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ぼっちで最強な俺はハーレムをつくろうと決意したが…。  作者: 柴燈烈夏
ぼっちですが何か?
6/20

5話:体育の授業

「トッモダチ〜、ヒャックニン出っ来ますよ〜。」


高らかに歌い、


超気分がハイな俺は、今凄く上機嫌!


何をされても許せそうな勢いだ。


なぜなら、俺にも遂に友達が出来たのだ!


5人だけど、出来たのだ!


男友達が!


俺の足は、スキップを踏む。


俺は、楽しすぎて浮かれていたんだ。


この後、とんでもない事が起こるなんて、思いもしないで。


「ご主人、友達出来たんですか?」


「まっ、まあーなー。この天才な俺にかかれば、友達作るのなんて楽勝なんだよ!」


「ハハッ、私は、ご主人がこの夢から一刻も早く覚めることをお祈り申し上げますよ。」


「ええ?!これって夢なの?!」


驚き、目を見張る俺に花菜は、笑顔で頷く。


「はいっ。夢です。ご主人。」


確かに、いつも俺に笑顔なんて見せないはずの花菜が笑っている…


という事は────


「これは、夢なのかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


叫ぶ俺を見る、皆。


この人と関わってはいけないという痛い視線を送ってくるが、俺はその視線に気付かず叫ぶ。


すると、花菜は冷めた声で一言。


「ご主人、すみません。これは、夢ではなく、現実です。」


「へっ?現実?」


「はいっ、現実です。」


俺の頭は血の気を失う。


「そっ、それじゃあ、俺はただ恥ずいやつだよな?!」


「おや、これは意外ですね。まさか、ご主人に恥ずかしいという感情があったなんて。」


「俺も、そんくらいあるわっ!」


そんなこんなで、俺の気分はいつもと変わらなくなり、学校に着いた。



❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁


教室────


昨日俺と友達になりたいと頼んできた男子は、既に教室に来ていたため俺は朝の挨拶をする。


「おっ、おはようっ!」


「おおっ、一宮おっす。」


「一宮おはよ。」


「元春おはよう。」


「一宮、はよっ。」


「一宮ちっす。」


最初に挨拶を返してくれたのは、


このグループのリーダー的存在の浜夏風舞(はまなつふうま)


次に、浜夏風舞の幼馴染みの風元遼河(かざもとりょうが)


3番目は、芳川夏夢(よしかわなつめ)


4番目は、相田一輝(あいだかずき)


最後は、禰元哲哉(ねもとてつや)


