1.日常から非日常へ
初投稿です。
よろしくお願いします。
どのタイミングで続きを出せるかは分かりませんが頑張ります。
しかし私も学生なので暇つぶし程度に出させていただきたく思います。
ではどうぞ!
「ふぁーぁ。あー眠いなぁ。昨日遅くまで小説読んでたからなぁ。寝不足だー。」
「お?零、お前も小説とか読むんだな。ゲームしかやんねえのかと思ってたわ。」
そう言って笑うのは2年生になってからできた友達のうちの1人である近藤 康。ちなみに零は俺の名前だ。苗字は紫川。
「えっ、僕もたまには小説ぐらい読むよ!確かにパズルゲームは好きだしRPGもしないわけじゃない。でもゲームだけじゃつまらなくなってくるからね。」
俺は人前では自然と“僕”と出てしまう。これは2年ほど前の中学3年生の時に転校し、コミュ障な俺が出した答えだ。俺はその時身長155センチだったため、弱々しさを出しつつも割と外見とも似合っている。そこから1年続けていたのでこれが普通となってしまった。
「まぁ確かにな。でも小説より漫画だろ?あ、漫画で思い出したけどさ。この前のあの映画面白かったよな!来年のちょうど同じ時期にまた新しいのが出るって言ってたし。次も一緒に行こうぜ!」
「それ俺も行こーかな!」
「じゃ俺も。」
今出てきたのは教室でも俺らと同じグループにいる粟田 俊と千条 広の2人だ。康とこの2人は同じ中学校だったらしい。
「おー!俊も広もか!あー来年が楽しみだー!」
「でもさ近藤くん来年僕達受験の年だよ?映画も確か夏頃だし…。勉強とか大丈夫?」
この“くん”づけも2年前からの癖だ。
「ま、まぁ、なんとかなるんじゃないかなーとか思ったり思わなかったり?」
「それできないやつが言うやつじゃない?」
「う、うるせー零!俺は気が狂ってでも映画観るからな!」
「まー康ならなんとかなるんじゃね?」
「そんな簡単じゃないと思うけどねぇ」
そんなことを言いながら俺たちの日常は終わっていく。
「あ、今日漢字と英単語と古文単語の小テスト三昧じゃん。」
「「「あ。」」」
「わすってたー!どーしよう!」
「落ち着け俊!再テストがあるのは英単語だけだ!つまり英単語だけを勉強すればいい!」
「い、いや待て康。英語は1時間目にあるぞ!範囲は6ページ60個だ。間に合わない!」
「ふふっ。みんな落ち着きなよ。千条くん。今日の英語と現代文と古典は全部午後からだよ?授業変更の紙が前のホワイトボードに貼ってあるじゃないか。」
「本当か!良かったー。助かったよ。再テストほどめんどくさいものは無いからな。」
「なら飯食べてから覚えなきゃな。」
「でも今日地理あるしその時間に見ればよくね?」
「それができるのは後ろの席にいる俊だけだ!」
「ほんとずるいなー!粟田くんだけいい席にいるもん。」
これもまた日常である。
――――――――――――――――――――――――放課後
「小テスト。何とかなったな。」
「そういうの。今回だけだよ?近藤くん。」
「零は何点だったんだ?」
「聞いちゃう?聞いちゃう聞いちゃう?」
「何だよ。まさか満点か?」
「せーかいっ!今回はちゃんと勉強したからね。あーあ、満点って気持ちいいなぁ。1年生の時はいつも落ちてたのに。今年の僕は頑張ってるな!」
「自分で言っちゃ台無しだぞ。他人から言われるからいいんだ。」
だが、事実俺の1年の学習時間は1日あたり約1時間。2年になってからは約3時間半。結果はついてくるものだ。
「じゃあ、今日はもう帰るね!近藤くん、ばいばい!」
「おう。じゃーな。」
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(うげっ。バス停混み混みじゃねーか。こりゃ参ったなー。でも待つしかないか。)
今週はテスト週間であり、部活がないので全校生徒約3600人が徒歩または自転車またはバスなどで下校する。徒歩の人はほとんどいないし、自転車も置く場所が限られているのでバスで帰る人が多いのは自然なことである。
(ゲームでもするかな。)
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学校帰りの時間帯には15分おきにバスが来る。だが、人が多い今日は3本のバスに乗れず、結局家にたどり着いたのは学校を出て約1時間後だった。
「ただいまーって、お母さん達いないんだった。はぁ。行方不明の届け出すなってもう完全に事件じゃねーか。」
(とか言っても出さない俺も俺だけどなぁ。)
「でもこの置き手紙?に書いてある字は多分お母さんの字だし、書かされたにしては家が綺麗すぎたし字も震えてないもんなぁ。お金だけ俺の部屋のベットの上にドサッと置かれてたし。」
リビングのテーブルに移動させた“お札の束”の山を見てため息が漏れる。
「約2億って…。いつどのタイミングでこの量を銀行から下ろしたんだ?仕組みを知らないから分かんないけどできるのか?もしそうだとしてもどうやって用意し…あれ?…瞼が……おも…い?」
よろめきたまたま近くにあったソファに倒れる。