2.神様出現
転移直前までは早めに出します。
そこからは1週間周期で出せたらいいなと思います。
では、お楽しみください。
「ん?ここは…?」
(真っ白な空間だ。最近読んでいる小説の最初の描写そっくりだ。ということはま、まさか…。)
「異世界転生!?つ、つまり俺は死んでしまったということか?いや、死なされたとか?」
「そんなことはしないよレイくん。」
「わっ!」
もともとあぐらをかいていたが、驚き思わず手を後ろにつき少し後退りをした。
(だ、誰だ!急に目の前に出て来るだなんて!)
「あーすまないね。だから驚いてしまったのか。次は気をつけないとな。元から準備していればいいのかな?面白さにかけるがあまり相手を驚かすのも良くないね。」
金髪で碧眼の青年は腕を組んでから顎を手でさすり、ふむふむと頷く。
「あ、あなたは誰ですか?」
「あれ?心を読んだことに関しては何も言わないのかい?本当ならここで驚かせるつもりだったんだけど。」
青年は少し首をかしげながら言う。
(こういう所で出てくるやつが心を読むっていうのは定番で大体頭のどこかで分かってた。それにそういうやつは大抵、)
「神様ですか?」
少し目を見開く青年。
「君は面白いね。心の中を読むことを頭に入れておき、それを踏まえて質問を心の中で返す。挙句の果てには僕が神様だと言い当てた。君の中では“これぐらいの事”って思うかもしれないけど、この空間にいきなり連れてこられていきなり出てきた男を相手にここまで頭が回るのはなかなかすごいよ。」
腕を組んだままうんうんと頷く。
「それってつまりあなたが神様なのは間違いないって事ですよね?」
知らない男に褒められたが相手が神だと分かり、少し嬉しそうな様子で言う。
「まぁただの神様ではないね。僕は神々の頂点に立つ王だ。現時点で存在する全ての神よりもダントツで強い。これからどうなるかは分からないけどね。」
組んでいた腕を解き、胸を張る神様。その表情はどやっている。
「だ、ダントツって、、。」
(これしくったら消されるやつ?いや心読める時点でもう終わりじゃね?)
規模が神という大きさなのでいまいちピンと来ないがそれでも最悪な状況は容易に想像でき、それを考えただけで汗がうっすらと出てくる。
「僕は君に用があってね。流石にそんなことはしないよ。そういえば、君は先程異世界“転生”と言っていたね。“転生”って言うのは生まれ変わる、つまり死んでしまったという事象のあとに起こるものだよね?でも君は死んでないからやるとしたら異世界“転移”だ。」
零の周りをふわっと飛びながら言う。
「な、なるほど。」
(死んでないということは生きているということ。あまり実感できないけど俺はまだ生きているのか。)
飛んでいた神様がスタッと着地した。
「そういう事だね。さて、本題に入ろうか。僕が言った君に対する用についてだよ。」
(用か、、。何がくる?人を殺すとかはできないぞ?)
「そんなに身構えなくてもいいよ。用というのはズバリ、君の体を再構築したいんだ。僕が溜めに溜めたこのエネルギーでね。」
そう言って神様の手のひらから出てきたのは野球ボール程の小さな球だった。
(小さっ、っておいおいなんだこれ!体が、意識が、全てがもっていかれる!?)
その時球が萎んで、零の全身からは滝のような汗が流れていた。
「おっと、すまないすまない。少し長く出しすぎてしまったよ。」
苦笑いをする神様。
「な、なんですか今のは、、?とても危なかったんですが、、。」
(あと少し、もうほんの少しで俺の意識が途切れるんじゃないかと思うほどだった。あれで俺の体を造るって…。精神が壊れるんじゃないか?そんなの嫌なんだけど……。)
「まぁまぁ。少し耐えれたってことはとてもすごい事だよ。なにせこれを普通の人に見せた瞬間意識がのまれて昏睡状態。そしてしばらくしたら心肺停止ですぐあの世行きさ。」
(いやいや!俺もさっき意識がのまれそうで、あの世に行きそうだったんだけど!?)
「その意識を保てた少しの間に僕が君の精神やら魂やらを移させてもらうよ。そして移したさっきの小さな球を基にもっと大きなエネルギーで体を構成する。崩れないようにあるモノを使って僕でさえ雀の涙ほども解くことができない体にする。もちろん君自身でもね。それで完成だ。」
(なんてこった、、。あれよりももっと大きいエネルギーがあるのか、、。でもなぜそんなことをする必要が?)
「今の僕の体にそうまでしなければならない何かがあるのですか?」
神様はまた腕を組み、うーんと唸っている。
「少し長くなるかもしれないから先にやる事をやってしまった方がいいね。その説明はあとにしよう。では早いうちがいいからね。準備はいいかい?」
片手で球を出し、もう片方の手を零の心臓部分に当てる。
「へ?あ、はい?」
(もう球出てるし拒否権ないじゃん。ってうおおおおぉ。や、やばっ……。)
そうして零の意識が少しもったとあとに刈り取られた。
書ける時に書いておく。
書きだめという方式を利用させていただきます。