俺の初めての友達だ。


でも、俺ははっきり言って心配していた。


花菜の言ったとおり昨日の現実が全部夢で、俺と友達になってくれた5人は俺が挨拶しても返してくれないんじゃないかって────


まあ、そんな心配しなくてもよかったんだけどな…。


「昨日のテレビ見たか?」


浜夏風舞が、いきなりそんな話を切り出す。


俺以外の皆は頷くのだが、俺には何の話か分からない。


「見たぞ。」


「見た見た!」


「あれ、面白かったな!」


「うん、面白かった。」


「なっ、なあ…何の話してんの?」


俺は、何の話をしているのか聞くと、浜夏風舞達はハッと笑ったような顔をし、俺に謝る。


「あ〜、ごめん、ごめん。一宮には分かんない話だったよな。なんせ、夜は十傑の仕事で忙しいもんな?」


その言葉を聞いて俺は、心がズキッとして、(うつむ)く。


何となく分かったんだ、このグループの人誰1人俺のことを友達と思っていないって────


その時。


「ご主人…何となく分かったんですか?彼らがあなたのこと友達だとおもっていなかったこと…。」


「花菜は、分かっていたのか…このこと。」


「ええ、まあ。だって、ご主人に友達が出来るわけないじゃないですか。」


俺の口から乾いた笑いが出てくる。


「ハハッ、そーだよな。ごめん、俺お前らと友達なれないわ。」


5人にそう言ったのだが、5人は俺の話など聞かず佐倉花菜に話しかけてやがる。


「さっ、佐倉花菜さん…よければ俺と友達になってくれませんか?」


浜夏風舞は、赤面しながら佐倉花菜にお願い中────


その後、芳川夏夢、相田一輝、禰元哲哉も頼んでいた。


だけど、風元遼河だけは佐倉花菜に頼んでいなかったが、俺はあまりそれを気にしせず────


「だああああああっ!お前ら、誰か1人くらい俺の話を聞けっ!」


そう叫んだ瞬間、5人は同時に俺を見る。


その目は、うぜえという俺を蔑むような目だった。


俺の心はそりゃあ、もうバッキバキでしたよっ泣


「ああ?何だよ、一宮。」


「お前ら5人、俺と勝負しろっ!5人まとめてぶっ潰してやるっ!」


「ハッ、うぜえ。5人一緒でいいの?」


「は?お前、俺を誰だと思ってんだよ?十傑のNo.6の一宮元春だぞ。」


「そう言って、負けた時に5人がかりでずるいぞとか言うなよ?」


「ちょっ、ちょっと待てよ。」


「ああ?なんだよ、一輝。」


「校内での戦闘行為は禁止だよ!」


相田一輝がそう言った瞬間、沈黙が俺達の間に流れる。


しかし、その沈黙も佐倉花菜によって終わった。


「次、体育ですよ、ご主人。」


「ナイスだ!花菜。」


「ハア。ありがとうございます?」


「何で、疑問形なんだよ!そこは素直に喜んどけよっ!」


「…嫌です。」


佐倉花菜と俺は、ぎゃあぎゃあ騒ぐ────


騒いでいたのは俺だけだったんだけどな(笑)────


が、その様子を面白くなさそうに風元遼河以外の4人が見ていた。


風元遼河は、面白そうに見つめている。


────くっそ!


あいつらめ!


ぜってえ俺は、この試合勝って、


ついでに女子にもてて、


それで


ハーレム作ってあいつらが俺とちゃんと友達になれば良かったって後悔させてやるっ!


俺を裏切ったこの報いは絶対に受けて貰うぞ!


もう、泣かしちゃうもんね、あいつらを。


そりゃあ、みっともなくて見られないくらいびゃんびゃん泣かしちゃう!


そんな事をこっそり決意したのだった。




────佐倉花菜────


「やあ、佐倉花菜さん。」


「…どちら様ですか?」


誰が聞いてもわかるくらい不機嫌そうな声を出す私。


そして、私の目の前には、ご主人を騙した男共の1人風元遼河がいる。


風元遼河は、フッと私のことを花で笑った。


「フッ、俺は君のご主人の一宮元春の友達だよ。」


「はて、ご主人には偽りの友しかいなかったようですが?」


私は、かなり目の前にいるコイツを含めた5人にいらだちを覚えていた。


なんせ、自分の好きな人を傷つけ、悲しそうな顔までさせたのだ。


彼には、笑った顔でいて欲しい。


上辺だけ怒っていて欲しい。


元気でいて欲しい。


そう思っている。


なのに、彼を本気で喜ばせ、本気で悲しませた。


その行為は、絶対に許せない。


そう目の前のこいつも、だ。


そう思っていたのに…。


「他の4人は、一宮のこと友達と思っていなかったようだけど、俺は本気であいつのこと友達だと思ってるから。だから、俺と一宮が話してるの見ても邪魔しないでよ。一宮のボディーガードさん。」


「…嫌です。あなたは、彼らがご主人のこと傷つけるの見てても何も言わなかった!私は、認めません。」


「うん。俺は、君に認めてもらいたいなんてちっとも思ってないから。」


「じゃあ、何で私にこんな話をしてきたんですか。」


「別に。理由なんてないよ。俺がアイツと親友になりたいだけだから、気にしないで。」


「…そ〜ですか。不愉快極まりないですね。」


私は風元遼河にそういった後、わざと足音を大きくしてその場をあとにした。


カツンッ



❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁


体育の時間


「いっよっしゃあああああああああああっ!」


「ご主人うるさいです。」


「いっやっほおおおおおおおおおおおおっ!」


「ご主人、黙ってください。」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


「うるっせええええ!」


雄叫びのような声を出し、気分がハイテンションMAXな俺に佐倉花菜はジャーマン────


ジャーマン・スープレックスの略でプロレスにおける投げ技である。


どういったものかと言うと、相手の腰付近を持ち上げ、そのままブリッチをするつもりで自分の腰を後ろに反り、相手の頭を地面にぶつけるという超恐ろしい技である。


(注意:良い子は絶ー対に、絶ー対にしてはいけません!!!!じゃないと、相手の首が折れちゃうぞっ!)


