蛇毒の鞭
酒場の地下で、ブルースはテーブルに出された料理に舌鼓をうつ。
「このお肉美味しいですね、何の肉なんですか?」
「パイソンのステーキです」
脇で、空のグラスにワインを注ぐ使用人。
「ほぉ……蛇の肉でしたか!昔、官邸で食べたトカゲの肉を思い出しますよ」
珍しい食材にはしゃぎ、切り分けた肉を口に運ぶ。
そのやりとりをテーブルを挟んだ対面から、ふてくされた様子で見つめる青年がいた。
「……局長……話、聞いてます?」
ブルースと同じく青い紳士服を着た、青碧の国では珍しい金髪碧眼の容姿。
いかにも白光の国の出生だと見ただけで分かる。
「え?聞いてましたよ。ヒドゥンを見つけられない、ワイト君の情けない話でしょ?」
「だから東側で精一杯だと言ってるじゃないですか」
ワイトと呼ばれた青年は心底疲れたような声で訴える。
先ほどから料理にかまけてばかりで、彼の報告をまともに聞こうとしない。
「君のところは何人でしたっけ?」
「さっきから僕一人って言ってるでしょ!」
白光の国でブルワークとして活動しているワイト。
表向きは劇団の役者として日々演技に磨きをかけている。
一方裏では国の動向を調べ、諜報活動を行う工作員。
若い見た目とは裏腹に、青の国の為に過酷な任務をこなすブルワークの愛国者。
「人の話をろくに聞いてないんだから…情報屋が聞いて呆れますよ…」
「上司になんてこと言うんですか。私も切羽詰まっているんです」
手を止めて、ブルースも自分の苦労を語ろうとする。
だがワイトの剣幕に押され、口をつむぐ。
「僕達、特務諜報員が他の局員になんて言われてるか知ってます?」
国境を越えた先、一人で働くワイト。
帰国して同僚に会うたび、同情の念を込めて肩を叩かれていた。
ワイト本人としては、肩を叩かれるより肩代わりしてほしいようだが。
「『ブラックワーカー』って皮肉られてるんですよ」
国家情報局ブルワークと過重労働を掛けた言葉遊び。
面白い、と思わずブルースは声を上げて笑う。
「ワイト君は冗談がお上手ですね。そこの君、彼にも注いで上げて」
葡萄酒の入ったグラスが手元に置かれる。
「今日は私のおごりですから……ほら飲んで飲んで」
ワイトは手に取るとぐいっと飲んで、深く吐息をついた。
気づけば会話の主導権はブルースに移っていた。
二代目の幽霊へ満足に報酬を出せなかった事を悔いているのだ。
厚いツラの皮をかぶったブルースでも、責任を感じたようだ。
「ヒドゥンの情報が手に入らなかったら、あの人レイス辞めちゃうかもしれないし」
「僕だって一人で白の国を担当させられて辞めたいくらいですよ」
酔いが回っているのか、思わず本心を口に出してしまった。
「何か言いました?」
「いいえ、何も」
どうせすぐに流されると思った愚痴に反応されワイトは戸惑う。
少し沈黙が流れた後、再び口を開くブルース。
「それどころか私まで手にかけそうな目でしたよアレは」
「是非僕も手伝いたいですね」
「手伝い…何です?」
「えーっと……何も。止める方ですよ、もちろん」
ワイトは目を逸らし、果物を手に取る。
「あの人はモーガンさんと違って、なんていうかこう…」
先代の幽霊は元軍人の傭兵。
それ故、ブルースが抱く国への想いは伝わりやすかった。
だが、二代目は扱いづらい印象をブルースは抱いていた。
「自分の為に生きている感じがひしひしと伝わってくるんですよ」
幽霊の話題が続く中、今度はワイトが口を開く。
