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4.答えと準備

ここからは1週間周期で頑張ります。なかなかネタが出てこない時もあるのでご了承ください。



今回はほぼ説明会みたいなものですが、これから先にも関係する設定もあるので(すぐ出るとは限りません。むしろなかなか出てこないと思います。)ぜひ読んでいただきたいです。



(“答え”といってもほぼ決まってるようなもんだろ。なにせ魔法が使えるんだからな。つまり、もちろん、)


神様が造った世界(異世界)に行かせてもらいます。」


「そうかいそうかい!僕としては大歓迎だよ!じゃあさっ「ただ、1年間だけお試し的な感じで、ですけど。」それは……まぁ当然かね。いきなり別の世界に行けと言われて素直に頷ける方が少ないよ。」


(そんな機会まず無いけどな。それにもう2度と皆に会えなくなるというのを決めるには色々足りないし。でも異世界には行ってみたい。ならさっき提案してくれたやつに乗っかるしかないよな。わくわくしてきたぁぁ!!)


零の顔から自然と笑顔がこぼれる。


「ふふっ。楽しそうでなによりだよ。魔法が使えるって聞いただけでも胸が踊るかい?」


「ま、まぁ僕は最近異世界系の小説にハマってしまってかなり読みこみましたから。それに実は中学生の頃に1人で色んなことを想像して楽しんでました。それらが今、現実として目の前で起こっているんです。胸が踊らないわけがないですよ。」


恥ずかしそうに笑いながらもどこか楽しそうな零。男なら1度は夢を見たことはあるだろう能力が実際に使えるのであれば使ってみたいと人一倍思うものだ。


「それは良かった!じゃあ転移する世界について説明しよう。その世界の名前はアルペン。これは造った本人の名前、つまり僕の名前と同じだね。あ、まだ名乗ってなかったね。僕はアルペン。神々の頂点である称号“絶対神”を持っている神だ。改めてよろしく!」


「あ、はい。お世話になります、、、?」


突然の自己紹介に何をいえば良いのか分からず、とにかく異世界転移のことで頭がいっぱいだった零はそのことに関する言葉しか出てこなかった。


「うん!お世話させてもらおう!」


ニコニコと楽しそうに笑う神様。実は部下ばかりであまり友達がいないのかもしれない。


「次は大陸の名前だよ。地球よりも少ないから安心してね。まず1つ目は人間が多く住む、サンドル大陸。ここは人間至高主義の人達が多くて戦争してるところも多いんだ。今はここ100年程は落ち着いてて問題ないけど、次の戦いに備えて準備をしているところが見られるから多分あと少しで戦争が始まるかもしれないね。人口の割に大陸の面積が小さい事も特徴だよ。1番小さいんだ。」


(なるほど。人間だけが集まったら汚い思考が生まれてしまったということかぁ。だとしたら地球よりも考えが古くない?確かにこっち(地球)でも戦争はあったけど、地域間や民族間の比較的小さく、国同士の戦争は終わってからざっと50年経って……いやまだ50年しか経ってないのか?んー分かんないや。)


「大丈夫かい?なにか疑問があるなら言ってくれて構わないよ?」


「そこの文明はどれぐらいですか?」


零は今考えていた事を質問する。


「おー!意外なところを突いてくるね。文明かぁ。これはサンドル大陸だけではなく、アルペンの全ての大陸に言えることなんだけどね。地球に比べると遥かに低いよ。科学の発展がないんだ。魔法が万能すぎたみたいでね。個々の能力はそれほどでもない。と言うよりも基本的に3種類使えればいいほうなんだ。なんだけど、千差万別!たくさんの種類があるわけで、なかなか便利に使いこなしているんだよ。その結果こうなってしまったわけだね。」


「あ、ありがとうございます。」


(割としっかりした説明をしてくれるんだなぁ。いやしてくれないよりは助かるけどさ。)


「次は2つ目!その名もフォル大陸だ。ここは森が1番存在している大陸でね、エルフやドワーフ、獣人などなど多種多様な人々が暮らしているんだ。色んな人種が暮らしていることもあって、いざこざも絶えないけど、ほんの小さなことだから国同士までは発展していないんだ。まぁ特に領地のことだったりするから戦争しないのが少し不思議だけどね。あ、あとここは2番目に大きい大陸だよ。2番目とはいえかなりの大きささ。ざっとユーラシア大陸2個分かな。」


