物語のつづき カエル辺境伯に嫁いで
カエルと呼ばれる辺境伯の元へお嫁にいった女の子は、とても幸せな日々を過ごします。
美味しい食事、綺麗なドレス、お風呂も広くていつも透明なお湯で洗う事が出来る。
まるで天国のような場所だったのです。
カエル辺境伯はとても優しい人でした。
女の子をドラゴンに乗せ、空の散歩にも連れて行ってくれました。
ドラゴンはとてもとても力持ちで、大柄な辺境伯をのせ、さらに女の子を乗せても軽々と空を飛びます。
空から見たヴァルフォン領はとても美しく、小麦畑が黄金の海のようにひろがっている光景が見渡せました。
女の子は自分自身もドラゴンに乗ってみたくなりました。
カエル辺境伯はそれを知って、ある日雌のドラゴンを連れてきました。
乗り方のコツを教わると、女の子はすぐに乗りこなすようになりました。
カエル辺境伯はまた、人食い蛇と呼ばれる巨大な大蛇が現れた時も、怖じけるどころか炎の魔法を浴びせ、一刀両断してしまいました。
人々からは醜いと呼ばれるカエル姿の夫でしたが。
勇猛果敢なその姿に、女の子の心はときめいていました。
ああ、こんなに素敵な人と結婚出来るなんて。
私はなんて幸せなのでしょう?
女の子はここにお嫁に来て良かった、と心の底から思っていました。
自分を大事にしてくれる夫、使用人たちにも家族のような温かさと親しみをおぼえていました。
そして彼女は思うのです。
自分を幸せにしてくれる、カエル辺境伯に恩返しがしたい、と。