「その二代目の方、シルヴェストルさんって白の国の生まれでしたっけ?」
同じ出生国のルーク・レイ・シルヴェストル。
その背景や生い立ちに、若干興味があった。
「シルバーリッジの生まれだそうですが……どうかしましたか」
浮かない顔つきでワイトはゆっくりと語った。
「……シルバーリッジという地方は存在しません」
頭の中に白光の国土を浮かべ、地図に書かれた地方を思い浮かべる。
ワイトには違和感があった。
「いくら調べても、そこにあるのは巨大な湖だけですよ」
「へえ、そうなんですか」
落ち着いた様子のブルース。
「局長、驚かれないんですか?」
その冷静さに逆にワイトが驚いてしまうほど。
「ええ、だってモーガンさんが嘘を付くとも思えませんし」
今まで仕事をこなしたモーガンとは信頼関係がちゃんとあった。
いい加減な所はあったが、芯の強い男。
そんな彼が嘘を付くとは思えない。
再び手を動かして食事を摂るブルースに呆れるワイト。
「なんだか……局長っていつも何か食べてるイメージがありますよ」
「コミュニケーションを取るには食事の場が一番なんですよ」
おかげさまで、と丸く太った腹を叩いてブルースは笑う。
接待や取引で根付いてしまった趣味なのだろう。
「はあ、じゃあ折角だし僕も何か頼みましょうかね」
「それならお勧めの物がありますよ」
そういってブルースが差し出したのは一枚の紙。
続けて、手元のテーブルナイフを紙の横に添えた。
紙には白光の国を象徴する、聖女の絵が描かれている。
山羊のように紙を食べろと抜かしている訳ではない。
少し硬直して、ワイトはブルースの表情を見る。
大きく目を見開いたままニヤけている。
興味津々と実験動物を見ているような、好奇の目だ。
ワイトは何かを言われずとも、彼の目から意思を汲み取る。
差し出されたナイフを取り、テーブルの上のそれを強く突き刺す。
「……洗脳はされてないですよ」
「どうやら嘘を付いている訳ではないようで」
自分を試したのかと、踏み絵もどきに苦笑いするワイト。
数十年前、青碧の国と白光の国が戦争時に信者を炙り出した手法。
歴史書に載るくらいの、古臭いやり方だ。
「まさか局長、信仰心を試すつもりでこんなもの用意したんですか?」
「『傷をつけるくらいなら』と舌を噛んで命を絶つ人もいるそうですよ」
一国の法に触れる禁忌を、躊躇いも無く行わせるブルース。
とやかく言ったところで『ここは青の国ですよ』と返ってくるだろう。
無神経で無邪気な態度が、腹立たしさに拍車を掛ける。
こういうところが、人に嫌われる所以だと彼は気付いているのだろうか。
「そうですけど……」
聖女の信仰に取り込まれていく恐ろしさはワイトが一番知っている。
何故、彼一人だけが白光の国を担当する事になったのか。
最初から一人だったのではない。
仲間が聖女に信仰を抱き、次々と裏切っていったのだ。
この冷戦の世、機密情報を持つ諜報員が敵に心酔すればどうなるか。
正気に戻らぬ仲間を前に、ワイトが取った行動は……言うまでもなかった。
国への忠義と仲間の命を天秤に掛け、彼は孤独を選んだ。
ワイトは昔の事を忘れようとグラスの中身を飲み干す。
踏み絵の脆弱性を突こうと、酒が乗った勢いで想像を語り始める。
「逆手にとって聖女を剣で刺すのが流行ったらどうするんですか?」
「ほう、どう話が転べばそうなるんですか?」