────というおっそろしい投げ技をしてくれやがりました。


「ぎぃやあああああああああっ。」


ゴキッ


佐倉花菜のおかげで俺の首の骨にヒビが入りやがった。


全治一ヶ月は余裕でかかりそうだ。


────だが、俺には素敵な素敵な治癒魔法があるので…。


あっ、どうしよ。


俺の治癒魔法、俺がキスした相手にしか使えない。


「どっ、どーしよ?!俺これから、糞野郎5人を相手にしなきゃなんだけど…。」


「あっ、すみません。ついついご主人がうざくて…。」


「そりゃ、ないっしょ?」


「安心しなよ。俺が、4人の相手する。」


そう言って、俺の前に現れたのは、俺が友達だと思っていた5人のうちの1人風元遼河であった。


俺は、風元を睨みつける。


風元は、どうどうと俺をなだめる手振りをし、まゆを八の字にして困った顔をする。


俺の拳に力が入り、風元を殴ろうと振りかぶったが、佐倉花菜に首をやられたせいでヒョロヒョロパンチしか繰り出せない。


風元は、何か可愛い動物でも見るような顔をしている。


────なんたる屈辱的な光景だ。


俺の息は上がり、その場にばててしまう。


それくらい佐倉花菜から受けた攻撃は俺にダメージを与えたのだ。


「ごめん、4人が一宮のこと傷つけて…。でも、俺は一宮と本当の友達だと思ってるから。だから、信じて。」


「…もし、それが嘘でお前が負けたなら、俺はお前を地獄の底に突き落とすから。覚悟しとけ。」


「ああ、ありがとう。」


「…フンっ。あっ、…すみません。佐倉花菜様、もう俺ダメです。病院へお願いします。」


そう言って、俺はとうとう力尽き、地面に伏せたまま気を失う。


「あっ、ご主人すみません。そこまで酷くするつもりは無かったんですよ?」


佐倉花菜は、可愛くてへぺろと舌を出したが残念ながら、俺の意識はもう闇の中だった。



……目を覚ますと、そこは病院の個室だった。


点滴を打たれている手は凄く重く、気だるげで思う様に動かない。


俺は、指をグーパー、グーパーというように動かすが、それもだるくて手を降ろす。


その後、体育どうなったのか気になり枕の上で首を左右に振る。


だが、誰もいない。


凄く病室が静かだ。


するとそこに、風元遼河が現れた。


無傷で、だ。


「…おい、体育どうなった?」


「…あっ、起きたのか。勝ったよ、ちゃんと。」


「あっそ。」


「あれ、何かあっさりしてんのな?負けても良かったの?」


俺は、体をよじり風元遼河に背を向ける。


何故そういう行動をとったのかと言うとまるで俺と風元遼河が友達のようでちょっぴり照れくさかったからだ。


「そんな事ねーよ。ありがとな、勝ってくれて…その…友達だったんだろ?」


「…プッ。」


いきなり吹き出した風元遼河をまじまじと睨みつける。


「何、笑ってんだよ?」


「いやぁ、何か一宮って思ってたより素直なんだな?」


「ハア?!あたりまえだろっ!素直な方が友達多く出来るからだろ?」


「あっハハハ…そんなに友達欲しかったんだ。じゃあ、あいつら一宮に対してすっげー意地の悪いことしたんだな。よしっ、もっとボコるべきだった。ちょっと野暮用に行ってくる。」


「いやいや、物騒な独り言思いっきり聞こえてたから!しかも、ぼこらなくていい!」


そう俺が言った後、一宮は真面目くさった顔で俺に言う。


「じゃあ、俺と親友になってくれ。」


「────っ!」


それは、俺が今まで生きてきた中で一番言われたかった言葉で思わず涙が出る。


「おいおい、そんな泣くことか?」


「だって、俺に生まれて初めて友達ができたんだ。泣くくらいいいだろ?」


「まあ、それだったら仕方ないかもな。」


「よしっ、じゃあ…風元遼河お前を俺の親友第一号にしてやる!感謝して、泣きながら跪け!」


「泣くことは出来ないけど、よろしく親友!」


風元は、俺の寝ているベットの隣で俺に見えるように跪きながら笑顔で言った。


まるでそれは、さながら姫を守るナイトのようだった────


まあ、俺男だけどな?



..................................................

後日談────


病院から1日で退院した俺は、何だか学校久しぶりに来たなという感覚で廊下を佐倉花菜とその友達の3人で歩いていた。


すると────


「あっ、あの人よ。」


「えっ?あの人?」


ヒソヒソ周りの奴らが何かをつぶやいている。


俺は、不思議に思った。


そして、佐倉花菜に昨日の体育で何があったのか尋ねる。


「あ〜、えっとですね。そのぉー、昨日の体育…ご主人の代わりに風元遼河が戦ったじゃないですか?」


「ああ。」


「その時に叫んでたんですよ。『一宮泣かせたヤツらぶっ潰す!』って。」


────なんと!!!


凄く頼もしい親友じゃないか…。


でも、これじゃあ、誰も寄ってこないよね?


俺、男子にハーレム作って復讐してやるって心の中でこっそり決意してたのに。


これじゃあ、風元遼河以外友達できねえーし、ハーレムも作れないじゃんかよ!


「なんてこったああああああ!」


「ご主人はうるさい。」


「あっ、はい。その…すみません。」

次回の小説更新は諸事情により遅くなります。「ぼっちで最強な俺がハーレムを作ろうと決意したが…。」を読んでくださった方、またブックマーク登録してくださった方、感謝してもしきれないです。柴燈烈夏は、これからも出来るだけ早く更新できるように日々精進していく所存でございます。これからもよろしくお願いします。

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