。
ヘスティア様の像へのお祈りの後に
シロミズチ様本人に礼拝する流れが
いつの間にか出来ている。
お美しい、神々しいと称賛される度に
なんだか恥ずかしそうになる女神様の表情に
聖女様方が蕩けていく。
俺は先に礼拝させてもらったので、
この神殿の横に国王陛下が泊まれるような
神殿?を創建する事にした。
うーん、このガルダホルンの街に
和風の建築物は変わっているだろうから、
窓ガラスはカラフルなステンドグラスにして、
床を白塗りのフローリングをイメージして
ここは作ってみたけど、外は違和感あっても
中に入れば分かんないな。
雪が降るらしいし、街と一緒の
とんがり屋根の方がいいかな?
イメージが浮かんできたけど、
これ普通のヨーロッパとかによくある
お城だよな。このデザインでもいいのかな?
このイメージでもよかったら、助かるなぁ、
俺には建築物のセンスなんて何もないよ。
作れますように、と願いながらスキルを使った。
(神殿創建)
最初にこの神殿を作った時より、
強めの圧を感じた。
神殿内の聖女様方も感じたようで、
確認しようと外に出る俺に続いて
ついて来ていた。
「「「「わーーー!!」」」」
大きな声をあげて皆驚いていた。
いや、作った本人が
一番びっくりしてるんだけど。
目の前にはこの神殿の10倍くらいはありそうな
大きなお城にしか見えない建物が建っていた。
?若干デザインが違う気がするけど何処かで
見た気がする・・・。青いとんがり屋根。。
あっ・・いいのかこれ?著作権とか?
あの有名なランドのあのお姫様の
お城に似てるんだけど。
12時に鐘が鳴るお城風の、
いや、お城にしか見えない神殿に
聖女様方が騒いでいる。
横に来た国王陛下も唖然としておられます。
神殿長も固まっておられます。
ザラさんやココ達は、
国王様がお泊りになられるに相応しいですわ、
さすがご主人様。とか言ってるけど、
近衛兵の方々とダンジョン討伐隊の皆さんも
神殿から出てきて見上げて固まっている。
・・・大きすぎたのかな?
このデザインは女性受けするけど、
男性にはもう一つだったのかな?
と、少し反省していると、
国王陛下にお礼を言われてしまった。
「今の王都のものより、いえ、
比べることこそ失礼かもしれませぬが、
大変立派な城を建てて頂き感謝致します。
女神様の使徒様であるとのこと、
この目でしっかり確認させて頂きました。
心より御礼申し上げます、カケル様。」
「いえ、頭を上げてください。
俺なんて女神様からいただいたスキルを
使っただけですから、これも女神様にお礼を
お願いします。
中もある程度できていると思いますが、
寝具類などは屋敷の方に用意していたものを
運びますので、今日のところは、
お使い頂ければ幸いです。」
「もったいなきこと。
早速兵達と中に入らせていただいても
よろしいでしょうか?」
見たいんですね、分かります。
・・・俺もみたい。一緒に行くかな。
「ええ、国王陛下用の建物ですので、
ご自由になさってください。
とはいえ、中の様子が分かりませんと
不足している物が分かりませんので、
一緒に入らせて頂きますね。」
「ありがたき事。
では、早速参りましょうか。
ライアン近衛兵長、中の確認を行う。
ついて参れ。」
「「「はっ!」」」
国王陛下の掛け声で近衛兵の皆さんが
二列の隊列を作って、その間に国王陛下が
挟まれる形で中に進んでいく。
俺と小天狗様とザラさん達も一緒にその後に続いていく。
ココはシルバが寝てしまったので拠点に一緒に戻って
寝かせてくれるそうだ。ありがとう、ココ。
ついでに、薬の追加を作るそうだ。
聖女様方も俺達についてこようとしたけど、
エレノア神殿長さんに嗜められて、
中に戻っていった。
シロミズチ様本人の前で、礼拝の儀を
執り行われるそうだ。
神殿の前から石畳で繋がっていて、
緩やかなスロープで登る感じだ。
馬車二台が並んで通っても、
端を人が歩けるくらいの幅がある。
7m以上はありそうだ。
両橋には石造の欄干が続いているから
橋の上を歩いているみたいだ。
門はギルド並みに大きくて、
左右に押し開く何かの金属の門だった。
魔鉄鋼の門じゃないのか?と
近衛兵の一人が小声を零していた。
成る程、鋼鉄の類なら防御力高そうだし、
いいかも。
門を潜ると、大きな広い通りのままで
巨大なロータリーになっていて、中央に
5mくらいの直径の噴水池があった。
七色に輝く噴水が楽しそうに飛び交っていた。
水じゃない感じだな。ファンタジーな光景で
しばらく見とれてしまった。
噴水の中央には、女神ヘスティア様の
勇ましいお姿の像が鎮座していた。
一本ツノの兜をかぶって、
右手に槍みたい武器を、左手には宝玉が
散りばめられた中型の丸楯を持って、
ツノのある馬、ユニコーンだっけ?に跨って
今にも駆けだして行きそうな雰囲気がある。
国王陛下一同が女神様の像に一礼して進んでいく。
ロータリーと噴水池の周りには、
取り囲むように花壇が続いていて、
色とりどりの可憐な花が揺れている。
まるで小さな子供達の笑顔の出迎えのようで
微笑ましくなるくらいだ。
何だか、物々しい出立ちの皆さんとは
合わない絵面になってるけど
気にしてはいけないところだと思う。
いい香りも漂って来て癒し効果は抜群だ。
お手入れするのに人手がいるよな
と思っていたら、花壇の中から
小さな光の玉がふよふよと飛んできた。
小天狗様より小さいサイズだ。
「「「精霊様!!」」」
皆さん声を揃えて驚いていた。
小天狗様によると、この花壇は花の精霊達が
お世話をしているそうだ。
さっきの噴水も水の精霊達が
管理をしているので、人手は不要だそうだ。
その話を聞いた国王陛下は大きくうなずくと
横にいるライアン近衛兵長に声をかけていた。
「ライアン近衛兵長、
王都の守備隊全軍をここに集結させよ。
精霊様方に守られた聖なる城である。
ここからあのダンジョンの討伐を
行うのだ。
ノブマサ隊長にもそう伝えよ。」
「はっ。」
そう返事をすると、ライアン近衛兵長は
左胸の飾りを口元に寄せると、
少し考えるような顔つきをしながら、歩き出した。
やっと神殿?お城?の入り口に辿り着いた。
入り口はすでに中に開かれている。
両脇に何だか見覚えのあるものがお座りしている。
狛犬?と思いつつ、近寄っていくと、
白い二頭の狛犬が動いた。
右側にいる狛犬の瞳は金色で、左側にいる方は銀色だ。
近づくと意外と大きいことが分かった。
馬サイズだ。犬とは呼べない大きさだ。
「おおっ!久しいな、神狼よ。
其方達がここの守りにつくのであれば
心強いのじゃ。
ここの者達のことをよろしく頼むのじゃ!」
そう楽しげに小天狗様が
駆け寄ってきた2頭に声をかけた。
「「「「「神狼様っ!!!」」」」
ついに皆さんの足が止まって、固まってしまった。
この神殿?って色々大丈夫かなと
少し心配になったけど、・・・
神狼様かぁ・・・モフりたい。。