白光の国の民をいつも身近で見ているからこそ思いつく発想だ。
「『不死性』を提唱して神格化に拍車を掛けるんですよ」
「ハハハ、面白いですねそれ。海賊が樽でやるアレに似てますね」
ワイト迫真の妄想を笑って流すブルース。
「本当にのんきですね局長は……」
「ワイト君、劇の役者じゃなくて物書きとか始めたら?売れると思います」
「話半分に受け取っておきます。僕も局長と同じソレ、注文しますね」
テーブルに置かれたベルを鳴らして、給仕人を呼ぶワイト。
そんな彼に聞き取れるか分からないほどかすかな声でつぶやくブルース。
「あのプライドの高い女が、そんな事するとは思えませんがね」
先ほどから女性の使用人が注文を聞きながら、ある一点をずっと見つめている。
「……なんですか?その目は……今日はセクハラとかしてないですよ」
視線の先は、ワイトが付けたナイフの跡。
きめ細やかなシルクの青いテーブルクロスはもちろん、テーブルにまで穴が開いている
女性の無言の圧力が、ブルースに掛かる。
「これですか?いやあ仕事で必要な事で――」
「お食事とは別に請求させていただきます」
注文とは別に何かをメモしている使用人。
ここに並んでいる家具はどれも高級品で、一般人には買えない値が付いている。
冷や汗を垂らすブルース。
続けてワイトも追い討ちを掛ける。
「確か局長のおごりでしたよね。僕は関係ないですから」
「ちょっとまって!せめて言い訳だけでも!」
幽霊は赤い髪の男を捜す為の手段でしかなかった。
復讐が果たせるなら、自分が悪に染まろうと関係ない。
短絡的、合理的にしかルークは考えていなかった……
不幸な目にあう人間はごまんといる。
弱い奴が悪い、知った事かと繕っていた表層。
口ではそう言っても、本当は分かっている。
自分も名も知らぬ男に助けられ“他人の情け”で今まで生きてこられたのだ。
がむしゃらに剣の修行を積み、周りに見向きもしなかったのは忘れたくなかったから。
手に入れた安息で復讐の炎が、家族のことが、段々と薄れていくのが怖かったのだ。
大切な家族を殺され、涙を流す少年。
似た境遇の少年を客観的に見たことで、ルークの心の中の何かが揺さぶられる。
死ぬまでに徳を積めば天国に逝けると言われている。
ならばこの少年は生き地獄とも言えるこの惨状で、一体何ができるというのか。
少年を嘲笑う、蛇と女。
こいつは、許しておけない。
青年は初めて他人を憂い、剣を抜く。
今度は、自分が情けを掛ける番だと。
「オレも裏の人間だ、蛇女」
ルークは低い声音でエキドナに囁く。
首に巻いた蛇を磔にされ、身動きのとれないエキドナ。
「名乗ったら……絶対に殺すんだろ?」
体制を崩されたまま見下され、脅されたエキドナの心に恐怖と興奮の感情が入り交じる。
「ひっ……ひひっ……お前が……ボスの仇ィ!!」
至近距離で睨み合う両者。
ルークはすばやく剣を壁から引き抜くと、エキドナの肩口へ向けて斜めに斬り降ろす。
「何ッ!?」
その瞬間、エキドナは足先から地面を滑るようにルークの股下を抜ける。
剣閃は僅かにエキドナの肩を掠めただけで、浅い傷しか付けられなかった。
それはまさに蛇のような動き、蛇の名を冠するだけのことはある。
ルークは振り向き、構えなおそうとする。
しかし、何かに掴まれたように剣が引っかかる。
目を移すと、銀色の鞭がとぐろを巻く様に絡み付いていた。
「ししっ!」
エキドナは絡めとった鞭を勢いよく振り回す!
