4 精霊契約の儀式
「そんな大したもんじゃないよ。」
と、照れたようにスレートさんは笑った。
スーベリィがどれほどの団体か分からないから反応しづらい…。
「さて、世間話もこれくらいにして、」
パン、と手を叩いてスレートさんが話を切り上げた。
「愛し子様達に、まず最初にやってほしいことがあります。」
お手をどうぞ、と言われ手のひらを出されたので、私は手を乗せた。
ネコと大ちゃんはさらに私の別の手に続く。
「精霊契約神殿へ来て欲しいのです。」
私達はまたも首をかしげた。
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私達は飛行場からひたすらに歩いて、神殿へ来た。
中に入るとひやりとした空気が身を包む。
なんだか厳かな雰囲気で、無駄口を許されないような感じがする。
「愛し子様にはまず、精霊と契約を結んでほしいのです。」
階段の上に少し広い場所があるでしょう?、と言われ顔をあげる。
様々な色が綺麗に組み合わされたステンドグラスが天井の真上を飾っていた。
その真下にある階段の踊り場のような広さがある場所が見えた。
「あそこで精霊様に語りかけて欲しいのです。私と契約を結べ、と。
そうすれば、あなた方の波長に共鳴した精霊が応えて下さいます。」
誰からいきますか、と問いかけられ私達は戸惑った。
精霊だとかよく分からないものといきなり契約を結べと言われたのだ。
しどろもどろになる。
ちら、と後ろの2人に視線を送ると、まるで私に先頭をいけ、と言うふうにじっ、と見つめ返される。
んー、……2人が言うなら仕方ないか。
「私から…ミユからいきます。」
スレートさんは私が先陣を切ると思ってなかったのか、
驚いたように少し目を見開き、そして笑ってくれた。
「階段をお登りください。
そこからはきっと精霊神様が身体に教えて下さいます。」
私は意を決して、一段一段踏みしめるようにゆっくりと上がった。
1番上の広い場所に着くと、自然と身体が動いた。
右膝を床につき、左膝を立て、ステンドグラスの先にいる何かに祈るように手を合わせる。
……精霊さん。
そう心で呼びかけると、ふわりと目の前に4色の光が現れた。
光はそれぞれに人の形を成していき、そして、
「わっ、」
ぽっ、と手のひらくらいのサイズの人が現れた。