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第一回運営会議

運営会議、と言うよりも現状報告と方針説明みたいなものです。

「これから運営会議を始める」


スーツを着た男がホワイトボードの前に立ち、開始を宣言する。


「先週サービス開始した、secondlifeworld on-lineだが、早速不具合が発見された。即座に対応を取る必要性がある。初の無料FDMMOだからと言って許されるのは今回までだ」


不具合。オンラインゲームには付き物であり、不具合のなかったゲームなど、余程単純な作り出ない限りありえない。


「具体的な不具合についてグラフィッカー代表の宇多田うただ君。説明を頼む」


指名されたスール姿の、華奢な男が立ち上がり、説明を開始した。


「まず、エリア2、寡黙の森の木が同時に300本以上表示された場合、強制的にハードがシャットダウンされるケースが報告されました。これは、木、一本一本の細部を非常に細かく描いてしまったため、ハードの処理能力を超えてしまった事による不具合です」

「で、どのような対処をする?」

「まずグラフィックを若干簡略化し、木など、大量に目に入るオブジェクトは、画面に映される数に比例してグラフィックを低くなるようにプログラムを組み直します。これにより、同じような事態が想定されるエリア5、エリア11においての被害を事前に食い止めるつもりです」

「なるほど。プログラマー代表。プログラムの方は出来ているか?」

「はい。完成しております」


流石のスピードである。幸いにもこれ以上の不具合は今回は発見されていないので不具合についてはこれで終了である。


「次、プレイヤーからのリクエストや苦情だ。一番多かったのはクラス格差、武器格差についてだ」


secondlifeworld on-lineでは、クラス性を採用。クラスの中から武器を選び、武器の中からスタイルを選ぶという、非常に柔軟性が高く、自由度の高い仕様である。だが、それと同時にクラスの格差も当然発生する。複数の物がある場合、必ず差が発生するものである。


「現在最も優れていると思われるのは、ラッシュ片手ファイターです」


ラッシュ、と言うのはスタイルで、片手は片手剣。ファイターはクラスである。


「連撃から相手の攻撃見てからパリィ、そこからさらに連撃を繋ぐ、と言うのが現状最も優れていると感じられています」

「ふむ。攻撃のキャンセル難易度の上昇、盾によるパリィ判定の厳格化、が妥当な処理か」

「限度はありますが、それが最も妥当かと。弱攻撃からどんな状態でもキャンセル可能と言うのは流石にやり過ぎでしたかね」

「そうだな。キャンセル可能時間は攻撃判定発生の3F前、攻撃終了後5Fとしよう」


調整がガバガバな状態からのスタートであったが、ゲーム自体の登録、ログイン数はFDゲームとは思えない程である。


「では、最後に今後の方針についてだ。ガチャ要素などは一切採用せず、可能な限りプレイヤーの格差が出ないようにするつもりだ」

「それでは元が取れないのでは?」


上から伝えられた方針に対し、反対、というよりも疑問の意見が出る。


「secondlifeworld on-lineは金を搾り取る為のゲームじゃない。FDハードを普及させる為のゲームだ。そのゲームが課金やらガチャで格差が広がり、新規プレイヤーの参入を拒むような事態になれば、いくら利益が出たとしても、コンセプトに反する事になる。このゲームで利益が出なかったとしても、このゲームをやるために、我が社のFDハードを買ってくれればそれで元が取れる。そう上は判断している」


上の判断には何も言えず、反対意見は出なくなる。


「それでは、今回の運営会議を閉会とする。各自、自分の仕事へと戻ってくれ」


次々とスーツ姿の男性、及び女性が立ち上がり、会議室から退室していく。


最初の運営会議は、無難、と言ったところだろうか。次回はイベントの発案などが主な内容となるだろう。

イベントのアイデアとか、プレイヤーの様子とか、感想とかメッセージに頂けるとありがたいです(他力本願)

読者参加型っぽい感じをイメージしてます。

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