女性の細腕からは想像できない腕力で、ルークを壁に叩きつけるエキドナ。
息をつかせる間もなく複数回、鞭を振り回して壁に打ち付ける。
「ルークさん!」
ロビンが驚愕の声を上げる。
「ぐあっ……」
周囲に埃が満ちる。
室内の壁の装飾がぽろぽろと剥がれ落ち、小さな傷を残していく。
叩きつけられた威力がそうとうなものだと計り知れる。
「レイスも大したことないねぇ……!ボスが戻ってきたら嘆くだろうよ!」
ニヒルな顔で、蛇のような舌をちろちろと出して挑発するエキドナ。
ルークに絡みついていた鞭をほどき、満足気に手元に手繰り寄せた。
「なに勝ち誇ってんだよ……まだ終わってねえよ」
舞い上がる埃にまみれながら、ルークはゆっくりと立ち上がる。
腕を強く打ちつけ、防具がところどころ破損している。
怒りの感情が上回っているせいか、不思議と体の痛みが鈍く感じる。
ルークの姿を捉えようと蛇のような瞳孔を見開くエキドナ。
「あんたはもう噛まれた、私の鞭は蛇と一緒で……」
「その手に持ってるのが、鞭って言えんのかよ」
エキドナは手元の鞭を見ると、剣に絡んでいた部分が切断されている事に気付く。
魔剣であっても絡め取る事のできるはずの鞭が、すでに鞭と呼べる代物ではなくなっていた。
「ばかな!!私の魔力を織り込んだ特性の鋼だぞっ!!」
驚きを隠せないエキドナ。
そんな中、彼女の耳が聞きなれない音を拾う。
巨大な蜂の羽音のような不快な音。
勿論、耳元で蜂が飛んでいる訳ではない。
音がするのは正面、ルークの方向からだ。
「幽霊には“魔を断つ剣”があるんだよ」
視界が晴れてくると、薄く白い光を纏った剣が見て取れた。
万物を断ち、如何なるものを冥府へ誘う、断絶の光剣。
幽霊の象徴の一つであり、ルークの最終手段。
ロビンはその光に見覚えがあった。
「あのときの短剣と同じ……」
光る刃をエキドナに向け、ルークは言い放つ。
「次は……お前の命を絶つ」
「ひっひっひ……」
初めて見る不気味な剣に冷や汗を浮かべるエキドナ。
ルークの事を初代レイスと混同している素振りから、恐らく彼女は幽霊と直接対峙した事はないのだろう。
魔断に対して警戒心を抱くエキドナ。
しかし彼女にはそれ以上に勝利への確信があった。
「あんたはもうじき死ぬよ、鞭を斬られたせいか効き目が薄いな」
「どういうことだ?」
先ほどの"噛まれた"という言葉が頭をよぎる。
ルークの壊れた小手の隙間から見える手首に二つの小さな穴が開いていた。
異質な紫色の肌が、毒を仕込まれたことを示している。
「すでにあんたは私の毒に蝕ばまれてる」
「お前が死ぬほうが先だ」
動揺することなく、ルークは間合いを詰めてエキドナに斬りかかる。
「魔を断つ剣だかしらないけどさ」
それを邪魔するかのように大蛇が割って入り、ルークの攻撃を凌ぐ。
大蛇の血が噴出し、視界を赤く覆う。
エキドナが指笛を鳴らす。
どこからともなく大蛇が三体沸いて出る。
統率の取れた動きで竹やぶのように身を伸ばし、壁を作り出す。
「クソッ……こいつら一体どこから」
三体の大蛇が、鎌首をもたげてルークを威嚇する。
「その腕を斬り落とすことを考えた方がいいんじゃない?ひひっ」
迫り来る大蛇が次々を首を出してルークに咬み掛かる。
低く唸る剣が大蛇の口を裂き、そのまま胴体までも両断する。
大蛇達の傷跡からは次々と血の色の煙が噴出している。
(この煙……どこかで……)
煙が晴れると、気味の悪い光景が目に映る。
頭を裂かれた蛇が、頭部を二つに分裂させて復活している。
「この蛇……魔物か何かか?」
もう一体の胴を真っ二つに斬られた大蛇は再生していない。
「……まさか」
領主の館で対峙した巨人と同じ再生……
「蛇に聖血清を使ったのか!?」
エキドナは逃げる訳ではなく、当初の目的を果たそうとしていた。