話している間に2人用の木製のテーブルと椅子が2つ。紅茶と思われる飲み物がティーカップに注がれた。だが、


「あ、僕紅茶好きじゃないです。」


そう。零は紅茶を飲まないのだ。飲めないわけではないが、甘い香りと苦い味との差が好きではないので飲みたくないのだ。実は零は他の人よりほんの少し味に敏感なのだ。。とはいえ、少しわがままが入っている時もあるので一概に抜きん出ているわけでない。


「え、そうなの!?ごめんごめん、すぐ変えるよ。」


神様はパチンッと指を鳴らした。すると、ティーカップごと緑色のシュワシュワしたメロンソーダに変わったのだ。


(お、おお、す、すげぇ。てか普通にやって見せるから反応に困るんだけど。)


「さて3つ目だね。サナン大陸という魔族の大陸で、3番目に大きい大陸だよ。フォル大陸の半分、つまりユーラシア大陸と同じぐらいかな。ここには魔王と呼ばれる魔族の王がいる。魔王と聞くと大体1人だと思われがちだけど、ここには魔族の国の数の分だけ存在するんだ。今国は7個ある。だから7人の魔王がいるのさ。」


「そんなにいたらほかの大陸が攻められてしまうのでは?」


一緒に出されたストローでチューっと吸った後疑問をぶつける。


「確かに魔王は強いイメージがあるけど、7人全員が力だけで王になったわけでは無いんだ。王として求められるのは“力”、“知力”、“統率力”辺りかな。今の魔王たちは、頭が最も冴えているんだ。でも地球人には及ばないよ?それでも法などを少しは取り入れ、国内での争いはほぼ無いんだ。僕は素直にすごいと思うよ。それとね。実は魔王の中に数えられてはいないけど、ここ5年で出てきた魔族がいてね。“力”のみにおいてはどの魔王よりも強く、それぞれが1対1でやった場合はほぼその魔族が勝つんじゃないかとまで噂されてるのさ。僕も覗いて見たけど、確かに“力”だけは大きく出てたね。しかも他大陸に攻め込む用意もしてるみたいだし。これまでなんだかんだ言って、魔族全体の意思として攻めるなんてことはしなかったんだけどね。長く生きるうちに自尊心とかが出てきたみたいで少し厄介なことになりつつあるよ。でもここもまだ大丈夫だと思うけどね。」


(俺の中の魔王とはほとんどイメージが違うみたいだな。てかかなり物騒じゃね?なかなか危ない時期にとばそうとしてくるなこの神様は。命の危険があるだなんて平和なところに生まれた俺からすればただただ怖いだけなんだけどな。)


「最後!4つ目の大陸はスイ大陸と言ってほかの大陸とは離れている1番大きいところで、かつ1番平和なんだよ!大陸全体に僕が張った結界があってね。侵略を許さず、内側にいる人たちに争いごとをしないように軽く争いごとに関する気持ちが落ち着くようになっているんだ。でも完全ではないし、かなり弱いから割と頻繁に喧嘩は起こっているよ。でも大陸内での戦争は見られないね。人間からエルフ、ドワーフ、獣人、魔族などなど基本的に全ての種族が集まっていてお互いのことをそこまで恨んでいたりはしないから、みんな仲がいいんだよ。」


(全部難しくない名前だから何とかなりそうだけど、問題は国だよなぁ。行きたいところだけは覚えとかなきゃな。たくさん教えてもらえたけど、そろそろかな。)


「一通りの知識はもらいました。もう準備は万端です。早く異世界に!」


ズイっと出てきそうな勢いで語尾を強める。明らかに待ち遠しさが(にじ)み出ている。


「我慢ができないって顔をしてるね。なら早速始めよう!そのまま立っていてね。」


神様がそういった瞬間、零の足下に魔法陣と思われるものが浮かんだ。最初はうっすらとしたものだったがすぐに光が強くなっていく。


「向こうに行ってもできるだけ力は見せない方がいいよ!着いたら真っ直ぐ行けば村があるから、そこにお世話になるといい。では、良い旅を心より願っています。」


慣れない丁寧な言葉遣いで零を送り出す。恥ずかしさからか顔が少し赤くなっているようにも見える。


(いきなりそんなふうにこられても……。)


そう思ったところで、魔方陣から出ていた光が零を包み込む。


(ま、眩しいっ。不意打ちかよ!)



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