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河童何様!?  作者: 季慧
6/6

カッパ巻きのお話

 河童を巻いて食べるという衝撃のナレーターから命からがら逃げてきた河童たち。


 

 「はぁ・・・怖かったねぇ。」


 「河童巻きとか、なんて残虐な食べモノなんだ。」


 「僕らの祖先が滅んだのって、人間に食べられてたせいでもあったのかなぁ・・・」


 「人間の尻小玉まで食べようとするから、きっと帰り打ちに合ったんだ。自業自得さ。」


 「でも、ご先祖様たちのせいで僕たちまで食べられてたら、世話無いもんね。」


 「まったくだ。」


 「ところで、兄さんは何処に行ったんだろうねぇ?」


 「そういえば、いないな。」



 そう、そこで会話してたのは次男河童と末っ子河童。長男河童の姿がどこにも見当たらないのである。逃げている最中にはぐれてしまったのだろうか。



 「まぁとにかく、僕らも食べられるとかシャレにならないから、人間には気をつけような。」


 「そうだね。」


 「・・・と、兄さんが戻ってきたぞ。」


 「え、ホント??」


 

 ニ匹が振り返ると確かに、長男河童が手を振りながらこちらにやってくる。



 「お~い、お待たせー」


 「どこいってたんだ、兄さん??」」


 「いや~、ちょっとナレーターの彼と仲直りしてたー。」


 「え、食われそうにならなかったか??」


 「兄さんって変な度胸あるよねぇ。」


 「ならなかったならなかった。ぬめぬめしててまずそうだとまで言われちゃったよー。」


 「先代の河童たちはぬめぬめしてなかったのかねぇ?」


 「そんなはずはないと思うんだが・・・」


 「まぁ、ソレはソレ、コレはコレで。お土産をパクッt・・・もらってきたよ。」


 

 長男は、手に持っていた小さな包みを見せた。箱には大きな文字で、「スシ」と書いてある。



 「なんだ、ソレ?」


 「カッパ巻きだよー。」


 「「河童・・・巻き・・・それが・・・?」」


 「そうそうー。いや、僕も最初は誤解したんだけどさ、そもそもカッパ巻きっていうのは・・・」


 「河童があんなコンパクトサイズにまとまるなんて!!」


 「あの箱の中にはきっと、放送できないモザイク物質が入ってるんだ!!」


 「「に、逃げろ!!」」



 同時に逃げだす次男河童と末っ子河童。箱を持って一人佇む長男河童。



 「・・・逃げるのは、話を最後まで聞いてからでも良いと思います。まーてー!」


 「おおおおお、追いかけてきたよ兄さん!!」


 「くっ・・・やっぱりグロ路線で行くしかないのか・・・!!」



 その後、河童たちの追いかけっこは3時間続いたという。そして・・・



 「ぜーぜー・・・美味いっす、カッパ巻き!」


 「はぁはぁ・・・でしょー・・・。キュウリとご飯って、素敵よねー」


 「おいおい、あんまり詰め込むと・・・」


 「ゲフぶっ!!」


 「・・・ほら、詰まった。ホレ、水。」


 「てか、なんで君は息切れ一つしてないのさー」


 「次男だからな。」


 「そうかー」



 ・・・無事に誤解も解き、兄妹仲良くカッパ巻きを食べたそうな。

 誤解解決です、いや、良かった良かった(*´∀`*)

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