あっというまにロビンへと詰め寄る。
「おいガキ、さっさと死んで『ブルークォーツ』を吐き出しな」
「なんのことですか……!?」
皆目見当のつかない名称の在り処を聞かれ、ロビンは首を横に振る。
「あれがないとボスが元のボスにならないんだよぉ……」
狂気じみた声で、ロビンへと迫る。
「ぼ、ぼくは知りません!」
「さっき着替えさせたとき、身に着けてないのは確認したからね」
エキドナは金色の鞭を取り出し、ならすように地面へたたき付ける。
「多分、あんたの体内にブルークォーツが入ってると思うんだぁ……」
瞬時に棘が鞭を覆い始め、まるで茨のようになっていく……
「ボスの為に、死んでおくれよ」
ロビンに鞭を叩き付けようと、エキドナの右腕が高く振り上げられる。
ロビンは腰を抜かし、逃げる事を諦める。
今から自分を襲う痛みを堪えようと、必死に強く目を閉じる……
ごろん、と何かが落ちる音。
「なっ……」
金色の鞭が床に転がる。
「いっ……!!!」
右肩に激痛が走る。
震え始めるエキドナの体。
落ちたのは鞭だけではない。
エキドナの右肩から先……右腕ごと落ちていた。
「あ!!!ああああああああああぁぁ!!!!」
エキドナの絶叫が室内に響く。
おそるおそる目を開けるロビン。
大蛇が噴出す血煙を背に、光の刃がエキドナを斬り裂く。
疾風のように忍び寄り、いともたやすく腕を断つ早業。
その間はまさに一瞬、噂に違わぬ幽霊そのもの。
ルークの表情には怒りの色が見える。
「ボスの為なら、他人が何人死んでもいいってか」
味方であるロビンも、戦慄する。
「痛い!!痛い……!!!」
エキドナの目に涙が溢れる。
再生する蛇がやられている事など、激痛でもはや考えが及ばない。
激しく息づくエキドナ。
「私は……ぁ……まだ……死ねない!!」
冷静を欠き、残った腕で胸元から黄色い小瓶を取り出す。
やはりか、とルークは合点がいく。
さっきの大蛇からして、間違いなく聖血清だ。
「だろうと思ったぜ……!」
隙を与えないルークの猛攻。
鈍い低音がエキドナの耳元を通り過ぎる。
次の瞬間、小瓶を握りしめた手が、宙を飛ぶ。
持ち主を失った腕がもう一本、ごとりと音を立てて床に落ちる。
「ああああああああぁぁぁぁぁ!!!」
悲痛な叫びがルーク達の耳をつんざく。
両腕を落とされ、のた打ち回るエキドナ。
その姿はまさに地面を這う蛇。
「この外道!鬼がっ……!!悪魔め……!!!」
「お互い様だろ、蛇女」
怨嗟の叫びが口から次々と溢れ出る。
エキドナは部屋の窓を体当たりで突き破り、外へと身を投げ出す。
死に物狂いで、ここが二階ということにも躊躇わない。
傷口から血を流し、蛇のように地面を這い逃げるエキドナ。
茂った芝生に、赤い血を撒き散らしていく。
「逃がすかよ!!」
逃がすまいと、ルークも破れた窓から飛び出していく。
宙に身を預けながら、離れていくエキドナの背をめがけて、魔断の終撃を放つ!
一定に低く唸っていた音が徐々に短く、そして高く鳴り響く!
「インビジブル・サイズ!」
空中で身をひねり、刃に纏った光を一閃へと収束させる!
虚空への一閃で、目の前の空間が歪む。
音速を超えた不可視の衝撃破がエキドナの身体に一本の筋を刻む。
ルークの着地と共に、エキドナの動きが止まった。
刻まれた腹部と背中の筋から、すうっと血がゆっくりと浮き出る。
口から血を吐いて、呻き声を上げるエキドナ。
「あんたは一体……何者……」
剣に宿った光の残滓を振り払い、ルークはエキドナに背を向ける。
「お前と同じ悪人だよ」
そう言って、剣を鞘にしまうとロビンの元へと向かうのであった。
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