苦情対応チーム
久々に書いたらよく分からない物が出来た。
SLWO運営陣苦情対応室。
無料ゲームには付き物、いや憑き物と言っていいほど出現する苦情、不具合に対応する専用のチームが集められた部屋である。
いつも運営本部、グラフィックデザイナーやプログラマーにいつも確認を取っているため中々にうるさいのでクローズドβ期間終了後、防音ルームに改装された事があった。
「プログラマーさん?サーバー04エリア1‐12に出現する一部敵のダメージ表記が適切ではない場合があるそうですが、不具合でしょうか?」
毎日のように発見されるバグ、不具合を逐一報告し、修正させるのが仕事である。
テストプレイはしたのかよ?という程バグが見つかる日もあったが、そのサーバーのみで起こっていたという現象もあったので、毎日大忙しである。
「ああ、ハイ分かりました」
ブツッとスマホの通話を無造作に切る。
「掲示さん不具合欄にサーバー04の一部モンスターからの被ダメが正常でないと追加」
了解を聞くこともなく通話を切り、また次の電話を掛ける。そんな仕事の繰り返しであった。
そうしている間にも目の前のパソコンには難癖のような要望や不具合が我先にと追加されていく。
チームは計10人程度で回しているが、胃薬と精神安定剤が会社から支給されている程度にはつらい仕事である。
「サーバー02エリア3‐11のグラのアス比が若干ラグってるそうなので調整お願いします」
アス比の調整は一日3交代で異常値を常時チェックしている調整用プログラマーが調整している。
苦情や要望対応の辛い所は、致命的な不具合報告などを一瞬で見分けてその部署に連絡を取らなくてはならないところである。
この対応を少しでも間違えると、最高速度でプレイしているテトリ○のように一瞬で仕事を積みあがる。
愚痴を言う暇もなく休憩時間までひたすら連絡を取り続けるという、一見簡単そうな仕事でも、規模によっては地獄の重労働に早変わりである。
~とあるヘビースモーカー~
「あ~…」
休憩室。喫煙ルームとそうでない場所と分けられており、喫煙ルームは常にタバコの煙が蔓延している。
「体に悪いってのは分かってるんだがなぁ」
苦情対応をしていると常に吸いながら仕事をしたくなる。他の社員に迷惑がかかるのでやっていないが、もし許可されるのだったら今すぐにでもタバコを咥えながら仕事をしたいものである。
「そろそろ仕事か」
ストレスと胃との闘いに終止符が打たれる時はきっとこのゲームがサービス終了するときだろうなぁ、と頭の片隅で現状に対して諦めのような感情を抱きながら、タバコを消し、スマホを起動し綺麗に整理された電話帳を開いて準備完了、仕事再開である。
やっぱり毎日書かないとダメだな